これはまさに味の万華鏡! ご飯料理の最高峰ケララの祝祭食サディヤを食す
目次
■ごはん料理の最高峰!!
今回は、最高に美しくて、最高に豊かで、最高にフレッシュで、最高に美味しい、南インド料理を紹介したいと思います。バナナの葉っぱに乗った色とりどりのカレーが本当に美しい、素晴らしい料理。こちらが、ごはん料理の最高峰サディヤ(Sadhya)です。
ティラキタ買付班、世界のいろいろな所でご飯料理を食べてきましたが、サディヤが世界の中で最高峰のご飯料理の一つであると、ここ最近、強く思うようになりました。
サディヤを始めて食べたときの衝撃ったら!!
突然、最高のパーティーが始まったかのようだったなぁ
サディヤは、インド南部のケララ州で特に有名な伝統的な祝祭料理です。この料理は通常、特別な機会や祝祭(例えば、オーナムや結婚式)で提供されるもので、多数の料理がバナナの葉の上に盛り付けられます。
さて、サディヤの事を書く前に、まずはケララ料理全般について簡単に説明してみます。
■ケララはお米の国
インドと言うと、ナンとカレー?というイメージですが、ケララ料理にナンは存在しません。ケララはお米の国です。
ケララで使われているお米は、インド米として有名なバスマティライスではなく、ポンニ米、マッタ米、ジャヤ米等と呼ばれるクリクリと丸っこい形をしたお米です。
日本人はお米の国の人達だもんね
お米さえ食べられれば、元気が出るよ
ケララを旅行している限り、インド旅行でよくある、もうカレーを食べたくない!と言う感じにはなりません。
■ココナッツの甘い風味がベース
ケララ料理全般に言えることですが、ケララ料理はとにかくココナッツ押しです。ケララと言う名前はココナッツの国と言う意味ですからね。それはもう、ココナッツがたくさんの国なんです。料理にはココナッツミルクがふんだんに使われ、オイルはココナッツオイル、そして砂糖はココナッツシュガーと、とにかくココナッツがいろいろな形でふんだんに使われます。
ココナッツの甘い風味が苦手という人もいるかとは思いますが、フレッシュで、程よく使われるココナッツのやさしい味は非常に美味しいものです。
■作り置きしないからフレッシュで安全&美味しい
インドに行くとお腹壊すけど、ケララは大丈夫だぞ?
なんでだ?
と、旅行していて思ったのですが。その理由の一つに、作り置きをしない食文化があるのだろうなと感じます。
ケララは南の豊かな国です。
とにかく食料には困っていません。
ご飯を作ったら、食べられるだけ食べて、後は捨ててしまうのです。
料理は作ったその時に食べるものであり、作り置きして冷蔵庫に入れるという発想はあまりないんですよね。これはスリランカでも同様で、一度料理をしたら食べられるだけ食べて、残ったら捨ててしまうと聞きます。
市場に行くと、いつもフレッシュな野菜や果物がたくさんあって、確かに冷蔵庫が必要そうな感じはしません。保存をしないから、お腹を壊すような菌があまり繁殖しないのでしょうね。
料理はいつも作りたてで、いつもフレッシュ。 とにかく豊かな国なんだよなぁ…
■サディヤを食べに行ってきました!
サディヤは、お祭りや結婚式などの時にしか出ない特別な料理とのことですが、毎日、サディヤを食べさせてくれるレストランが、ケララのThrissur(トリシュール)にあるというので行ってきました。Pisharody's Restaurantというレストランで、ケララの各地域に4店舗を持ってる老舗です。Pisharody'sはトリシュールの真ん中のアクセスのいい所にありました。
お店の作りが旧ケララ様式で、風格があっていい感じだな。
さて、中に入って頼んでみよう!!
バナナの葉っぱがきれいになったら、料理が並べられます。サディヤは伝統的にバナナの葉の上に盛り付けられ、座って手で食べます。葉は横向きに置かれ、食べる人の前に広げられます。料理は一つ一つ決まった順序で、左側から右側に並べられます。
まずは1品、2品、3品。
そして4品、5品、6品。
7品、8品、9品!!!!
次から次へとおかずが並べられます。
なんだなんだ!
すごいおかずの量だぞ!!!
最後にご飯がやってきて、上にサンバルばしゃっとかけられて、さあご飯の始まりです。
ウマそう過ぎる!!
いただきま~す!!!
ダメ押しのように、追加で目の前にトンと置かれたのは、ヨーグルトとラッサムの小さなバケツ!!! バケツで食べてもいいよっていう感じなんでしょうか。もちろんそんなに食いきれませんけど!
食べ始めたらとにかく美味しくって、一気に食が進んでしまいます。サーブされるサラサラのご飯は、いわゆるインド米である細長いバスマティライスとは違う品種です。
短くて丸っこい感じで、日本の米に似てますが、あんまりモチモチしてなく粘り気がないんですよね。品種もあるかとは思いますが、湯切り法で炊いてるという事もあるかと思います。
さらさらのご飯が、水気の多いシャバシャバのカレーと一緒になると、するするする!!っと口の中に入り気がつくとものすごい量のご飯を食べてるんです。
ご飯のネバネバがなくなるだけでこんなに量が入るのか!!
一つ一つのおかずが美味しいのはもちろんのこと。
全ての味の感じが渾然一体となって口の中に飛び込みます
甘み、辛味、ビーツの味、アチャールの酸っぱさ、タマリンドの酸っぱさ、バナナの甘さ、唐辛子の微妙な辛さ、揚げて砂糖にまぶした唐辛子の味、フライドバナナの味、そしてご飯、サンバル。
とにかく全ての味が渾然一体となって、口の中で混ざり、味の万華鏡と化すのでした。
隠し味として入っているパイナップルや、ちょっと酸っぱ目のサワークリームの味。ありとあらゆる様々な味が、ミックスされて出来上がる味もあり、それもまた万華鏡の一面です。
これがケララ料理の真髄か…
口の中が味覚の宇宙になったかのようだ!!
色々と食べたことのない味もあるのですが、どれもがとても美味しくてびっくり。
唐辛子を油で揚げてから砂糖漬けにしたモノが出てきたのですが、カリ!! パリッ!!というクリスピー感と、唐辛子の適度な辛味、そして砂糖の甘さが同時に口の中に飛び込むという、今までなかった斬新なお味でした。
クリスプなパパドを、手で軽く割って、ご飯と一緒に混ぜるのもまた美味しい♪
サディヤは、全て植物由来のものだけできていて、動物性のタンパク質は一切入っていません。お肉が入っていないのに、ものすごく美味しく、味に複雑なバリエーションと深み、豊かさがあるのでした。
南国ってすごいなぁ。
ケララの食文化すごいなぁ
ケララ州の食文化の豊かさと、多様性がこの料理に現れている気がするぞ
一番最後にとっても甘いおしるこみたいなものを渡され、完全にもう腹がパンパンです。
あー美味しかった!!
今まで食べたケララ料理の中でもピカイチに美味しかった!
皆様、ケララを訪問したら是非サディヤ、食べてみてください!!
いや、サディヤを食べにケララに行ってください!!とまで言っていいと思っています。
最高におすすめです!!
■世界の料理の最高峰
その後、何回かサディヤを食べる機会があったのですが、本当にどのお店のサディアも美味しくて。世界の料理の中で、最高峰のレシピの一つだろうと感じます。ご飯とカレーという定義においては、間違いなく究極の一皿ではないかと思うのです。ご飯は湯切り法で炊かれた、さらっとしたご飯で。日本のもちもちとしたご飯とは違います。さらっとしたご飯に、サラッとした辛くない薄味なココナッツのカレーをかけていただくのですが、もう本当にカレーは飲み物なのかな??って感じで、ご飯がサラサラとお腹の中に入っていきます。
最終的に結構な量を食べるのですが、全然お腹がもたれません。高度に洗練された南国ココナッツカレーの数々の集合体がサディヤです。
100人いたら100人のカレー好きが、絶対好きって言うだろうなぁ
日本人にピッタリのお味だよなぁ
ちなみにフォートコチではこちらのSasya Family Restaurant pure vegがオススメです。店員が親切で、お安くて、美味しい!!
コチのエルナークラム周辺では、Gokul Oottupura Vegetarianがオススメです。ローカルにも大人気です!
ちなみにもし、本当にサディヤを食べに旅行するのであれば、秋の収穫祭オーナムの時期に合わせて行って下さいね。上で紹介したレストランだけでなく、最高のサディヤがいろいろな所で食べられると聞きますよ。