インドの伝統的な手法で作られるローズウォーターの工房を訪問する



ティラキタではインドの砂漠で作られたローズウォーターとローズオイルを取り扱いさせていただいています。

ティラキタのローズ製品の特徴は、

 ・保存料を含めケミカルが一切入っていないこと
 ・インドの伝統的な手法で作られていること
 ・生産者と直接取引させていただいているので、お値段がとてもリーズナブルなこと

自信を持ってお届けできる本当に素晴らしい製品たちなのです。ティラキタ買付班、よりその素晴らしいローズ製品のことを知りたいと思い、現地まで行ってまいりました。

■マハラジャに献上されていたプシュカルローズ
ティラキタで取り扱っているのは、かつてマハラジャに献上されていたと言われるプシュカルローズです。今回の話の舞台は、北インド・ラジャスタン州、デリーから電車で6時間走った所にある砂漠の中のオアシスです。地図でいうと、この辺になります。



ラジャスタン州のラジャとはマハラジャを意味し、スタンとは場所を意味しますので、ラジャスタン州はまさにマハラジャの国。大きな宮殿を建て、栄華を誇ったマハラジャ。今でも、お隣の街ジャイプルには宮殿が残り、多くの観光客が訪れます。



■薔薇が溢れるプシュカルの街
プシュカルは砂漠の中のオアシスで、ヒンドゥー教の聖地で、とても雰囲気のあるところです。湖の周りは聖域になっていて、靴を履いて入ることはできません。手に持っている靴を置くことも厳禁で、それを知らない観光客が現地の方に怒られている風景をよく目にします。インド各地からヒンドゥー教徒の方々がやってきて、沐浴をしている光景が素敵な場所です。


街の中では至るところで薔薇を見かけます。街中にバラ売りのおじさんがいたり。


素焼きのラッシーグラスの上に薔薇が飾られていたりします。


プシュカルはヒンドゥー教の聖地ですので、牛が沢山うろうろしていて、動物もたくさんいて、とってものどかで素敵なところです。大好きな街です。


■砂漠の中のローズ畑を訪問
今回、案内してくれたのは、この地で代々ローズ製品を作り続けている家系のアディティヤさんとハヌマンさんです。

アディティヤさん、こんにちは!!
今日はよろしくお願いします

遠い日本からようこそ!!
そしたら、まずはローズ畑に行きましょう♪


みんなでジープに乗り込み、出発しました。乾燥した空気の中、ゴトゴトと未舗装道路を進むこと20分。ローズ畑に到着です。


ここがローズ畑? ローズないよ…??

そう。先週、ほぼ全部収穫してしまったので、あまり咲いてないんだけど…


砂漠というよりは、準乾燥地帯というのでしょうか。乾いた大地に灌木がぽつりぽつりと生え、その中で薔薇が栽培されていました。遠くの山には木々の姿はあまりなく、ゴツゴツとした岩肌が姿を見せています。空気は乾燥していて、吸う空気で口の中まで乾いてきます。その中に美しい薔薇が咲いていました。


アディティヤさんによれば、薔薇を大きくしたら花が咲かないのだそうで、剪定をして樹高80cmほどに保つのだそうです。薔薇をよく見てみると、1箇所から最低でも5個、多いものになると10個の花が咲くように見えました。


ここはとても乾燥しているように見えるのですが、水はどうしているのですか?

水はね、全部井戸水で灌漑をしているんだよ

と言いながら、大きな井戸に連れて行ってくれました。深さは20-30m位はあるでしょうか。深い井戸の底で水が光っていました。


薔薇は水食いだから、2日に一回は必ず水をあげないと枯れてしまうんだ。ここの地下には人間の目に見えない河が流れていて、私達はその恩恵でバラを作っているんだよ

薔薇は水を欲しがるのだけど、あげすぎると香りがなくなってしまう。この砂漠の気候こそが、良い香りのバラ栽培に最適なんだよ

■伝統的なローズウォーター製法
アディティヤさんの工房では、古来からインドに伝わる伝統的な方法でローズウォーターを作っています。その一部始終を見せてもらいました。

まず畑から工房にローズが集められます。集められたローズはできるだけ混ざりものがないように花弁だけを選別します。もちろん、全て手作業で選別をします。


蒸溜所ではころんと可愛いフォルムをした大きな銅製の壺が土の火床に固定されていました。こちらがインドに古来から伝わる蒸留器です。銅製なので、熱伝導性が良く、耐久性があるとのこと。人間が抱えられないほど大きく、重そうです。何年も、何十年も、毎日使用されて来た風格があります。

蒸留器は一回に50kgの薔薇の花弁を蒸留できる大きさ。蓋に穴が空いていますが、ここから薔薇の香気成分を含んだ水蒸気が上がってきます。




工房では、蒸留器を10基所有していて、薔薇の収穫量に応じて生産量を調整しているとのこと。フレッシュな薔薇はすぐに蒸留しなければいけませんものね。薔薇は待ってくれないですもんね。


集められた花弁は、大きな布にくるまれて屋外にある蒸留所に移動します。布の中に入っている薔薇の量はおおよそ50kgとのこと。


蒸留器の中に薔薇がどんどん入っていきます。重いので3人がかりで持ち上げてどさどさと薔薇を蒸留器に入れていきます。


ほぼいっぱいになりました!! 首のところまで薔薇がやって来ているのがわかります。


その次に、ムルタンニと呼ばれる土を含ませた厚手の生地を蒸留器の周りに巻いていきます。この生地は蒸気が漏れないシールの役目をするとのこと。


布を巻き終わったら、蓋を締めて、金属の金具を付けて、その間に大きな木の楔をコンコンと叩き入れます。これで水蒸気が漏れなくなりました。


最後に長い棒を蒸留器に据え付けて準備完了です。薔薇水の蒸気が、細いパイプを通って、水の中にある丸い金属の入れ物の中で水に戻ります。


工場長のハヌマンさんにお話を聞かせてもらいました。

ハヌマンさん、どの様にしてローズウォーターができるか、教えて下さい

ローズウォーターは、今見ているように、この機械で作られるんだ。蒸留器には最初に20リットルの水が入っていて、そこに50kgのバラを入れる。蓋を閉めて、パイプを付けて、丸いローズウォーター受けを付けたら準備完了だよ

何時間くらい蒸留するのですか?

3~4時間くらい蒸留すると1回目のローズウォーターができて、そこにまた10Lの水を改めて加えて、2回目のローズウォーターを取るんだよ。2回目のものは、1回目のものに比べると香り成分が薄いんだ

なるほど。ローズウォーターには2種類あるということですね?

実は3種類あるんだよ。日本に輸出しているのはもっと特別なものでね。より芳しくなるように、1回目に蒸留されたローズウォーターを、もう1回釜の中に入れ、再度蒸留して作るものなんだ。

50Kgの薔薇に対し、最終的に18Lから20Lしかできない、スペシャルなローズウォーターなんだよ


蒸留は朝から行われ、丸一日かかります。その間ずっと、蒸留器の下では火が燃え続けています。


ちなみに…このローズウォーターには時期があるんですか?

モンスーンの時期のローズは使えないんだ。雨が多くて、薔薇に水分が含まれすぎていて、良いものが作れないんだよ。モンスーン以外は生産しているけど、シーズンは3月から4月だね。5月になると暑くなりすぎて、生産量が減ってくるんだよ


私達が話をしている間ずっと、働いている人たちが蒸留器に水をかけ続けていました。全く休まず、延々と水をかき混ぜ、水をかけ続けています。



ハヌマンさん、見ていると、彼ら、ずっと水をかけているんですが…

そうしないと良いローズウォーターができないんだよ。蒸留器自体が温まって、水蒸気が水に戻らないんだ


最終的に出来上がったローズウォーターは、キュッと木の栓で蓋をされ、工場に移動し、パッキングされて日本へと輸出されます。


■自然のままのローズウォーター

ハヌマンさん、このローズウォーターなんですが、どれ位持つのですか?

開けなければ、製造から1年は大丈夫!!

保存料は入れてないですよね

もちろん入れてないよ。ローズウォーターは加熱した水蒸気からできていて、それをすぐに詰めて送るから保存料がなくても長持ちするんだよ。日本には一番いい製品を輸出しているから、頑張ってみんなに紹介してね!!

優しい笑顔でそう言うハヌマンさんとアディティヤさん。農場から、蒸留、そして最終的な製品になるまでを一手に行っていて、全く疑いのない素晴らしい製品づくりをしていました。

この様な特別なローズ製品を紹介できることを本当に嬉しく思います。工房との直接取引でお値段もリーズナブルに抑えられていますので、ぜひお手にとってお試しくださいませ。



そして、案内してくださったアディティヤさん、本当にありがとうございました!!


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