脳みそカレーに山羊モツカレー 南インドの未知の味、チェティナドゥ料理探訪
今回は南インド、タミル・ナードゥ州のチェティナードゥ料理をレポートします。
■チェティナードって??
そもそも、チェティナードって言う単語自体、聞いたことないですよね。チェティナード(Chettinad)とは、インド南部のタミル・ナードゥ州にある地域の名前です。
この地域は、独特な文化、建築、そして特に料理で知られています。チェティナード料理は、インドの他の地域の料理とは異なる特徴があります。鶏肉や魚、うずら、羊肉などを使ったカレーが有名で、スパイスが強めで、ココナッツ、タマリンドを多用します。
チェティナードはまた、交易商人として知られるチェッティアール(Chettiar)と呼ばれるコミュニティの発祥地でもあります。このコミュニティは、その商才と財力で有名で、彼らが建てた豪華な家々が現在もチェティナード地域に残っています。
■チェティナード料理店、その名もチェティナドゥ・メス
大きな塔門ゴープラムで有名なミーナクシ・アンマン・テンプルが街の中心にあり、インド全土から多くの巡礼者がやってくるマドゥライ。その門前町にあるのが50年以上の歴史を誇る今回訪問したchatty nadu mess(チェティナドゥ・メス)です。
ちなみにタミル・ナードゥ州で「Mess(メス)」とは、主に食堂やカフェテリアのような場所を指します。
「メス」という言葉は、もともとは軍隊や学生寮などで使われる食堂を意味していましたが、インドでは一般の飲食店でも使われるようになりました。特にタミル・ナードゥでは、安価でお腹いっぱい食べられる場所として、多くの人に親しまれています。
と、言う事で、レッツゴー!!
目的地のchetty nadu messは門前町の中の小道を入っていって、細い路地の奥まった所にありました。
風合いのある店構えです。
手書きの看板が素敵です。
中の雰囲気も素敵…。老舗ならではの風格ですね。
バナナの葉っぱがテーブルに並び、お客さんを待っています。
メニューのタミル語が読めないので、指を指しながら説明してもらい、ミールスが100rs(180円)とのことを理解します。
ミールス180円か!安いな〜〜♪♪♪
バットには魚の輪切り、仔山羊の脳みそ、小魚、山羊モツ、うずらなど、今までのインドでは見たことがないものが並んでいます。
なになに?ここから選ぶの? 今までのインドの概念を壊されるラインナップだな! こんなインドがあったとは!
正直、こんなに肉の種類が多い場所は来たことがありません。
おすすめされるがままに、脳みそと、小魚、チキンをセレクト。
さて、ミールスの始まりです!!!
目の前に置かれた大きなバナナの葉っぱにぱしゃぱしゃと水をかけて、手できれいにしたら、一品づつおかずが載せられます。
先ほどセレクトしたお肉たちも調理されてやってきました。左から脳みそカレー、マトンカレー、小魚のカレー、ひな鳥のカレーです。
そして最後にご飯をたっぷりと盛られて、いただきま〜す!
お味は老舗だけあって、さすがの一言!辛すぎず、コクがあって。一品一品、丁寧に仕上げられてる感じです。特筆すべきなのは脳みそカレー。なんて言うんでしょう。白子をカレーにした感じ?ぷにぷにの食感がとても美味しいカレーに仕上がっていました。
ミールスは基本的に食べさせられ放題で、お腹がいっぱいになるまでどんどん持ってきてもらえます。ご飯はもちろん、酸っぱいスープのラッサムや、南インドのお味噌汁サンバルまで、おかわりし放題!!
こんなに食べて180円か〜。凄いな!
お会計は、1人600ルピー(1000円)を請求されました。基本のミールスは100ルピーだけど、金属バットに載っている脳みそカレーなどは全部エキストラで、それなりのお値段するのでした。
ちゃんとお値段聞きながら注文すればよかった! ま、ここでしか食べられない料理たちだったからいいか…
■インドは曼荼羅世界
しかしインドって、本当に様々だよなぁ…インドってこうだって言うと、それがもう間違いって事だよなぁ…
ほぼ毎年訪問しながら30年経っても、まだ新しいインドがどんどん出てきて、インドのことなんてまるでわからないなって感じるのです。
インドと一口に言うけれども、州によって文化や食べ物が全然違く、ちょっと州をまたぐとまた別の文化や食事が出てきて。
もちろん根底にはインドイズムと言うべきベースのインド感はあるのですけれども、じゃあラジャスターンとケララ州が同じ国かというと、やっぱりちょっと違うような気も。
インドを旅することは、曼荼羅模様の世界を旅してるようで本当に飽きないものです。
最後になりますが、chetty nadu mess はアジアハンター小林さんの「食べ歩くインド」を参考に訪問させて頂きました。素敵な情報ありがとうございます!