軍用トラックとチベット仏教が入り混じる インド、中国、ブータンの国境地帯を行く

■辺境の地で軍人に囲まれる
広いインドですから、行きやすい所、行きづらい所、色々な場所があります。人生を賭けてインドに関わっているので、インド全土を廻ってみたいと思い、積極的に旅に出るのですが、辺境の地では思わぬトラブルがやってきます。
辺境の地に行って、困ったことってあります?
あるよ!! 凄いあるよ!!
以前ね、ブジって言うパキスタンとの国境地帯に行ったことがあるの
インドとパキスタンって、いつも仲悪いですよねぇ
それでね、あまりにも景色が良かったんで、小高い丘い丘の上に登って写真を撮っていたんだよね。こんな感じの場所なんだけど
茫漠とした砂漠ですね
そうそう。車をチャーターして走っていたんだけど、景色が素敵でさ。羊の放牧に出会ったり、ラクダ使いに出会ったり。とにかく楽しかったんだよ


それで、写真を撮っていたらさ、隣の丘から6人くらいの人間が俺の方にダッシュで向かってくるんだよ。よく見たら軍人でライフル持ってて
ヤバいじゃないですかwww
走って逃げたら殺されると思って、ゆっくり歩いてその場所から移動しようとしたんだ。
でも兵士たちが猛ダッシュでやってきてね。6人の屈強な兵士に囲まれたんだよね。
インドは準戦時中なんだって、改めて思ったよ。
これ、その旅行の時に撮った写真なんだけど、インド人ってみんなノリが良くてさ。楽しいんだけど。軍人だけはマジだったなぁ…

■話の舞台は中国とブータンの国境地帯
という事で、今回の話の舞台はインドの東の辺境の話をお送りします。舞台は中国とブータンの国境地帯アルナーチャル・プラデーシュ州タワンエリアです。
ノースイーストと呼ばれる、インド北東エリアで、インドがよっぽど好きでも足を踏み入れる人は極少数。1992年まで外国人が立入禁止だったエリアでもあります。地図ではこちらになります。

アルナーチャル・プラデーシュ州は、古くからチベットと交流があった地域で、今でも多くのチベット僧院が現存しています。文化的にはインドと言うよりも、チベットの一部と言ってもいいのでしょうね。
そしてここは多くの民族が住んでいる少数民族エリアでもあります。モンパ、パンチンパ、マゴパ、などに代表される27の主要部族がいます。ガイドをしてくれたガンディーさんはアディ族出身とのこと。太陽と月を信仰するアミニズムを信仰しているのだそうです。
アルナーチャルでは、実際、車で少し移動するだけで、違う言語を話す人たちに出会えます。あまりにも多言語すぎるので、共通言語はヒンディー語か、英語になっているのだそうですよ。

また、1960年代に中国の侵略にあった地域ですので、今でも軍事的に大変重要な地域として統治されています。旅行していても、観光地と言うよりは、軍事基地を巡る旅…みたいな感じを受けます。
車で走っていても、軍事車両が多かったなぁ。
現地の人よりも軍人の方が多いのではないかと思えるほどの軍人の数だったし
撮影禁止エリアが至る所にあるしね
山の中を走っていると軍用トラックによく出会いました。1台だけで来る時もあれば、複数台、ときには20台繋がってくるときもありました。

白いタルチョの横を軍用トラックが走っていました。タルチョーは普通5色の色をしているチベットの祈祷旗ですが、白いタルチョは非常に珍しいもの。この地域だけで使われてるような気がします。

■独特な文化が楽しい
アルナーチャル・プラデーシュ州は伝統的にチベット文化圏の中に位置していて、様々な僧院や伝統文化が今も生きています。外部からの文化があまり流入してきていないので、独自の文化が花開いていて、人々の服装や習慣も独特です。この地域でしか見かけない不思議な帽子を被っているおばあちゃん。首と耳に飾られている大きなターコイズのネックレスとイヤリングはチベットの伝統的なおしゃれです。

僧院の子供たちがおそろいの赤いショールを着ていました

■アジアで二番目に大きなチベット僧院タワンを訪ねる
ティラキタ買付班、アジアで二番目に大きなチベット僧院タワンを訪ねてきました。
タワン僧院は400年前にミラ・ラマによって建立されたチベット寺院です。タワンエリアは今はインドですが、11世紀までチベットだった場所なのだそう。タワンは昔からチベットとこの辺の地域をつなぐ交易の拠点だったのだそうです。

タワンとは、馬の場所と言う意味で、昔、人々が、交易のために山から馬でやってきたので、ここにタワンと言う名前がついたとのこと。
現在、この場所はインド領であり、中国に住んでいるチベット人は入れないため、タワンの人たちが、チベットにいる親族に会いたいときは、ネパールに行って会うのだそうですよ。

現在、タワン僧院には少年僧100人位を含む、300人の僧侶が住んでいるとのこと。僧侶の多くはバラナシや、ダラムサラに行って4-5年学び、帰ってきて、タワン地方の各村のお寺に配属されるとのことです。

タワン地域には、タワン・ゴンパ、キンメ・ゴンパ、リギリン・ゴンパ、ギャンコン・アニ・ゴンパ、ブランドンチョン・アニ・ゴンパ等の大きなゴンパがあり、その他にも小さな多数のゴンパがあるんですって。


寺院の中にはダライラマの肖像画が飾られていました。

僧院の中にはマニ車があって、参拝に来た人々がくるくると廻していました。

数多くの仏像が大切に飾られていました。

■険しい山々と国境
アルナーチャル・プラデーシュ州はヒマラヤの険しい山々と国境に挟まれたエリアです。山が険しく、道が狭いのでたまに事故に遭遇します。

そんな中、ヤギの移動をさせている人に会いました。国境地帯とはいっても現地の人の生活は牧歌的です。

山の中にはヤクが住んでいました。

ヒマラヤの山中ですので、道はくねくねとしています。

小さなお店では優しい人たちが座って待っていました。


国境に囲まれた地帯ですので、国境は至る所にあります。この写真はブータンとの国境の川。
川の向こうはブータンだそうです。
川が浅いので歩いていけます。国境感ゼロですね。
インドはブータンと、良好な関係を築いているので、ここには軍隊はいませんでした。

下の写真の奥に、踏切みたいなゲートがみえますが、あれが国境なんだそうです。
とっても簡単な国境ですね。
ここはバングラデシュとの国境も近く、山の向こうは中国との国境です。
まっすぐ正面を見てみると中国、そしてチベットがあり、左手の方がブータンだそうです。
国境はすぐ近くにあって、今すぐにでも行けそうな感じがしました。

私たちティラキタもきっと2回目は行かないであろうアルナーチャル・プラデーシュ州。できるだけ雰囲気が伝わるように写真多めでお届けしましたが、その魅力、伝わりましたでしょうか?
辺境ではありますが、許可さえ取れば旅行が可能ですので、気になる人は是非行ってみてくださいね♪









































