一生に一度は泊まってみたい! 地上の楽園カシミール名物のハウスボートについて
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目次
■この世の天国と言われるシュリーナガル
今回の話の舞台は、インドの北の方、カシミール地方のシュリーナガルです。シュリーナガルは1990年代に紛争があってからと言うもの、そのキナ臭いイメージからあまりツーリストが訪れることがなくなってしまった場所ですが、かつてはこの世の天国として、ヨーロッパからのツーリストで溢れた場所でもありました。![](https://blog.tirakita.com/wp-content/uploads/2023/03/IMG_20230314_165645-1.jpg)
とにかくシュリーナガルは美しい場所です。ヒマラヤ山脈の中腹にあり、シュリーナガル盆地をぐるりと囲むようにして白い雪を頂く山々が聳え立っています。盆地には山々から清冽な雪止め水が流れ込んで大きな湖を作り、そこに古来から人々が暮らしています。
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1900年代にインドを支配していた英国人たちも。
そしてムガル帝国の皇帝も。
シュリーナガルの美しさと、涼しさを求めてこの世の天国にやってきたものです。
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■とっても豪華なカシミール名物ハウスボート
シュリーナガルの真ん中にある一番大きな湖がダル湖で、そこに現在900隻はあろうかという、ハウスボートがぷかりと浮かんでいます。ティラキタ買付班、その中の一つに入らせてもらいました。外からの見た目はちょっと地味ですが…
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中に入ってみると、最初から最後まで、「すんごい豪華!!!! なんだこりゃ!!!!!」
こちらはリビング、ダイニングルームなのですが、シュリーナガル名産の手彫りの彫刻で内装が施され、調度品はセレクトされ、足元にはカシミール絨毯が敷かれています。天井もカシミール伝統のイスラム模様が施されていて。これを作るのにどれだけお金と時間がかかるんだろう…
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ベッドルームは2つ。いずれの部屋にもダブルベッドが置かれています。ここが船の中とは全く思えません。そもそも、なんで船の中をこんなに豪華にする必要があるんだろうか…と疑問が出てしまうくらいの豪華さです。
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船の外装にも木彫がふんだんに施されています。
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■ハウスボートオーナーのマンズールさんにインタビューしてみました
なぜ、カシミールにハウスボートがあるのか。そして、なぜこんなにも豪華なのか。
ハウスボートは誰が使うのか。
いろいろな疑問をハウスボートオーナーのマンズールさんに聞いてみました。左側がマンズールさん、右側が紹介してくれた友人のザヒッドさんです。
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その経緯をマンズールさんが詳しく教えてくれました。そもそも、ハウスボートというのはその昔にイギリス人がインドを支配していた頃に歴史が遡ります。
1800年代、1900年代にはインド全土を英国が支配していましたが、それでも、カシミールは特別な地域でした。カシミールのマハラジャが国を支配していて、イギリス人はカシミールの土地を買うことができませんでした。
暑さの苦手なイギリス人達が避暑のために、夏の間、カシミールに秘書のための拠点を築こうと思ってもできなかったのです。土地を買えないイギリス人達が目をつけたのがこの地方で移動のために使われていたハウスボートでした。
もともとハウスボートは移動のために使われていましたが、英国人たちが自分たちの夏の住まいとして使用する様になり、どんどん豪華にしていったのだといいます。
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歴史背景の中でハウスボートができたので、ハウスボートがカシミール人たちの所有物だとしても、使うのはあくまでもツーリストであり、カシミール人たちはここには住んでないそうです。
■どうやってお客さんを集めるのかな
マンスールさんにどうやってお客さんを集めるのか聞いてみました。ダル湖の入り口にはハウスボートがずらりと家のように並んでいてお客さんを取り合ってるようにしか見えなかったからです。![](https://blog.tirakita.com/wp-content/uploads/2023/03/ume.png)
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ちなみにカシミールには900隻のハウスボートしかないそうです。900隻と言うと少ないような気がしますが、シュリーナガルは有名な観光地ですので決して多い数ではないとのこと。
シュリーナガルはインド人達の夢の観光地でありインド人達は12億人いますからね。そしてカシミールに来るツーリストは必ずハウスボートに泊まりたがるので、需要は尽きないそうです。
■ハウスボートの寿命は?
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とにかくケアがとても大切で、ケアを怠ると沈んでしまうそうです。
■ハウスボートは外人でも買えるのか
中国人は日本の土地を買えますが、多くの海外諸国では外人はその国の土地を買えません。まあ別に土地は持って帰ることができないので、売ったとしてもお金を落としてくれるだけな気もしますが、とは言っても複雑な気持ちです。インドでは外人は土地を買うことはできません。土地を買えるとすれば会社を作った時だけですが、その会社も51%はインド人所有でなければならないはずです。実質的にインドでは土地は買えないと聞いています。
でも、ハウスボートはボートだから買えるんじゃないか?と思ってマンスールさんに聞いてみました。
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えええ? そうなの? シュリーナガルと言ったらハウスボートって言う位有名なのに…。
修理をしないと沈むから、こっそり修理をして長持ちさせているそうですが、それでも年々ハウスボートの数が少なくなっていて30年前には2000隻あったハウスボートが今では900隻しかないのだそうですよ。
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■マンスールさんちの予約方法
さてさて、インタビューさせてもらったお礼に、マンスールさんちの予約方法を掲載しておきます。連絡先:
Manzoor khankashi
Exotic palace house boats nageen lake srinagar kashmir
±91-9810619990
Hotels.comやBooking.comなどには掲載していないので、WhatApp経由で予約してね、とのことでした。一泊の料金は3食付きで 9000RS(16000円程度)とのこと。日本と変わらない! 結構お高い!と思いますが、今、これくらいがシュリーナガルのホテルの相場なんだそうですよ。相談すれば多少はお安くしてくれるというので、遠慮なく言ってみてくださいね。
しかし、インドが安い国というのはもはや過去の話で、インドのラグジュアリーを満喫しようと思ったら、ちゃんとお値段を払わないとダメになりましたねぇ…。