宗教と、瞑想と、文化がおしゃれにミックスした南インドの素敵なブランドのこと
■ポンディシェリーのおしゃれなお店
今回は、南インドのポンディシェリーで作られている素敵なお香と石鹸のブランドの話です。ポンディシェリーは、南インドのチェンナイ(昔のマドラス)の近く、大きなインド亜大陸の南の方にあるちいさな港町です。小さいローカル空港はありますが、基本的には電車かバスで向かう場所です。
この街にCOTTAGEと言うお店があります。およそインドとは思えない素敵な外観と、ハンディクラフトを中心としたプロダクトが人気で、ポンディシェリーと、オーロビルにやってきた外国人観光客でいつも賑わっています。
こちらがCOTTAGEの入り口。打ちっぱなしのコンクリートで統一された、とても素敵な店構えです。押印のような店名と、浮き彫りのガネーシャも可愛いですね。
お店の中も素敵でした。壁には手でお香が作られる写真が掲示され、レジの奥には精神的支柱であるミラ・アルファサの写真が飾られています。
販売しているものはすべて地元の人々が作ったハンドメイド製品です。すべての商品が地元の人達の協力の下に、フェアトレードとして取引されているのだそうです。
手作りではあるけれども、インドに西洋の香りが混じった素敵な製品に仕上がっていて、「これはヨーロッパの女性たちに人気だろうなぁ…」と直感する仕上がりです。
石鹸も、お香も、キャンドルも。どれも素敵なものばかりでした。
インドとポンディシェリーの旧宗主国フランスが、ちょうどいい具合で混じり合っています。
今回は、COTTAGE社の製品の取扱開始記念に、なぜポンディシェリーなのか。他のインドでは、このおしゃれな製品たちをなぜ見かけないのかを、歴史的背景を通じながら、解説していこうと思います。
■ヨーロッパの植民地であったインド
インドが英国の植民地であったと言う話はよく知られている所です。英国から独立した1945年以前は、インド全土が英国の植民地でした。現代インドの法体系など、近代インドの基礎は英国人たちが作っていったとされています。では、インドは英国だけに支配されていたのでしょうか?
実は、そういう訳ではありません。インドは英国東インド会社によって、英国が最終的に治めることとなりましたが、それ以前は、ポルトガル、オランダ、フランスなど、ヨーロッパ各国が各地に植民地を持っていたのです。
・デンマーク領インド
・フランス領インド
・オランダ領インド
・ポルトガル領インド
・イギリス領インド
という風に、1600年代頃はヨーロッパの5つの国々がインドに植民地を置き、インドの中に栄華を極めたムガル帝国と、各国の植民地があると言う図式ができていたのです。
こちらは1765年のインドの地図。赤い部分は東インド会社の領地で、南インドの斜線がついている部分はフランスの影響下にあり、そして海沿いにある小さな点が英国、オランダ、ポルトガル、フランス、デンマークの拠点です。
■フランス領インドであったポンディシェリー
インドを旅していると、「ああ、ここは植民地だったんだな」と言うヨーロッパの香りがする土地にしばしば出会います。フランス領インドであったポンディシェリーもその一つ。黄色の壁の街並みがとても植民地風です。
壁の色に合わせたオートリクシャとか。
素敵な色の壁とお花も。
変哲もない行き先表示も。
街をそぞろ歩いていると、インドの中に取り残された中世ヨーロッパが感じられます。もちろん、全てがヨーロッパではなく、インドの香りとヨーロッパの香りがしっくりと同居しているからこその素敵さがあります。
■ポンディシェリーと精神世界
COTTAGE社は、1910年、オーロビンド・ゴーシュが英国に追われて、フランス領インドであるポンディシェリーに逃げてきたことから始まります。オーロビンド・ゴーシュは、「神的な生命」に相当する「スーパーマインド(超精神、超心)」と呼ばれるハイレベルの霊的意識を確立することによって地上での生活の進化を促進することを目的とした、「インテグラル・ヨーガ」と呼ばれる新しい霊性の道の実践と進化を主唱した人です。
ポンディシェリーに彼らの周りに集まった門弟の共同体「シュリー・オーロビンド・アーシュラム」を設立。そして1949年、「シュリー・オーロビンド・アーシュラム」の一部として、地元の人々に安定した雇用を作るためのブランドとしてCOTTAGE社が発足します。
オーロビンドが1950年に死去した後、オーロビンドの精神的なパートナーであり「マザー」の名で知られるミラ・アルファサが、人間の団結を促進するユネスコの後援を受け、1960年代中頃、ポンディシェリの近くに国際タウン「オーロヴィル」を開設しました。
そこは、全ての国の男女が、全ての国籍・政治思想・信条を超越した平和と段階的調和に生きることが可能な理想郷を意図して創られたものでした。
オーロビンドが亡くなり、マザーが亡くなった現代でも。オーロビルは現存し、世界各国からの自由な意志を持つ人々を受け入れ続けています。そして、ポンディシェリーはその玄関口の街として、アシュラムのある街として、機能しているのです。
ちょっと難しい話になりましたが、COTTAGE社がただの会社ではなく、ヨーガと瞑想をベースとした会社であり、その思想を持って作られた商品たちであることがおわかりいただけましたでしょうか?
■COTTAGE社の製品
ということで、素敵なCOTTAGE社の製品の中から、ティラキタ買付班がセレクトしてきた商品をちょっと紹介してみたいと思います。こちらはパッケージがとてもシンプルで美しいスティック香。インドのお香というと、ちょっとゴテゴテしたパッケージに、きつめの香りと言う印象ですが、こちらはいい意味でそのイメージを壊してくれます。
こちらはインドの伝統である素焼きのカップと、ポンディシェリー周辺で作られた押し花を使った、とても可愛いキャンドルキット。ギフトセットもあり、飾らないプレゼントとして最適です。
こちらはシンプルなパッケージがおしゃれなコーン香。他のインド香よりも、より自然に近い配合です。
Devotion=献身や専心、忠誠心という意味の名前がついているティラキタオススメの手作り石鹸。特にニームの石鹸がお気に入りです。
他にも色々な素敵な商品がCOTTAGEからやってきました。お手頃な価格のものが多く、お求めやすくなっています。ぜひ、ご覧くださいませ。