中央アジアの文化が息づくインド シュリナガルのザヒッドさんちを訪問する



■ザヒッドさんちにお世話になりました
ティラキタ買付班、一週間ほど、カシミール シュリーナガルのザヒッドさんちにホームステイさせていただきました。ザヒッドさんたちは10年くらい前からお付き合いしているカシミールの方で、色々ドタバタがありつつも、別れずに仲良くさせていただいています。

取引先さんって、もちろんお互いに商売ではあるので、上手に人間関係が構築できるように頑張りますが、やっぱり相性ってあると思うんですよね。うまく行かない所、長続きしないところってやっぱりあります。

長続きしない理由も様々なのですが、ティラキタの注文数量が少なくて取引先の方が納得しない場合が一番多く、これは仕方ありません。彼らが狙っている取引先がカルフールとかコストコだったりする場合、どうしたって私達は彼らの期待に応えることができません。

その他にもどんどん値段が上がってきて、日本で受け入れてもらえる価格以上になってしまったりすることもあります。

そんな中で、10年もお付き合いできている取引先さんは本当に貴重です。お互いビジネスではありますが、これもまた、大切な人間関係だなと思ったりするのです。



■シュリーナガルはインドの北の方
シュリーナガルって言っても、ピンとこないと思いますので、まずは地図を見てみます。シュリーナガルはデリーからだいぶ北に行ったところにある場所で、インドと言うよりも中央アジアといった場所です。近隣の都市がパキスタンのイスラマバード、アフガニスタンのカブール、タジキスタンのドゥシャンベですからね、まさに中央アジアです。



シュリーナガルに行くには陸路は時間がかかりすぎて辛いので、今のところ飛行機一択です。デリーから1時間位で到着します。到着するとすでに空港の表示からしてインドではない雰囲気。ヒンディー語、英語に合わせてウルドゥ語も書かれています。



空港の看板はシュリナガル名物のチューリップ。チューリップ畑が綺麗で、インド全土から観光客が訪れるのだそうです。



■デリーとは違う雰囲気
シュリナガルはデリーと同じ国ではありますが、文化的なバックグラウンドも、気候も、人種も、食べ物も何もかもが違います。到着して一番印象的だったのは空気のフレッシュさ。空は蒼く澄んでいて、深呼吸すると肺のなかに新鮮な空気が流れ込みます。



イスラム教徒が多いムスリムエリアだけあって、イランの聖人の顔が壁に飾られています。



地震のない地域なので素焼きレンガと石で全てができていて。素敵な雰囲気です。



ザヒッドさんちの2階からの眺め。おや、各家に勾配屋根がついています。デリーやムンバイでは見かけなかった光景です。ザヒッドさんに聞いてみると「ここは雪が降るからね」とのこと。





■ザヒッドさんちでお食事をいただく
ザヒッドさんちに入ってみると、部屋の中には調度品はあまりなく、絨毯が敷かれていました。これは中央アジアの家の典型的な特徴で、もともと遊牧の文化だったからかなぁ…と思うのですが。彼らはくつろぐのも、お客様を迎えるのも、食事を食べるのも。すべてこの絨毯の上で行います。



食事が出てくる時はこんな感じになりますね。絨毯の上にちょっとした布を敷いて、その上に食器を並べて頂きます。



この日出してくれたのは、カシミール風のケバブ。柔らかいソーセージみたいなもので割りと辛めでした。



お野菜の形がしっかり残っているカレー。こちらも割と辛めでした。



じゃがいものつゆだくカレー。そしてこちらも割と辛めでした。どれも辛いけど美味しかったーー♪



■カシミール 名物の あんず が美味しい
おやつに出していただたのがこちらのあんずです。黄色い梅干しみたいな見た目をしていて、乾燥していてカチカチです。カチカチのまま口の中に入れて、しばらくするとちょっとづつ柔らかくなってくるのと同時に、干したあんずの甘みがじんわりと出てくるのでした。柔らかい食物が好きな日本ではあまり受け入れられなさそうですが、これはこれで美味しい♪♪♪



■お家で出てきたポットが素敵
ザヒッドさんちにあったモノで一番のお気に入りは、こちらの金属製のポット。
銀色もいいし、何よりもシェイプが可愛い!!!



こちらのポット、100年以上前から代々、ザヒッドさんちに伝わる生活民具で、今でも毎日使っているそうです。ポットの真ん中には空洞があり、そこには火がついたままの炭が入れられるようになっています。寒いシュリナガルの気候に合わせて、電気を使わなくても保温ができるようになっているのですね。



ちなみに上の写真の黄色いお茶は、この地方特産のサフランが溶け込んだカシミールティ。そして下の写真の赤茶色のお茶はソルトミルクティです。どちらも独特の味わいでした。

■服の中に火がついた炭を入れる
ザヒッドさんが、もう一つ、今でも使われている昔から伝わる民具を見せてくれました。円筒形の変な形をしたもので、色々なものを見続けてきたティラキタ買付班も初めて見る道具です。



こちらは携帯火鉢で、真ん中に火がついた炭を入れ、上にちょっと灰を被せて燃える速度の調整をしながら使います。寒い時期にはこの様に服の中に入れてしまって暖を取るんだそう。実際にやってみましたが、自分の服の中に火が入っていると、そりゃ温かいですよね。



■帰りの空港は5重のセキュリティチェック 
最初はビジネスから始まったザヒッドさんちとの関係ですが。今回訪問してみたら本当に暖かく、家族のように接してくれて。ただただ、ありがたいばかりです。帰りがけにはご家族のスカニアちゃんと、ヤスミンちゃんからお手紙まで頂いてしまって。あまりにも心温まる訪問でした。

ザヒッドさん、奥様、アリ君、スカニアちゃんと、ヤスミンちゃん。 本当にありがとうございました!!

空港までザヒッドさんが送ってくれたのですが…なんと空港ではセキュリティチェックが5回もありました。紛争が落ち着いているシュリナガルではありますが、まだまだちょっとキナ臭い部分が残っているのですね。


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