生きている鶏は贈答品♪ 鶏を自宅でシメるネパールの生活について

■鶏は街中に

インドやネパールでは、鶏は街中でコケコケしています。

こちらはコルカタで鶏が、カゴに入って売られている様子。カゴの上の網から顔を出している鶏がなんとも可愛いですよね。


この鶏たち、買われたら足をぐいっと縛られて自転車のハンドルに引っ掛けられて連れて行かれます。


始めて見た時は衝撃で、「そんなのアリ？」って思ったくらい雑！！！！

■生きている鶏をプレゼント♪

ティラキタ買い付け班、買い付けの合間に、ネパールの取引先のディリップさんちに招待してもらい、ローカルチキンをごちそうしていただくことになりました。

ネパールでは、同じ鶏でもローカルチキンとブロイラーの2種類があります。ローカルチキンはいわゆる地鶏のことで、こんな感じで自宅の庭で平飼いにされています。ブロイラーは一羽700ルピー位ですが、ローカルチキンは一羽4000ルピー以上するのだとか。そして味も全く異なり、ネパールの方々には完全に別の物として認識されています。ブロイラーは利益を目的として育てられますので、できるだけ短時間で出荷されるの対し、ローカルチキンは食べるまでに１年以上じっくり育てられます。

そして未確認ですが雄鶏が特にローカルチキンとして珍重されているような気がします。ディリップさんとこの屋上も雄鶏だけでしたっけ。



ディリップさんは、私達がお願いしている衣料品工房の工房長なのですが、工房長としての顔だけでなく、なんとtiktokerとしての顔も持っていてダンサーとしてネパール人コミュニティの中ではよく知られた存在です。

ディリップさんが4ヶ月ほど前に鶏をプレゼントしてもらったので、それを一緒に食べようとお誘いしてくれました。

ローカルチキンはごちそうで、ごくたまに、ネパール人同士の贈答品になったりするんだそう。
生きている鶏をプレゼントされるなんて、びっくりですよね。

ネパールでは家の屋上に鶏カゴがある家も多く、ほとんどの人たちが自分で鶏を絞められるので、大変喜ばれるとのことです。



ローカルチキンを絞めて食べる日は、家族と親戚が集まる特別な日。
そんな特別な日の晩餐にティラキタ買付班、お呼ばれされることになりました。

■自分で鶏を肉にしてみたいと立候補！！

男の子だったら一度はやりたいことの一つに、「鶏を自分で絞めて肉にしたい！！」って言うのがあると思うんです。動物を自分で絞めて、肉にできたらなんだか、生きていく上での重要なスキルが手に入りそうじゃないですか。

自分で絞められなくとも、生きてく上では全く困らないし。
鶏肉はそのへんで売っているんだから別に自分で絞めなくたっていい。

それはそうです。
でも、やっぱり、男の子なんだから鶏の一匹くらい絞められなくてどうする！

てな気がします。

ということで、ディリップさんちで鶏を絞めて食べる事になりました。

鶏の足をギュッと持っておけば鶏は逃げません。



鶏の首を使い込まれた木の台座に当てて、包丁をぐっと喉に押し込みます。結構力を入れないと切れません。優しくやっていると逆に鶏を苦しめてしまうので、思い切ってぐいっと力を入れて一気に首を落とします。鶏が痙攣し、首から血をボタボタと落とし、そしてだんだんと動かなくなっていきました。



次に鶏の羽を抜きます。鶏の羽は、沸騰したお湯に鶏をくぐらすと簡単に抜けるようになります。お湯に鶏をくぐらせて、ブチブチと羽を抜いていきます。割とあっさりと羽が抜けると、そこには見たことのある鶏肉が出現していました。

■鶏肉の切り方による旨味の違い

インドやネパールではお肉はぶつ切りで食べられます。今回も、鶏はチョッパーナイフでぶつ切りにされ、2－4cm位の食べやすいサイズになって、カレーとして煮込まれました。

このぶつ切りのお肉。骨が尖っていたりしてちょっと食べづらいのではありますが、独特の旨味があって、正直、なんで日本でも骨付きぶつ切り肉ないんだろ？って思っちゃうんです。

■そして、夕飯が出来上がりました！！！

鶏を絞めてから待つこと1時間。超フレッシュなチキンカレーが出来上がりました！！！！

一口食べると…それはもはや僕たちが知っている鶏ではなく、マトンみたいなもちもちとした食感！！
鶏の滋味がひと噛みごとにじんわりと口の中に広がります。



招待してくれたディリップさん、ありがとうございました！！
そして、大切なローカルチキン、ごちそうさまでした！！！