商品輸入の裏話。住所がないから輸入不可ってどういう事?
今回は、商品の輸入に関する裏話をお送りします。
商品を輸入する時って、素敵だから何でも輸入できるって言う訳ではないんです。
以前も「スパイスの輸入は超大変!! ティラキタ大失敗レポート!!」でスパイスの輸入ができなかった事をレポートしましたが…
輸入して販売するというのは責任を伴うことですから、いろいろな考えなければいけない事が多いのです。
■輸入したかった商品は
今回輸入したかった商品はビアホイグラスと言う素敵なコップです。ベトナムはビアホイと言う飲み屋さんがあります。ビアホイというその名の通り、ビールをメインに出してくれる居酒屋さんなのですが、そこで使われているコップが今回輸入したかったビアホイグラス。
こちらのコップがビアホイグラスです。ビールとおつまみと一緒のビアホイグラスはおしゃれで素敵!! アジアン的なシンプルキッチュな良さがありますね。
光にかざしてみると、ガラスが不均一で中には気泡が入っています。
とっても可愛くて、素敵で、ぜひ輸入したいなと思ったのです。
■マーケットに行って探してみる
さて、これが欲しいというものが決まったら、マーケットに商品を探しに出かけます。最後に輸入する時はもちろん、現地の工房まで行くのですが、まずはマーケットで大体の相場や、品物感を見定めます。
マーケットに行ったらありました!
ビアホイグラスがありました!!
ビアホイグラスは、現代の商品とは思えない雰囲気で店先に並んでいました。むしろこの写真がベトナム戦争の時に撮影されたと言われたら信じちゃいそうな雰囲気を持っています。ちょっとすすけたコップもアンティック感たっぷりなら、ガラスとガラスの間の緩衝材はなんと稲わら!!というのも時代を感じさせます。
稲わらをパッキング材に使うって…もしかしたら、僕らが既に忘れてしまっている、昔からの先人の知恵なのでしょうか。
立てて撮影してみました。ガラスの色、ガラスの中の気泡がなんとも言えません。
今の日本にこんな風合いのガラスコップがあるでしょうか。これ、輸入できたら、日本のどこかのおしゃれカフェに貰われていきそうな気がします。
■実際の製造工程はどうなっているのか…
ビアホイグラスを輸入しよう!という事で、このビアホイグラスの工房を探そうとしたのですが…その時の買い付けはそこで時間切れ。ちょっと中途半端なまま、日本に帰ってくることになりました。その後は現地の友人と連絡を取りつつ、輸入の準備を始めることになりました。
輸入するのに、食品衛生検査を通さないといけないんだよ。それでね、生産している会社の住所と名前がほしいんだ
いろいろ調べたんだが…生産している会社はない
ないって? どういう事?
ビアホイグラスは、ある地域で作られているんだ。工房や会社で作られているわけではないんだ
う??ん
これはどうしたものか…と思って、ネット上をウロウロしていた所、ビアホイグラス工房の写真を発見しました。
こちらがビアホイグラスの工房です。どうやら、ベトナム人の友人が言うようにビアホイグラスはある地域で、家庭内手工業的に作られているものの様でした。だから住所も名前も不特定なんでしょうか。
工房の庭先に、原料のリサイクグラスが山になっています。
原料のガラスをスコップで平べったい竹のザルに入れている所
リサイクルガラスを炉の中に入れ、再度熱してどろどろのガラスにして整形している所。
そして出来上がったのがこちらのビアホイグラス。
全てハンドメイドで素敵なんですが…生産している会社の住所と名前がなかったら食品検査には通らないんですよ!!!
そう言う話はアジアにはいっぱいあるんですが、それでは日本のお役所は書類を通してくれないんですよ!!!
だって住所がないなんて日本ではありえないですもんねぇ…
写真ソース:[Photos] This Is Where Hanoi's Bia H?i Glasses Come From