面白い顔を延々と作り続ける ネパールのフェルト工房訪問レポート



■知られざるフェルトの名産地 カトマンズ
ネパールのカトマンズ盆地は知られざるフェルトの名産地です。フェルトは羊毛と石鹸さえあれば簡単に作れるのですが、すべて手作業で行わなければいけないため、ハンディクラフトが盛んなネパールで主に生産されています。

手作りフェルトは柔らかくて可愛く、簡単に手作りも出来るので、フェルトアーティストの方々の作品はヨーロッパ諸国でしばしば見かけるのですが、やっぱり手頃な価格帯の製品となると、ネパール製が多くなるような気がします。



■簡単なフェルトの作り方
羊毛と石鹸があれば、フェルトは簡単に作ることができます。フェルトってば、羊毛の繊維が絡まって塊になったものです。私達の髪の毛も、お手入れをサボると、絡まって塊になりますよね。あれの羊毛版と考えればほぼ間違いはありません。

よりよく絡ませるために、フェルト制作では石鹸や石鹸水を使います。フェルトに脂分があると、脂分で滑ってうまく絡まらないため、石鹸で脂分を落としてあげるのです。

あとは、希望の形に羊毛を整形して、揉んだり、擦ったりしながら羊毛同士を絡ませるだけ。本当に単純で簡単なのですが、全部人間の手でやらなければいけません。

フェルトの制作は、デザイン力と根気が勝負!
といった所でしょうか。



■フェルト工房はパーティー会場♪
ティラキタ買付班、以前からお世話になっているカトマンズ市内のフェルト工房にお邪魔してきました。工房はカトマンズ市街の中心地にあって、行ったときはちょうど、ティージフェスティバルと言うお祭りの真っ最中でした。



いつもは工房の中に子供を入れることはできないのですが、みんな子供を連れてやってきて、全員で踊って楽しい時間を過ごしていました。工房のみんなでご飯を食べて。工房のみんなで踊って。ティラキタ買付班も一緒になって踊りました。


お祭りの日は特別な料理が振る舞われ、チキンカレーやマトンカレー、そして美味しいダルなどが食べ放題♪


楽しいひと時だったのですが、壁の張り紙をよく見ると「Sponsered by TIRAKITA CO.,LTD.」と書いてあるではありませんか。

え! うち、スポンサー?

もちろんだよ。いつもサポートしてくれてるでしょ

あ、まぁ…堂々と書かれると恥ずかしいけど、確かにそれはそうかも…

感謝してもらえてるのは有り難いことですね。

■フェルト工房を訪問してきました♪
明くる日。改めてフェルト工房を訪問しました。

昨日のパーティーは終わり、工房の中では2〜30人ぐらいの女性たちが仲良くおしゃべりをしながら作業をしていました。



工房の一角では、ヨーロッパに輸出するためのマッシュルームハットを作っていました。

作業台に赤白きのこが散らばっている様子はなんだかシュールでもあります。フェルトは、羊毛を丁寧にペタペタとくっつけて、形を作っていき、石鹸水でグシグシ揉むと出来上がります。



女性たちの力で完全に手工芸で作られるフェルト製品。時々変なのとか、面白いものとか、形の悪いのとか混じってるけど。まあそれも仕方がないのかな、なんて思ったりします。

■中が白、外側が黄色の帽子の作り方
隣のテーブルでは、中が白で、外側が黄色の帽子を作っていました。どのように作られるか、様子を見てみましょう。

まず一番最初に帽子の形のプラスチックに白い羊毛をレイヤーにして重ねていきます。フェルトを重ねたら石鹸水をバシャバシャとかけて湿らしつつ均等にならしていきます。石鹸水をかけることによって繊維と繊維が絡まりフェルトになっていきます。その上に黄色の羊毛を重ねていきます。





何度も石鹸水を上からバシャバシャとかけ、湿らし、均等に均していきます。ある程度形ができたら、更に馴染ませて、形を固めていきます。石鹸水をよく含ませて、布と一緒にグシュグシュと何回も何回もこねていくと、繊維がよく絡まって出来上がります。


■ニードルスティッチ
フェルト製品の制作では、ニードルスティッチと言う手技も使われます。

大きめの特殊な針でチクチクとフェルトの表面をつっつき、別の色のフェルトを植え付ける手法です。ある程度形を作ったフェルトの財布に、糸を埋め込んでいき、絵柄を作っていきます。

チクチクチクチク針でフェルトを財布の中に埋め込んでいくと図柄ができます。重労働ではありませんが、時間のかかる仕事です。みんな笑いながら、そしておしゃべりしながら楽しそうに集まって仕事をする姿が印象的でした。



■カッティング
カッティングとは、コンコン叩いて形を切り出してパーツを作成する手法です。フェルトをトンカチでこんこんと叩いてフェルトを切り出します。



■変な顔を作ってた
憎むに憎めない、どこかしら可愛さが漂う、変な顔のお財布がありました。ヨーロッパ向けに売れるんだそうです。

ネパールのフェルト製品を見てていつも思うのですが、実用的なものよりも、割とおもしろグッズに走りがちな傾向があります。きっとそれのほうが売れるのでしょうね。



これはお姉さんがチクチクチクチク鼻をつけてるところ。チクチクやるだけでくっつきます。



糊も糸も使ってなく、ただただ針でプスプス刺すだけで形を作っていきます。



僕たちが見学している間も、時におしゃべりしながら、時に真剣に。淡々とフェルト製品制作に打ち込んでいる様子がとても印象的な工房訪問でした。

見学させてくれたラムさん、工場長のサントシュくん、そして、一生懸命作ってくれている皆様、本当にありがとうございました!!


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