原料の採取から、最後の包装まで。 感動的なまでに人の手で作られているネパールのナチュラル石鹸について
今回は、段ボールがおしゃれに使われた、ナチュラルさを感じさせる素敵なパッケージのナチュラル石鹸の話です。あまりにも素敵な石鹸なので、ティラキタ買付班、ネパールにある工房を訪問してきました。
目次
■石鹸はヒマラヤの国から
石鹸を求めてティラキタ買付班がやってきたのは、ネパールの首都カトマンズの郊外です。カトマンズはヒマラヤの中の大きな盆地で、ぐるりと囲むように外輪山がありまして、ちょうど、その麓のところに石鹸工房があります。地図ではこちらの位置になります。
訪問したのは9月の初め頃。山には緑が生い茂り、 空気がフレッシュな素敵な場所てした。カトマンズ盆地は盆地なだけに、中心部は排気ガスがこもりやすいんですよね。やっぱり市内よりも郊外、郊外よりも山の中がいいよねぇ…と言いつつの訪問です。
■原材料のお出迎え
訪問したBounty Himalaya社では、ヒマラヤの山の中から採取してきた様々な植物を使って石鹸を作っています。工房の中に入って行くと、原材料を入れたボトルが、私たちを出迎えてくれました。ボトルの中には、様々な植物が入っていて、これらを使って石鹸を作っているのだそうです。こちらはレモングラスです。南国のすっきりした香りの主成分です。レモングラスをふんだんに使ったタイ料理はいい香りがしますよね。
乾燥させたローズの花です。インドではローズはただ香りがいいだけでなく、グルカンドという名前のジャムとして食べたり、色々な活用をされています。
サンダルウッド(白檀)です。白檀ともいわれるサンダルウッドは、高級なお香の材料として古来から使われています。
ソープナッツ(石鹸の実)です。サポニンという天然の石鹸成分が含まれています。水を加えると泡立って、洗剤として使用できます。
ニーム。ニームは、インドでは"ミラクルニーム"とも呼ばれ、数千年も昔から虫除けや、民間の治療薬として広く使われてきました。ニームが生えている地域にすむ人々の家庭には、常備薬としてニームが置かれており、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも重要な薬用ハーブとして位置づいています。
ネトルパウダー(いらくさの乾燥粉末)です。ネトルはネパールでは道端に生えている身近な植物ですが、とても有用で、繊維を取って織物を作ったり、エキスを抽出してフレッシュな香りを出すために使われたりします。
アムラです。ビタミンCがいっぱい含まれていて、食べることもできます。買い付け班も一口、食べてみました。酸っぱい〜♪♪♪
そして色々なオイルたちもありました。ニームオイル、キャスターオイル、セサミオイルなどが並んでいました。
この工房では、これらの素材をレシピ通りに混ぜて、石鹸を作っていくのだそうです。
■材料を混ぜて石鹸を作ります
一通り原材料の説明が終わったあと、工房の中に案内されました。手作り石鹸は、原材料をミックスして石けん素地に溶かし、型に入れて冷やして固め、所定の大きさに切って作ります。こちらは色々な材料を、石けん素地やオイルと一緒にミックスするところです。ドラム缶を自分たちで改造して、手作り石鹸を作っています。
こちらが石鹸の型です。 作りたての石鹸は熱い液体なのですが、この型に入れて、常温まで冷やすと自然と固まります。自然と固まった石鹸は型とくっついているので、取るときにはもう一回軽く再加熱します。
固まったところで、石鹸を型から出します。成分によって固まる時間が違うそうですが、大体、1-2日間位で固まります。
説明してもらっている間も、工房の中には清涼感のあるハーブの香りが立ち込め、この場にいるだけで、体の中から清浄になるかのような感じがしました。
■できた石鹸を切り出します
棒のような長い石鹸ができたら、石鹸を所定のサイズに切り出します。石鹸は、この機械で、ひとつひとつ手で切られます。こちらが刻印機とスタンプ。足でペダルを踏むことによって石鹸に刻印が入るという塩梅です。
■石鹸を一個一個磨きます
石鹸を切り出して刻印を入れたら、最後の乾燥工程に入ります。十分に乾燥されたら、最後に濡れたコットン布で、1個1個、丁寧に拭いてクリーニング。ちゃんとお化粧して出荷します。■お母さんたちがパッキング
出来上がった石鹸は、ネパールのお母さんたちの手でパッキングされます。楽しそうにおしゃべりしながら、慣れた手つきで包装していきます。ここで作られているのは、カトマンズ市内のホテル用に使われるものだそう。ホテル用のパッキングはとてもシンプルで、ネパール特産のロクタペーパーだけで、くるりと巻いて終わりです。こちらは私達のところへやってくる、輸出用のものをパッキングしているところです。現地用とは扱いが異なり、タイル貼りの綺麗な床の部屋で作られていました。
この工場で作られてるものは全てナチュラル。そして全て手作りでした。
材料を混ぜるのも、石鹸を固めるのも、石鹸を型から取り出すのも、切り出すのも、刻印するのも、そして包装まで、全て手作りでした。感動的なまでに手工業が貫かれていました。
■石鹸の生い立ちを教えてもらいました。
最後に、会社社長のサンジーブさんに、この石鹸の生い立ちを話してもらいました。この石鹸は、アールヴェーダの先生である、彼のお父さんが始めた石鹸です。
彼のお父さんは、8歳のときからインドで生活を送っていましたが、22歳の時に髪の色も変わってしまう様な、大変な頭痛を発症します。それを見たアーユルヴェーダのお医者さんが、アーユルヴェーダで使われる果実である、アムラを配合した油を作り、頭に塗ると良くなると教えてくれたのだそう。
医者の言いつけを守り、6ヶ月間、その油を使ったところ、父は完璧に回復。アーユルヴェーダの効果を目の当たりにした彼は、バラナシでアーユルヴェーダを習得し、ネパールに帰国しました。
帰国して政府の職員として働き始めた父親。色々なところを転々としましたが、転機は16年後、マレイクーという土地で起こります。マレイクーでアールヴェーダ病院の職員として働いていた父親。頭痛の患者が来ると、自分がバラナシで処方されたのと同じ、アムラオイルを処方しました。
最初はオイルを処方していたのですが、その数カ月後、「オイルから石鹸を作ればいいじゃないか!」と思ったのだそう。これが現在のBounty Himalayaの石鹸の始まりです。
アーユルヴェーダのオイルの作り方は、アーユルヴェーダの古典書に細かく書いてありますが、石鹸の作り方は書いてありません。色々試行錯誤しながら、1年かけて石鹸を作り上げました。それが1980年のことでした。
もちろん最初は、今のような大きな工房は作れませんので、小さい工房で始めました。試しに石鹸を作って、周りの人に配ってみたら評判は上々です。
その頃、彼の家の横にはネパールで一番最初の水力発電所があり、ネパール各地や海外から、色々な人が訪問してきました。訪問客は水力発電所を見学するとともに、彼の石鹸工房を訪れ、お土産として石鹸を購入していったのです。
商売が順調に行き始めたので、彼はネパールの農業省に出向き、補助金とローンの申請をします。しかし農業省ですから、今までは農業に対してしかローンを出していなかったのですが、彼らが初めて農業以外でのローンをもらったそうです。彼らの石鹸はアーユルべティック アムラ ソープという名前で、徐々に有名になっていきました。
しかし、不幸は突然やってきます。
1982年から83年の頃、大きな洪水が来て、水力発電所も彼らの工場も全部流されてしまいます。
彼らはすべてを失いました。
全てを失った後、カトマンズに移住し、また石鹸を作り始めたのだそうです。
そして今では、日本、ポーランド、ドイツ、英語、中国、台湾、アメリカ、カナダ、チェコスロバキアに輸出する国際的な石鹸に成長。ネパール観光に来た人にも、人気のお土産となっているのだそうですよ。
■1000分の1の狭い枠
アジアやインドの国々を廻って、色々なコスメを見て廻ります。とにかく歩いて、片っ端から訪問して、足で探します。私達よりも現地に詳しい人がいると、その人に色々紹介してもらったりもします。ネットでの評価を見たりもします。色々なコスメが見つかるのですが、数ある中でも「これいいね!! ナチュラルだね!」と手に取るのは100種類ある化粧品の中で1個のみ。
そしてお値段や、内容成分や、色々な条件が重なって、本当に日本に紹介できるようになるのは、そのうちのまた10分の1です。すなわち、アジアとインドの化粧品のうち、1000分の1を厳選して、紹介させて頂いていることになります。
今回、紹介するネパールの石鹸は、選びぬいた1000分の1の製品の中でも、キラリと輝く、本当に素晴らしい一品です。
このブログを書いたり、皆様に紹介するページを作るために一個一個、パッケージを開けてチェックしてたのですが、どの香りもきちんとした個性があり、ナチュラルな香りで、上質感がある本当に素敵な石鹸でした。
ティラキタが自信を持ってオススメできる、まず、自分たちが使いたい、本当に素敵な石鹸です。パッケージもかわいいのでギフト用途にもいいね!とティラキタ内で評判になっています。
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