一斉を風靡したブッダマシーンの終焉について
■アンビエント音楽界隈で話題のマシンがあった。
もう、いつの話だったのか。ちゃんと覚えている訳ではないのですが。
延々とお経が流れている怪しい機械があるらしい。
というネットの噂を耳にしたのは2010年頃だったでしょうか。
アンビエントミュージック界隈で有名なブライアン・イーノが気に入ったとかいう噂も独り歩きして、「よく解らないけど欲しい」マニアアイテムでしたっけ。それが今回の話のブッダマシーンです。
■初めて発見したのはハノイだった
噂を耳にしたティラキタ買い付け班。もちろん、アジアに買い付けに飛ぶ度にブッダマシンを探し歩いていました。
「延々と念仏が流れる付けるアジアの機械」
そんな面白いもの。
販売する、しないの前にまず自分たちが欲しかったんですよね。
ブッダマシンを初めて発見したのはベトナムのハノイだっかたと思います。ハノイの中心部には、細い道で区切られた36通りと呼ばれる旧市街があって、その中の、仏教系ゾーンでぽつんと置かれているのを発見して大興奮した記憶があります。
そこにあったのは、仏壇用のオイルランプや造花の中に、ぽつんと置かれ、唸りを上げる怪しさ満載のマシンでした
あったーーー!!!!!!!!!!!
始めてみたそれは、横幅15cm位のオレンジ色の箱で、左側にブッダの光輪の表現である輝くプラスチック板がくるくると安っぽく廻るものでした。その音色、そのチープさ、その昭和感。どれをとっても120点満点。K点超えです。即座に卸元を突き止め、100個入荷したのはいい思い出です。
■アジアで一斉を風靡したブッダマシーン
ティラキタ買い付け班は、ブッダマシンの音色やチープさ、昭和感に惹かれて取り扱いを開始したのですが。メインのお客様である、敬虔なアジアの国々の仏教徒の方々にとっては、大変ありがたい機械として知られています。アジアの国々の仏教好きは私達日本人の想像の及ぶところではありません。タイのお寺に行くと、財産のほとんどを投入しているのではないか?とも思える仏教への入れ込みようを見て取ることもできます。
ベトナムにも、ミャンマーにも、中国にも、タイにも、マレーシアにも、ラオスにも。
アジアの各国に、仏教に身も心も捧げた方々が在住されています。
経験な信者の中には、生きている間はずっとお経を聴き続けたい。
そんな欲を持つ方もいらっしゃるのでしょう。
そんな方のために開発されたのが、現世涅槃作成自動念仏マシーンであるブッダマシーンです。
腰にこのブッダマシーンを引っ掛けて、自分が起きている間は、延々とありがたいお経を聴き、法悦の境地へをすぐにでも飛んでいける準備を整えているかのようです。
仏教のありがたいお経を、延々と電池がなくなるまで唱え続けてくれる。という
インドの人々の宗教好きは世界的にもよく知られているところですが。実はインドの方々も、マントラを延々と唱えてくれる機能が大好きでして、更には、電池だと音が切れて毎日聞けないからからと言う理由でコンセント版しかそもそも存在しなかったりもします。
■ブッダマシーン大国
さて、そんなティラキタ買い付け班が大好きだったブッダマシーンですが。実は世界で一番のブッダマシーン大国はお隣の中国でした。
中国の市場を覗いてみると、そこには実に様々な種類のブッダマシーンが販売されていました。
スゲ!!! ありすぎるwwww
棚に並んでいる順から、喜んで聴かせてもらったのですが。
なんとも不思議なことに、パッケージデザインは異なっても、中身の声や収録されているお経はどれもほぼ一緒でした。
うん。さすがのチャイナクオリティ。
これが良いねということで、輸入しては来たんですが…。
なぜか本体からACケーブルが出ていて。日本の電気製品の安全基準であるPSE法が満たせないため、販売を断念しました。
うん。さすがのチャイナクオリティ。
売れずに悔しいので、友人みんなで集まってブッダマシーンナイトをやったのはいい思い出です。
■ブッダマシーンの輸出が禁止された
そして先日のことです。ブッダマシーンが中国から輸出できないとの連絡が現地からやってました。
コロナ明けの今、改めてブッダマシーンなのではないか?とも思って、中国からも幾つか面白そうなものを手配しようとしていました。
政府の規制で、これからはブッダマシーンは作ることも、輸出することもできなくなりました
確かに本当なようですね。
本当に色々規制してくるんだなぁ…
数年前は法輪功って言う宗教団体を規制していたとニュースで読んでいたと思ったら。
中国の国内宗教規制が、ティラキタの商品ラインナップにまで影響を与えてくる事になりました。
ブッダマシーン自体は色々な国で作っているのだとは思うけど。中のチップは中国だろうから、そのうち、ブッダマシーンと言う商品が一度終りを迎えるのかもなぁ…と思ったり。
でも、「上に政策あり、下に対策あり」のお国柄ですからね。ニーズのあるところには必ずモノを作る人が現れますから、一度水面下に潜りつつも、製造自体は続けられるのかもしれません。