[インドモノ辞典]インド民衆による民衆のためのファブリック ガムチャについて



■ガムチャと言う布がある
インドにはガムチャと言う布があります。チェック柄、もしくはざっくりとした感じの織りの布で、インドに行くと必ず目にする、シンプルで特に変わったところのない布です。

オートリクシャの運転手さんがミラーにかけていたりします。


ティラキタでは、今年になってからガムチャを取り扱いし始めたのですが、ティラキタ買付班、20年以上、それが素敵なものだと気がついていませんでした。シンプルなモノほどその素敵さに気づかないってこと、よくありますよね。

実際問題、ガムチャはあまりにもインド人達の日常にありふれていて。
商品として買おうと思っても、知り合いの布屋さんは誰も持っていず、誰も売ってくれません。

ティラキタ買付班だけでなく、インド人たちもガムチャの魅力に気がついていないのでした。

今年からティラキタではガムチャを売り始めましたが…
それはいわばガムチャの魅力を発見した!!みたいな、エポックメイキングな話なのです。



■インド民衆による民衆のためのファブリック ガムチャ
ガムチャがなぜ、よく見かけるのに商品としては手に入らなかったのか。
それはガムチャが、昔から使われている、インド民衆による民衆のための布だからなのです。

主に赤と白のチェックとストライプが混ざった2m程度の綿のガムチャは、インド人民の万能布。ガムチャは、リクシャワーラーや、農家の人々、駅にいるポーター、建設現場の作業員達が使っている布です。ガムチャは万能で、肩に掛けたり、頭や腰に巻いたり、タオルとして使ったり、日よけとして頭に巻いたり、さらにはベッドシーツとしても機能します。



しかし、海外に商品を輸出するような中級層、そしてエリート層にとってはガムチャが貧しいインドのシンボルであり、貧乏人の布という認識でしか過ぎません。

彼らの目にはまさかガムチャが、海外に輸出できる素敵さを持っているとは認識できず。
結果として、よく見かけるのに商品としては手に入らないモノになっていたのです。

■手織り機で作られるガムチャ
その昔、ガムチャは手織り機で作られていました。現代では機械織りのものが主流になりましたが、まだまだ手織りのガムチャも手に入ります。

こちらはタミルナドゥ州でタオルを織っているところですが、実際、こんな感じでガムチャは織られています。西インドのウッタルプラデーシュ州、オリッサ州、ビハール州、西ベンガル州の農村地域では、まだまだ手織りでガムチャを織っているそうですよ。


ベンガル人にとっては、ガムチャは毎日使う織物です。インドの温暖な気候に適したカラフルなチェックのガムチャは、タオルとしても使用できる実用的な布です。軽くて薄く、安く、吸水速乾性に優れている生活の必需品です。

インドの北東部では、紅白のガムチャで来客を歓迎したり、敬意を表したりします。結婚式では新郎新婦に新しいガムチャが贈られます。新しいガムチャを贈ることによって、客人に対し敬意を表するのです。



■インドの魅力を再発見
ここ最近、中国から安いタオルが輸入されるようになって、古来から伝わる手織りのガムチャの数が激減していると言われています。
ティラキタで扱っているガムチャですが、1000円以下のものは機械織り、1000円を超えるものは手織りですね。手織りの1000円を超えるものは、インドの国産品を扱うカディショップからやって来ています。

ガムチャは安くて、シンプルな布です。
でも、シンプルであればあるほど、その国の哲学が詰まっているような気がするんですよね。

インドを代表する人民の布ガムチャ。
手に取って頂き、ぜひインドの雰囲気を感じてくださいませ。






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