インドの歯磨きはちょっと違う。不思議で面白いインド人の口内事情

■インドの歯磨きはちょっと違う
ここ最近、ティラキタではインドの歯磨き粉のラインナップが増えてきました。もちろん、まだまだどんどん増やしていく予定ではあるのですが、「インドのキオスク位には揃ってきたかな?」と思える位には増えてきました。

今回のブログでは、知られざるインド人の口内事情を紹介しつつ、インドの歯磨き粉の魅力を語ってみようと思います。

インドの人々の口内事情は、2000年に渡って使われたアーユルヴェーダの医学書『チャラカ・サンヒター』の流れをくむ物が多く、インドの気候風土に即し、実践的であることが知られています。

■インド人は木の棒で歯を磨く
たまにインドの街中で、細長い木の棒を切って売っているのを見かけます。茶色っぽい、変哲もない木の棒を小さな台の上にずらりと並べて売っています。こちらが古代から伝わるインド式歯磨きであるニームの木です。



ニームの木を買い求め、先端を噛み砕いてブラシ状にして、剛毛を作ります。剛毛は歯の隅々まで届くブラシになり、木に含まれるニームの薬効が歯磨き粉になります。ニームの木の苦味が唾液分泌を改善し、口臭や食欲不振を和らげる作用もあります。ニームの効果は古代のアーユルヴェーダの聖典チャラカ・サムヒター・ストラスターナにも記載があります。

正直、一般的な歯ブラシに比べるとお世辞にも使い心地が良いとは思えませんが、割と街中で見かけるところを考えると、インド人の中には「やっぱりニームの木じゃないとな」という人が少なからずいるのだと思います。

ちなみにインドでは古来から、ニームは歯ブラシの木として知られているのですが、実際に、通常のペーストやブラシを使用する人よりも虫歯の発生率が低いのだとか。



ニームの成分は200種類以上の害虫に効果があり、害虫をよせつけない効果があります。しかし、人や私たちが食べる農作物には害がないとされ、逆にニームの成分が人の病気などに効くという、まさしく奇跡の木なのです。

その強力なパワーを称えてインドでは"ミラクルニーム"とも呼ばれ、数千年も昔から虫除けや、民間の治療薬として広く使われてきました。ニームが生えている地域にすむ人々の家庭には、常備薬としてニームが置かれており、インドの伝統医学アーユルヴェーダでも重要なハーブとして位置づいています。

■口内を清潔に保つためのスパイス
インド人の中には口臭を予防するためにスパイスを噛む人もいます。クローブやカルダモンはそれだけで清涼効果があるので、実際に食後に噛むと口内がスッキリします。

ティラキタ買付班がお世話になっていたムンバイのチャンドラカントさんの机の上には必ずクローブの小瓶が置いてあって、毎食後に一つづつ、食べていたことを思い出します。


■インド人は舌を磨く
インド人たちは舌をキレイにする事も日常的に行っています。デリーのドグラさんちの洗面所にも、ムンバイのネハちゃんちの洗面所にも、必ずタンスクレーパーがありました。

「アーユルヴェーダ」では舌の汚れ(舌苔)はよくないものと考えられ、除去するべきと考えられています。タンスクレーパーで舌を掃除すると、舌の上の細菌が取れると同時に、内臓を刺激し、消化を助ける効果もあります。順番としては歯を磨き、舌を掃除します。その後グラス一杯の常温の水を飲むといいでしょう。


■インド人はオイルで口内を清掃する
インドにはオイル プーリングというオイルで口内を洗浄する古来からの伝統があります。オイルプーリングとは、スプーン一杯のごま油を朝、空腹時に口に入れ、5分間ほど口の中でぐしゅぐしゅするだけで「健康になれる!!」のだとか。

試してみると、最初はごま油で口の中がぬめっとした感覚に包まれます。

アーユルヴェーダだし!!
インド4000年の知恵だし!!

と思って続けます。5分経って、油を出します。ぐしゅぐしゅした油は口の中のバクテリアなどが入っているので、飲んではいけないそうです。

オイルプーリングの数分後、なんか口の中が違います。
明らかに普段と違います。
なんだか、スースーするんです。
何もしてないのに、歯茎が敏感になっている気がします。
口の中の血行が良くなっている気がします。

オイル・プーリングの不思議な効果は半日くらい続きました。オイル・プーリングの効果は科学的には証明されていませんが、口の中のバクテリアを除菌する効果があったり、口を健康にする事で、全身を健康にする効果があったりするのだそうですよ。

■インドのナチュラルな歯磨き粉 ナンブーディリ
インドの歯磨き粉はアーユルヴェーダの知恵を取り入れて、ナチュラルなハーブの力を借りる方向性に進んできています。

そして今回、ティラキタが日本に初輸入したインドのケララ州トリシュールに本拠地を置く、ナンブーディリ(K P Namboodiri社の歯磨き粉は、クローブ油や、長胡椒、アムラを始めとして、色々なハーブをミックスして作られています。こちらが、アーユルヴェーダの先生たちもセレクトするケララ州の歯磨き粉です。



知人のアーユルヴェーダの先生が「ナンブーディリの歯磨き粉がインドの中で一番いいですよ」って推薦してくれたので、早速使ってみて。次の日にはメーカーに連絡を取り、輸入交渉にかかったという伝説の一品です。

ナンブーディリの歯磨き粉「ダンダヴァナ・チュルナム Dantadhavachoornam」はケララ州の歯磨き粉市場で75~80%のシェアを誇る最大のブランドなんだそう。インド全国ブランドではないですが、ケララ州の誇るローカルカンパニーです。ケララ州以外では、タミル・ナードゥ州とカルナータカ州でも販売され、中東諸国にも輸出されています。

粉歯磨き粉の使用感は、まさしく粉で磨かれている感じで。磨いた後に歯がツルツルになった気がします。



そしてペーストの方は、粉歯磨き粉の「ダンダヴァナ・チュルナム Dantadhavachoornam」にペースト剤を加えたもので、中身の成分はほぼ同じです。アーユルヴェーダの先生はよりナチュラルな形の粉タイプが好きって言っていましたが、ティラキタ買付班はやっぱり、ペーストタイプかなぁ…


今回は「祝! ケララ州のアーユルヴェーダ歯磨き粉 輸入開始記念」という事で、知られざるインドのお口事情を書いてみました。

インドの歯磨き粉って、

 ナチュラルで
 伝統的で
 アーユルヴェーダで
 お値段も手頃で

本当に素敵なんです。

ケララではメジャーですが、日本ではティラキタでしか手に入らない歯磨き粉の数々、ぜひお試しくださいませ。
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