【朗報のちモヤモヤ】インドのQRコードが旅行者でも利用可能になりました



■デリーはやっぱりデリーでした
ティラキタ買付班、半年ぶりにインドにやってきました。インドの始まりはいつもデリーです。夕方の便でデリーに到着して寝て、時差の関係で朝早く起きてしまうので、そのまま街に出ていくのですが、早朝からデリーの街には溢れんばかりのインドイズムが漂っています。

ウロウロしている牛、ちょっと霞んだ空気、埃っぽい大地。汚れた壁に、ぶら下がった電線。そこはインドでしかなく、インド以外ではありません。とにかく、インドってば、何から何までインドです。

何かがどこかおかしくて。何かがどこか不思議で。何かがどこか頭の糸が切れているようなインド。

ただ早朝の街を散歩しているだけなのに、インドがズンドコズンドコと迫ってくるんだ



正直、ちょと軸がズレているインドでも、何日かすると慣れてしまうので、到着した日の朝のインド感はとても大切です。



床屋のポスターも


ヒンディー語の看板も


そしてヘタウマな壁画も、全部、インドでしか見られないものばかりです。


さてさて、今回はインドのQR決済の話をさせてください。なんと、銀行口座が作れない外国人にとって全く無用の長物でしかなかったインドのQR決済が使えるようになったのです。

いや、でも。結局インドならではの落とし穴が待っていたのですが…

■QR決済先進国インド
今でこそ、みんなPaypayや楽天Payを日常的に利用していますが、QR決済が街に出現したのはインドの方が先でした。

一番初めに見たのはいつの頃だったでしょう。
まだ日本でそんなにQR決済が認識されていなく、何それ便利なの?っていうような温度感の頃だったと思います。

インドの方が先に街にQR決済が普及した気がするな…

PAYTMと言うサービスが流行し始め、あれよあれよという間にインド国内のいろいろな所にQRコードが貼られるようになりました。街の文房具屋さんから、チャイ屋さんまで、特に少額決済が必要なところに、素早く浸透していったのを覚えています。



インドの変化の速さにあのときはびっくりしたよ

インドのQR決済はUPI(Universal Payment Interface)と呼ばれ、一つのQRコードで、複数の会社が使えます。

PayPay、楽天Pay、AUPay、Vポイント等、様々なQR決済がありますが、どれもコードは別々ですよね。それでは煩雑だよね、と言う事で、インドではUPI(Universal Payment Interface)を作り、一つのQRコードで全事業者の支払いができる統一したカタチを作りました。

QRコードが乱立して、いちいち決済会社を聞かなければいけないって面倒だもんね。インド人、いい事考えるなぁ

■ハードルの高かったQR決済
便利なQR決済ですが、私たち外人にとってはインドのQR決済はハードルが高いものでした。インドでQR決済を使うには、インド国内の銀行口座が必要ですし、国際クレジットカードでの入金もできないので、基本的には旅行者は使えないものでした。

そして、インド国内の銀行口座を開くのが、これがやたらハードルが高いのです。以前、インド銀行口座を作ろうとした事がありました。インド国内に銀行口座があったほうが便利かなって思った日があったのです。

すいません。銀行口座を作りたいのですが

そしたらね、大使館から外国人登録書(FERO)を貰ってきてね。外国人登録書があったら作れるよ

と言われ、大使館に向かいました。

すいません。銀行口座を作りたいので、外国人登録書が欲しいのですが…

いや、FEROはそもそもココではないんですが。
ちなみに、あなた、こっちに住んでるんですか?

いや、旅行者なんですけど

外国人登録書ってのは、ここに住んでいる人にしか出ないんですよ。しかも納税証明書が必要ですよ。通常のビジネスビザやツーリストビザの方は、働いてもいず、在住しているわけではないので、外国人登録書は出ないんです

と、日本大使館にけんもほろろに追い返された事があります。海外の日本大使館はなんだかいつも冷たいです。

ちなみに外国人登録書(FERO)とは、インドに180日以上滞在する外国人がインド到着後14日以内に登録を完了させる必要があ手続きのこと。この手続きは外国人地域登録局(Foreigner Regional Registration Office: FRRO)で行われ、現在ではe-FRROというオンラインシステムを通じて申請・手続きを行うことができるのだそうです。

中国もそうだけど、インドでもQR決済は使えないな。不便だなぁ…

■外人でもQR決済UPIが使えるようになった
2022年あたりのこと。インド政府の中で、短期滞在の外国人にもQR決済を使えるようにしよう!と言う動きがあったらしく、つい最近、銀行口座を持っていない外国人でも、インドのQRコードであるUPIが使用できるアプリ、Monyが出現しました。Monyを使用することで、外国人でもインド民が便利に使っているQR決済が使用できるようになるとのこと。



Monyのダウンロードはこちらからどうぞ。


■登録は3日かかる。しかもインド到着後
このMony。登録の段階ですでに落とし穴があります。

まず、インド国内からでないと登録ができません。インド到着後に始めて登録が開始できます。また、KYCチェック(お客様チェック)が入るので、登録してから実際に使えるようになるまで、3日程かかります。また、Mony内のインド人からWhat'sAppで確認の電話が入り、そこで答えられないと最後の使用許可がでません。



つ・ま・り。

インドに一週間くらいしかいない短期旅行者には役立たずなんだな…

しかも、What's Appで電話が来るっていうことは、What'sAppを使用してなければならず、また英語も電話越しで喋れる位でないと、どうにもならない。でも、電話は手近のインド人に変わって貰えばいいので、それは回避できそうですが。

色々あリましたが、なんとか初回登録の落とし穴を回避して、Monyが使えるようになりました!!!

■入金手数料がそれなりに高い
Monyの口座がアクティベートされたので、早速入金して使ってみます。こちらが入金の画面。VISAやMASTERが使えるみたいですね。入金してみようと思ったのですが、入金手数料がそれなりに高い事に気が付きます。サービスチャージが35Rsに、15000Rs以下の入金のサービスチャージが150Rs。合計で185Rsかかります。



また、もう一つ気になることがあります。インド旅行をしていて、正直、現金でそんなに大きなお金を使う局面はあまりありません。航空券代もホテルも全部カード支払いですしね。なのに、いきなり初回から5万ルピーを入金させようとしてきます。

5万ルピー入金して、使い切れるんだろうか?
また、1500Rsくらいしか使わないのに、185Rsのサービスチャージは高い気がするな…

■早速使ってみると…そんなに使い勝手はよくなかった
登録も完了し、入金も完了したので、早速使ってみます。ジャイプール城のカフェで使ってみました。無事に使えました。でも、コーヒーは麦茶でしたが…。次にChatKaraと言う、ピザ屋さんで使ってみました。無事に使えました。ピザはとても塩辛かったですが…。



何回かして、オートリクシャの支払いをUPIでする局面がやってきました。支払いは300Rs程度で、自分は500Rsしか持っていず、ドライバーさんはお釣りを持っていないと言う、インドのよくある状況です。

すいません。UPIで支払ってもいいですか?

もちろん!! このQRコードを読み込んでね

しかし、何回読んでも、エラーが出て、先に進んでくれません。

ハテ? どうしてだろうか?

エラー画面を読んでみると、「個人口座のUPIには送金できません」と書いてあります。

ねえねえ、このUPIって個人口座なの?

イエス・サー!!!

どうしよう、キミはお釣り持っていないし、俺はUPIで支払えないし。困ったねぇ…

その後、何回か使用したのですが。インド鉄道で使えなかったり、お店でも使えるお店、使えないお店があったり。正直、使える率は50/50でした。結局、合計2回、4500Rsを入金して、口座に残ったのは2521Rs。返金できないか調べたのですが、どうやらMonyからの返金は機能としては存在しない模様です。

返金ができるかどうかは、メールでサポートに問い合わせてみないとわかりません。そして、規約で返金できないと書かれていたらそれまでです。

この2521Rs。二度とインドに来ない人だったら、返金も難しそうなので、Monyにそのままあげちゃうことになるんだな…最初に5万ルピー入金させようとしてきたのはそういうことかもなぁ…

と、非常にモヤモヤした気持ちになったことを正直に記載しておきます。




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