スリランカの山の中で鉱物が燃えていた ドロマイト工房を訪問する

■スリランカの山の中で鉱物が燃えていた
今日の話は誰に刺さるのだろうか…
見た目も話も、めちゃくちゃ面白かったのですが、ティラキタブログの誰に刺さるか、もはやわからない謎ネタでもあります。
そしてその前に、このブログの話題になっているこの工房、つい先日のサイクロンで大被害を受けたキャンディあたりの話です。つい先日(2025年11月末)のサイクロン、本当に大変だったみたいですよね…心配して、ティラキタでも、みんなに安否確認をしました。
みんな、サイクロン大丈夫だった?
サイクロン凄かったけど、一応大丈夫だよ
さてさて、話はスリランカに戻ります。
今回の話の舞台はスリランカ中部の、こちらになります。
スリランカの山の中で鉱物が燃えている話です。

■スリランカ中部に商品を探しに行こう!!
2025年9月のある日、ティラキタ買付班、朝からスリランカ中部にドライブに出かけました。スリランカ中部にはスパイスの巨大な産地があり、またクリスタルなどの鉱物も有名です。電車の線路を横切り、オートリクシャに挨拶しながらすすみます。

何が出てくるかはわからないけど…
今日も楽しく商品を探しに行こう!
この高速道路、どこが作ったの?
もちろん中国さ。コロンボ市内のロータス・タワーも中国なんだよ
中国の影響、大きいですねぇ

■熱帯のジャングルが燃えている匂いがした
車はコロンボ市内を離れ、スリランカ中部の山の中を走ります。周りは熱帯の原生林が囲む場所で、ちょっと一歩道路から山に入ると、多様な植物相を見ることができます。コロンボのあたりは平地ですが、中部は山岳地帯になっていて、くねくね道を進みます。
初めて通る道。始めていく場所なので、なにか面白いものがあるんじゃないかと車の窓から首を出して、流れ行く景色を眺めます。車が山の中腹に差し掛かった頃、空気の匂いが焦げ臭い何かに変わりました。
ん? なんか臭いんだけど??
ちょっとケミカル? でも、木の焼ける匂いも混じってる
山火事?
これはね。ドロマイトを作っているところだよ
ドロ? マイト? 泥? それは何?
ドロマイトは…鉱物で、畑の肥料とかに使われるんだけど
スリランカでは割と一般的なものだよ
ドロマイト…そんなの聞いたことない…
子供の頃、畑に撒いたことを思い出すよ
よくやらされたなぁ
ドロマイトってなんだろう。どんなモノだろう?
日本ではそんなもの使っていない気がする??
知らないことが出てきたから知りたい!!!!
山の中腹からモクモクと煙が上がっています。南国の蒸し暑い空気の中に、嗅いだことのない煙の匂いが濃厚に混じっています。鬱蒼とした原生林の中に、人間が爪痕を残しているかのような施設です。斜面には高さ15mはあろうかと思われる煉瓦壁があり、煙は煉瓦壁の上から盛大に上がっています。

煉瓦壁の下には、釜の口みたいな所がありますが、そこには火はなく、ただ白い岩石だけがありました。足元を見ると、キラキラ光る何かが土に混じっています。

これがドロマイトだよ
これ? この白いやつ?
そう。それがドロマイト。肥料になったり、歯磨き粉にもなるし、アスファルトや、コンクリートになるんだよ。とにかく大変利用価値が高いんだ。我々が嗜好品として食べるパーンに使う白いペーストもこれだね。
いくら説明してくれても、さっぱり要領を得ないので、ネットで調べてみました。ドロマイトとは、炭酸カルシウムの一部がマグネシウムに置き換わった「苦灰石(くかいせき)」という鉱物なんだそう。主にサンゴや貝類などの死骸の堆積物が由来ですが、カルシウムとマグネシウムの置換反応によって形成されます。とのこと。
うーーん。なんか有用なものみたいだぞ

■ドロマイト工場は身体に有害な気がするけど
車を降りて、入口の商店を横に眺めながら、短い坂道を登ります。入口の商店では、青いバナナを売っていました。このバナナ、青いんですが、そのまま食べられてとても美味しいんですよ。
坂道を登るのに、足元を見ると、工房に入っていく道がキラキラと光っています。なんだろう?と思ってよく見たら、岩石の中に細かい雲母がたくさん含まれていました。雲母分が熱帯の太陽を反射して、美しく光っているのでした。

そして坂を上がって…工房の心臓部に到着。
なんだここ!!!!!!!!
モクモク???
え?? 凄い???
世紀末な風景ですよ?



こんなフォトジェニックな所なかなかないぞ…
ドロマイトなんだけど。実は、スリランカでも、ここでしか作ってないんですよ
ここは、かつては海の下で、珊瑚が石灰化してドロマイトができたんです
ミネラル分が高い特別な土なんですよ
セナタさんが、石を持ってきてくれました。
左側から、ピュアストーン、キラキラしてます。真ん中が、ちょっと砂を含んでいるもの。
そして右側が雲母分を含んでいるものだそう

この工房では、産出されたドロマイトを48時間燃やし続けて、熱を加えて岩石の状態から、パウダー状になるように加工しているのだとのこと。

木とドロマイト原石を交互に入れて、釜の中に火をつけて長時間焼き続けるのだそう。一度火がついたら365日燃え続ける高炉みたいな構造になっているのだそうです。

工場のおじさんが熱を加えた後のドロマイトを見せてくれました

こちらが加工後のドロマイトですが、確かに石は柔らかく、ちょっと力を加えるとサラサラと崩れ落ちていきます。

最終的には、この様にパウダー状にして、袋詰めして出荷されるのだそうです。

そう言えば、これ健康食品にも使われるんだっけ
健康維持や骨の発育、体の機能維持に役立つのか。それはいい気がするけど、眼の前の光景とはだいぶ違う気がするなぁ

この工房の労働者たち、割と健康を害していそうな方々が多かったのですが。マスクなんて今までつけたことも、そしてこれから付けそうな様子もありません。

健康食品を作る作業員はだいぶ不健康そうな様子。
世の中そう言うもんなのかなぁ…と、ちょっと複雑な気持ちになったドロマイト工房訪問でした






































