ペットボトルでガソリンが売っている! 驚きのインドのガソリン事情
■ガソリンの販売にもお国柄
ガソリンは危険物なので、ちゃんと管理して安全に販売するべし。これは私達日本人にとって、当然の認識だと思います。
ガソリンは灯油と違って、引火したら爆発的に燃焼するので大変危険ですからね。
自動車やバイク以外のものにガソリンを入れる時は、安全基準によって定められた強さのガソリン缶に入れて持ち運ぶ事になっていますが、2019年にあった、京都アニメーション第1スタジオに当時41歳の男が侵入、ガソリンを建物1階に撒いてライターで着火した事件を受け、その後、ガソリン缶を持っていたとしても、なかなか販売してもらえない様になりました。
凄惨な事件でありましたので、この様な規制がかかるのは至極当然のことと思われます。
改めて亡くなられた方にお悔やみを申し上げます。
ガソリンの販売に規制がかかるのは当たり前である。
それは自分たちを守ることにも繋がっている。
と考えている私達から見ると、海外のガソリン販売は、ゆるゆるルーズで、割と驚くことが多いのです。
■給油しながらタバコを吸ってもOKなブラジル
2000年初頭、ティラキタを始める前に南米を車で旅行していたことがありました。1970年代に生産されたクライスラーのジープを購入し、牛の柄に塗装して、南米を一周したのです。スペイン語では牛の事をVACA(バカ)と言うのですが、その頃の私達は「馬鹿を全力でやる」と言うのに生き甲斐を見出していて、その馬鹿にかけて、「南米VACA一台見参」と車の横に大書し、車を牛模様にして、エクアドルから走り始めました。
その車は20万円で購入した、とてつもないオンボロで、なんとか走るけど、ハンドルは異様に重く、時々ブレーキが効かなくなるというおまけ付き。本当に若気の至りでした。今の自分が、過去の自分になにか言えるのであれば「やってもいいけど、ちゃんとブレーキの効くマトモな車にしておけ」とアドバイスをすることでしょう。
そんなオンボロ車に乗り、コロンビアを抜け、ベネズエラを抜け、ブラジルに入ってきました。
ガソリンスタンドに入って、給油してもらった時、驚きの光景が目の前に出現しました。
「あいつ、タバコを持ちながら給油しているわよ!!」
なんと、ガソリンスタンドの店員が、タバコを吸いながら給油していたのでした。
なんて危ないことを!!!
ありえない!!
と思った私達はすぐさまガソリンスタンドの店員に文句をつけます。
「タバコを吸いながら給油するな!! 危ないだろ!!」と言ったところ、
「タバコの火は、ガソリンの発火点より低いから安全だ」と平然と答えるではありませんか。
その言葉を裏付けるように、行く先々で入ったガソリンスタンドの店員の何人かが、同じ様にタバコを吸いながら給油してくれましたっけ。その光景を見る度に背筋が冷え、ガソリンスタンドの外までそ~っと逃げ出していましたけれども。
ちなみに、今、この記事を書くために確認したところ、総務省消防庁のページに「煙草では容易に引火しないことが確認された。」と書いてありましたので、ブラジル人が言っていたことは本当だったんですねぇ。20年経過して初めて知りました。
だからといって、タバコを吸いながらガソリンを扱っていいとは一ミリも思いませんけどね。
■ペットボトルにガソリンを入れるインド
インドのゴアでは、道端にガソリンをが入ったペットボトルが置いてあって、ガス欠が起きたらすぐにガソリンを買うことができます。ガソリンスタンドの数があまりないことと、あったとしてもガソリンスタンドにガソリンがない場合が多いこと。また、スクーターやバイクに乗っている人の数が多く、ペットボトル一本で割となんとかなると言うことで、道端のガソリン売りが非常に重宝されています。
ガソリンを買うと、じょうごを一緒に渡してくれるので、それを使ってペットボトルから、まるで醤油を補充するかのように給油します。
ペットボトルに入ったガソリンは、各商店のおじさんが各々ガソリンスタンドに行ってペットボトルに詰めてもらっている模様。空のペットボトルを持っていくと、特に何も言わず、その中に給油してくれます。
日本でのガソリンの取り扱い方を知っている私達の目から見ると、ペットボトルにガソリンを入れて売っている事も、ペットボトルにガソリンを入れて売ってくれる事も全く信じられない事なのですが。
危険なガソリンであっても、所変われば扱いが変わるんだなぁ…と感じます。
とは言うものの、やっぱり安全であることが一番です。
ガソリンスタンドが爆発したら大事件ですもんねぇ…。
私がインドで体験したのはバスでデリーからリシュケシュに行く途中のデリー郊外のガススタンドで
スタンドの屋根を溶接している脇で給油されていて、深夜出発でうとうと寝ていたのだけれど
「あー、こうやって死ぬ時は死ぬんだなぁ」って。
衝撃が強すぎて諦めの境地でしたね(笑)
スタンドの屋根を溶接している脇で給油!!!
それはヤバいですね!!
いくらなんでも、それはインド人様でも勘弁して欲しい…