日本の温泉とは大違い! インドの山奥で温泉に入ってきた 【追記あり】

僕達日本人は温泉が大好き!!! これは紛れのない事実ですよね。昔ながらの温泉地だけでなく、そもそも全然温泉が湧かなそうなところでも、地下1000m位まで掘って温泉を湧出させちゃったりして…たかだか温泉のために地下1000mまでボーリングするなんて、きっと、他の国の人から見たら信じられないことでしょう。

実は、過酷な広いインドの中で温泉が湧く場所というのは殆どありません。ヒンドゥー教の聖地バラナシや、デリー、コルカタやムンバイには温泉はひとつもありません。広いインドの中で温泉が湧き出す場所というのはインドの北部ヒマラヤの山の中の一部分だけ。ですので、インドは温泉に関しては全く期待できない国ということになります。

インドに行って温泉に入ろうと思うのは完全な間違いです。
とは言うものの、インドに温泉があると知ったら…日本人としては行かずにはいられません

「ねえ、インドの奥地に温泉があるって聞いたんだけど」
「マ・ジ・デ!!!」
「しかもこないだ言っていた友人の宿があるカソールのすぐ奥だって」
「行こう! すぐ行こう!! このインド臭のする体を洗うんだ!!」


と言う事でティラキタ買い付け班、ヒマラヤの奥地に温泉があると聞いて行ってきました!! ティラキタ買い付け班が行った温泉の名前はマニカラン。インドの温泉の中でもひときわ大きく、シーク教の聖地になっている由緒ある温泉地です。Google Mapで見てみるとマニカランはこんな場所にあります。完全にヒマラヤの山の中だというのが理解できると思います。



このマニカランに行くには近くのカソールに宿を取るととっても便利。カソールからマニカランまではバスで10分ほどですし、カソールにはレストランや宿屋など、私達旅人に必要な物が全部揃っています。カソールまではデリーから夜行バスで一晩。デリーのパハールガンジのチケット屋さんでマナリ行きを買います。お値段は500ルピーから1500ルピーまでと幅がありますが、もちろん、高いほうが快適です。

マナリ行きのバスに乗って、ブンタールで下車。夕方5時頃デリーを出たバスがブンタールにつくのは朝の7時か8時頃です。ブンタールからカソールまでは乗合バスに乗るか、ちょっと高いタクシー(950Rs)でカソールを目指しましょう。もちろん、マニカランにも宿はありますが…やっぱりヒマラヤが綺麗に見えるカソールの方がお勧めです。

さて、デリーからのそんな長旅を経て、私達ティラキタ買い付け班もマニカランに到着しました!! これはカソールからマニカランまで乗ったバス。デコボコ道を、バウンドしながら進むナイスバスです。



バスの中はこんな感じ。インド人って緑の壁の色が好きですよね。よく観察してみると、緑の壁ってそこら中にあります。



マニカランの第一印象は、「ヒマラヤの中とは思えないほど立派な建物が建っている!!!」って事でしょうか。白大理石造りの大きな建物が川沿いに建っています。インドの平野部ではこれ位の大理石の建築物は探せばありますが、このヒマラヤの山の中にこれだけの大きさの建物があるのは大変な驚きです。隣接する河原からはもくもくと水蒸気が上がり、湧出する湯量の多さを物語っています。



バスが到着したのはマニカランの端っこでした。タクシー乗り場とバス乗り場、そしてホテルが数軒建っています。寂れた山の中の小さな村って感じです


バスを降りて石造りの橋を渡り、対岸に。


対岸に渡ってみたら、様々なおみやげ屋が並んでいました。ヒマラヤ・クル名産のショールや、手編みの靴下、子供用のおもちゃ、ハンドメイドの木製品などを売っています。これって、日本の門前町みたいなものでしょうね。マニカランは温泉地であると共にシーク教の聖地です。一番温泉が湧出しているところにはシーク教の寺院マニカラン・サヒーブがあります。そのシーク教の寺院マニカラン・サヒーブの周りに出来た門前町です。


街の真ん中には温泉が湧出していました。


その横にはインドでは珍しい木製の寺院が建っていました。インドは石造りの建築物が非常に多く、木製の建築物はほとんどありません。インドパパが思い出せる限り、インドで唯一の木製寺院なのではないかなぁ…って思います。


マニカランの一番中心部に位置するシーク教の寺院マニカラン・サヒーブ全景です。日本人は温泉を見つけるとすぐに温泉施設を建てますが、インド人は温泉を見つけるとすぐに寺院を建てるのですね。


マニカラン・サヒーブの外には余った温泉が捨てられているらしく、もうもうと湯気が上がっています。


マニカランの一番中心部と思われるマニカラン・サヒーブの中に入ってみます。白大理石で作られた建物の中には多くのシーク教徒たちが居ました。奥に見えるのが浴槽です。よく見れば判りますが…彼らが温泉に入るときは私達日本人のように完全に裸にはなりません。パンツを履いて入浴しています。きっと、彼らにはとっては温泉に入浴という感じではなく、ガンジス河の沐浴と同じような感じなのでしょう。


さて…私達日本人が望む温泉は一体全体どこにあるのでしょう?? ゆっくり温泉に入れて、体も洗えて、ホッと出来そうな所…探していたらありました!! いわゆる温泉旅館ですね。入湯料は一人あたり30ルピー=50円。超激安です。


お金を払って、さて肝心のバスタブは…うーーん。これに入るのか…なんか、これは温泉というよりも工場の薬品プールか廃液プールの様に見えますが…インドでは見た目を気にしていたら何も出来ません。エイヤ!!と入ってみます。




温泉の泉質は単純泉に近く、硫黄などの香りはあまりしません。湯温は熱めの44度くらいでしょうか。だいぶ満足できる温度です。ま、インドだしこれでいいか。14時間もかけてデリーから来てみて。インドの温泉はやっぱりインドでした。ここインドで、日本の温泉を求めては間違いなんだなぁ…と改めて痛感したのです。

でも、よく考えてみれば、そもそも暑いインドでバスタブに入れる、しかも温泉に入れるということ自体が特別なのです。インド人の入浴の仕方もわかったし、温泉地は聖地になり寺院が建てられてしまうというのも分かったし。やっぱり日本とインドは全てが違うよなぁ…と改めて感じたミニ旅行でした。
■マニカラン再訪 ヒンドゥー教の寺院もありました!!
一度行ったところでも、二回目に行くとまた新しい発見があるものです。昨年行ってきた、ヒマラヤの奥地の温泉、マニカランを2015年8月に再訪してみたら、マニカラン温泉の新たな顔を見つけました。

2回めのマニカラン再訪です。八百屋の横を抜け…


牛が渡る橋を抜け…いつもインドに行くと思うのですが、牛ってカワイイ!! 牛LOVE!


仲の良さそうな、シーク教徒の夫婦が作ったパラタを食べ…


おや。前回は気がつなかった所に寺院があります。子供が楽しそうに遊んでいます。


話を聞いてみると、こちらはヒンドゥー教の寺院なのだそう。マニカランには大きなシーク教の寺院グルドワラがあり、僕らはそこにしか温泉はないものと思い込んでいたのですが、ヒンドゥー教の寺院の中にも無料で入れる巡礼者用の温泉があるとのこと。ヒンドゥー教の温泉施設、どんなものか早速突撃してみました。

大きな白い門を抜けると、寺院がありました。


寺院の中にはガネーシャや大きなシヴァリンガムが据え置かれた祭壇がありました。


寺院の裏手には床下に温泉が流れているオンドルみたいな施設があり、床全面が熱せられています。このオンドル、温度の調整が効かないのか、足が火傷するほど熱く、歩けない場所もありました。ヒンドゥー教の行者などがここにやってきて、療養をする場所とのことでした。


本番の温泉はこんな感じです。建物の中に風呂がありますが、洗い場などはありませんので、隅っこで持参の石鹸を使ってちょっと身体を流してから入るというスタイルです。


インドでは日本のように裸になって入ることは出来ません。人前で全裸になることは大きなタブーですので、パンツのまま入ることになります。気になる泉質は温度は43度位。ちょっと熱い感じでした。温泉は結構深く、プールみたいな感じです。

2回行ってみて感じたのは、別にシーク教の施設で温泉に入っても、ヒンドゥー教の施設で温泉に入っても異教徒の僕らには大きな違いはないような気がします。彼らにとっては自分の信じている宗教のことですので、大きな問題ですが、僕らにとってはね。どっちが面白いかと言われたら、シーク教のグルドワラの方が施設が大きくて面白いと思いますよ。
■気に入ったらシェアしよう!

5 Comments + Add Comment

  • ブッダが滞在して説法をしたラージギル(霊鷲山)にも温泉はありますよ。
    現在、ヒンドゥ教の人々がたくさん訪れていますが、温泉精舍ともいわれ、現役です。
    このガンジス平原では珍しい火山だった地形を城壁利用して2500年前当時の強国マガダ国があったそうです。
    仏跡を巡礼すると必ず訪れることになります。

  • インドの温泉、ほかにもありますよ。
    ウッタラカンドのウッタルカーシーからガンゴートリに向かう道の途う中(多分テヘリーからもっと上の場所)で、谷底に切れ落ちる道(下は白濁したガンガーの急流)、に面してますので眺めは最高です。

    しかも浴槽は屋外にあり、結構キレイ目なタイル張りのラウンドプールのような造りでした。お湯も透き通っていて、ぜんぜんインドじゃなかったですよ。

    聖地巡礼トレッキング数日分の汗を流せましので、かなり癒されましたね。
    もう25年以上前の話なので、現在はどうなっているかわかりませんが、あのままで残っているとすればかなりお勧めできます。
    写真が残っていないのが残念です。

  • ウッタルカシからガンゴトリの途中の温泉僕も行きました。15年ほど前でしょうか。あるときラジャラムの(シュポングルだったかな?)のPV見ていたらそこの温泉の画像が一瞬入っていました。シヴァのサードアイの大きな壁画が描かれているところですよね。まだ開通前の雪崩だか氷河だかわからないものがそこらじゅうの道を塞いでいるところをサドゥーのガイドで何泊もしながら(途中のサドゥーのケープの片隅を借りたりしながら)ガンゴトリまであるいた良い思い出があります。楽しかったな~(笑)

  • インドパパさま、何時も素晴らしい、凄い、映像とレポートをありがとうございます。 インドの文化の多様さ、深さ、どれも私の敬愛するものです。 本当に、人間、何が幸せなのか、深く考えさせられます。

  • ガンゴートリーへ行く途中の温泉、15年前くらいに私も入りました。高台にあって、施設もきれいだった覚えがあります。ヒマラヤの温泉は気持ちよく旅の疲れを癒してくれましたが・・・ラージギルの温泉精舎の温泉も何度か入りましたが、あの辺はとにかく暑いので、いつも湯あたりしてしまった覚えがあります笑

もし宜しければコメントをどうぞ

XHTML: このコメントは以下のタグが使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

インド雑貨・アジアン雑貨・民族楽器- ティラキタのブログです。僕たちが大好きな面白インド&アジアを楽しく紹介しています

BLOG内から検索

今日の新入荷商品

今日のセールをピックアップ


今日人気の記事

人気の記事-全期間