インド国民のためのブランドKhadi Indiaとカディショップのこと

■カディショップとは
カディショップとみんなから愛されているKhadi Indiaとは、インドが英国から独立をする時に物を自分たちの手で作ろうという動きの元で始めたお店です。インドが英国の植民地だった時、インドの人々はいろいろな形で不利な条件を押し付けられ、制限された中で生活してきました。
植民地時代のビクトリア朝の統治(1837-1901)の間、1870年代には47のコットンミルが存在しましたが、植民地政府が布の原材料を英国に輸出し、完成品を再輸入したため、インド人は人為的に高騰した価格で衣服を購入していました。また、塩も同じ様に非常に高い値段で買わされていました。
人間が生活してく中での必需品である塩、そして布。
インドの人々は、この2つを高値で無理やり購入させられていたのです。
それが植民地というものであり、
植民地は、宗主国に逆らうことはできません。
しかし、建国の父マハトマ・ガンディーは宗主国である英国に、非暴力・不服従をもって抵抗しました。
専売制で非常に高かった塩ですが、塩は人間の基本的なものであるということで海まで塩を取りいく行進を行ったり。
すべてを自分たちの手で作ろうというスワデーシー運動を起こし、綿花からコットンを作る道具である手動の糸車チャルカが、ガンジーによるインド独立運動の旗印になりました。
カディショップとは、手動の糸車チャルカで作ったちょっと荒目の手触りの素朴な布をカディと呼ぶのですが、そこからついたお店の名前です。
独立してから70年以上経つ今ですが、インドではまだそのマハトマガンディーの思想が残り、首都の中心部コンノートプレイスにはカディショップがあります。

■デリー国際空港にも巨大なチャルカが
インドの人々がこの英国からの独立をどれだけ誇りに思っているか、そしてそのシンボルのチャルカをどれだけ大切に思っているかは、デリー国際空港に巨大なチャルカがあることからも伺い知れます。ビルマ製のチークウッドを使って作られ、総重量3トン、50年は残るギネス認定世界最大のチャルカとのことですが、チャルカはインド周辺諸国にしかなさそうな気も…

■古き良きインドのお店
カディショップは近代化するインドの中でも、古き良き時代のインドの姿をとどめているお店です。お店の中にはカウンターがあり、カウンターの向こうには店員が立っていて、商品を指差すと棚から持ってきて見せてくれます。

■Khadi Indiaはインド国民のブランド
カディショップの商品にはKhadi Indiaのロゴマークがついています。Khadi Indiaブランドとして広く人々に認識されているブランドです。
実は違いました。
カディショップはインドの人々の独立運動の象徴のお店です。
インドの人民が英国から独立を勝ち取ったシンボルのようなお店です。
ですので、Khadi Indiaブランドは、ひとつの会社だけが作っているものではありません。多くの人たちがKhadi Indiaの認証を取って、全国のカディショップに物を卸している形態になっています。
Khadi Indiaブランドは、インドの多くの人達の集合体のブランドであるとも言えます。
確かに、パッケージを見ると、ひとつひとつの商品ごとに生産者が違います。

色々なサプライヤーが独自に物を作っていて、カディショップに物をそれぞれに卸しているという話だったのですね。
インドの民衆と繋がり、インドの民衆とともに生きている。
それがカディショップなのでした。

■インド各地に残る手織り文化
インド各地には今でも手織りの文化が残っていて、北インドではあまり見かけませんがコットン産業の発達している南インドではサリーの手織りが未だに行われています。こちらの写真は南インド、ケララ州でのサリーの手織りの様子。白いサリーを時間をかけて丁寧に織っている姿が印象的でした。


■お土産に最適!
カディショップには、スパイス、お豆、お米からコットン布、化粧品や石鹸から食器に至るまで、様々なものが適正価格で販売されています。インドおみやげを買うのに、ここ以上に便利なところはないだろうな~と感じる充実のラインナップです。
ちなみに、こちらの商品はニーム製の櫛。虫除け効果のあるニーム製ということで、シラミ除去に効果があったりするのでしょうか?

あ、そうそう。
カディショップのあるコンノートプレイスは、「俺、学生だけど、ツーリストオフィス知らない?」とか、外国人の私達に話しかけてくる詐欺師の巣窟でもあります。
詐欺師たちは、相手をしなければいいだけなのですが、ハエよりしつこいので、ぜひお気をつけくださいませ。