多幸感Maxになると言う伝説の酒 マファ酒を探して



■ムンバイ在住のサチッドさんから聞いた特別な酒の話
今回はインドの奥地にあるという、飲むだけで幸せMaxになるという、特別なお酒の話をさせてください。

昨年、2025年の6月のこと。ムンバイから長年お付き合いしてきた取引先の家族がやってきました。家族4人で、2週間くらい日本に滞在し、ディズニーランドに、ディズニーシー、サンリオ・ピューロランドに、ハリー・ポッター。そして東京、鎌倉、葉山、京都、大阪、広島と移動し、日本を大満喫して帰っていきました。



そのある日のこと。旦那さんのサチッドさんとお酒の話になりました。

サチッドさんは大のお酒好き。
そして米国でITの仕事をしていたこともあるインテリの旦那さんです。

知ってるか? インドには飲むだけで幸せになるというお酒があるんだぜ

なにそれ? お酒って、飲めばみんな幸せになるような気がするんだけど

いやいや、それはそれは特別な酒なんだ。マファ酒と言うのだけど、口に含むと花の香りが充満し、とにかく幸せになるんだ。

飲むと多幸感でいっぱいになるんだ。

けど、インドの一部でしか作られていないから、とにかく入手が難しいんだよ

マファ酒? なにそれ? 初めて聞いたよ?

マファ酒は、インドの原住民の人々が手で作っていて、ボトルに入っているものはないんだ。とにかく特別なものなのさ

そんなに特別なものなの? どこに行けば飲めるの?

ドライブの途中で飲めるな。昔一回、飲んだことあるんだよ。
機会があったら一度飲んでみるといいよ

場所は?

チャッティスガルの奥地かな。オリッサにもあるかもしれない

チャッティスガルってば、めちゃくちゃ行きづらい所じゃない!


■チャッティスガルとアーデバシー
という事で、話に出てきたチャッティスガルとはこちらです。横がオディシャ州になります。

チャッティスガル。

インドに何度も行っている人でも、なかなか名前が出てこない州ですよね。インド旅行好きがたくさん身近にいる私たちですら、チャッティスガル州に行ったよ!と言う人は数人だけですもん。

チャッティスガルは、インドの真ん中あたりにある州で、デリーやムンバイ、コルカタ、チェンナイのような大都市とはまったく違う、森と川と部族文化の色が濃く残るエリアです。

観光地として有名なラジャスタンやケララ、ゴアなどと比べると、チャッティスガルはかなり行きづらい場所。日本から直行便があるわけでもなく、まずはデリーやムンバイなどの大都市へ飛び、そこから州都ライプルへ移動。さらに、マファ酒のようなものがあると言われる奥地へ行こうと思うと、そこから車で何時間も移動することになるのでしょう。

このあたりで大きな存在感を持っているのが、アーディヴァーシーと呼ばれる人々です。


アーディヴァーシーとは、ざっくり言うとインドの先住民族・部族系コミュニティを指す言葉です。インド政府の公式な分類では「Scheduled Tribes(指定部族)」という行政上の呼び方が使われますが、日常的・文化的な文脈ではアーディヴァーシーという言葉もよく使われます。チャッティスガル州政府の資料によると、2011年国勢調査ベースで州人口2554.5万人のうち、指定部族人口は782.2万人。つまり、チャッティスガルはインドの中でも部族文化の存在感が非常に大きい州なのです。

チャッティスガルに暮らす主な部族には、ゴンド、マディヤ、ムリア、ドルラ、オラオン、カンワル、バイガ、ハルバなど、さまざまなコミュニティがあります。 それぞれに言葉や暮らし、祭り、食文化、神話、森との付き合い方があり、ひとくくりに「部族」と言ってしまうには、あまりにも豊かな世界があるのだそうですよ。



■そしてマファ酒

チャッティスガルやオディシャの奥地で、アーディヴァーシーの人たちが作る手作り酒……。それは、面白そうだねぇ

そうだろ? だから言っただろ。特別なんだよ

でも、そこに行くまでがメチャクチャ大変そうじゃない

インドで本当に面白いものは、だいたい行きづらいところにあるんだよ

確かになぁ…インド広すぎて面倒だけどなぁ…

飲むだけで幸せMaxになる酒。その一杯の中に、森があり、村があり、祭りがあり、アーディヴァーシーの人々の暮らしがあるような気もします。

その後、なんとか手に入らないものかと思ってネット検索してみたんですがやっぱり見つかりません。

う~~ん。マファ酒…幻の酒なのか…

■オリッサ州を訪問
そんな中、まだ見ぬインドを求めて、2026年の春、オリッサ州を訪問しました。


オリッサ州は、インドの中では、ちょっと開発に乗り遅れたエリアではあります。だからこその、ちょうどいい田舎感と、先住民族がまだ実在するようなところでもあると聞いて飛んでみました。


■アーデバシー博物館と謎のワインパイプ
チャッティスガルだけでなく、オリッサ州にも先住民族が居るとのことですが、だいぶ奥地の方に行かないと出会えないそう。

今回は残念ながら、先住民族の住むエリアには行けなかったのですが、州都ブパネシュワールの先住民族博物館を訪問してきました。

そこには各部族の人形が飾られ


彼らの使用していたモノが展示されていました。ちなみにこの見たことない物はヘアピンだそうです。


アーデバシーの方々が実際に絵を書いて実演していました。


博物館にある色々な展示物の中で、気になったのがワインパイプと言うものでした。


ワインパイプって?? 何に使うためのものかしら?


先住民族の使っていた道具は、槍や弓。矢じり、そしてクワや鋤。それから草を集めるための道具。斧など単純なものが多いのですが。その中に、ワインパイプというものが結構な頻度で混じっているのです。

ワインパイプって何だろう? 何に使うのだろう?

ワインをこの細いひょうたんの中に入れて飲むのかしら?
なんかキセルみたいにするものなのかしら?

うーーん?? 謎だよね

■夢に見たマファ酒が出現!!

すいません。ワインパイプなんですが。あれは何に使うものなんですか?

ワインパイプ? あれはねアデバシーたちがマファ酒を飲むために使っているんだよ

マファ!! それ聞いたことある!!
もしかしたら、マファ酒のこと?

そうよ。マファ酒は彼らにとって非常に重要なもので、日々飲まれるだけでなく、祭礼に使われる特別なものなのよ

マファ酒出たーーーーー!! ここにあるのか!!!!!!!!!!!!!!!

マファ酒って??

ビデオがあるって言うから見てみようよ

■マファ酒の作り方
博物館に、マファ酒の事を纏めたビデオがあるというので見せてもらいました。博物館のビデオはもらえなかったのですが、Youtubeにほぼ同じ内容があったのでこちらを紹介します。



森の中でマファの木から落ちた花を集めます。集め花は糖度が高くそのまま置いて置いても自然と発酵しお酒になるのだそうです。

集めて壺に入れて2~3日発酵させた後、蒸留をします。蒸留というと、特別な装置が必要そうですが、蒸気を集めて冷やせればいいだけなので、単純と言えば単純で、沸騰する瓶の上に蓋をして、そこにパイプをつけるだけです。

そして出来上がるのがマファ酒で、基本的には貯蔵されずその場で飲まれるそうなのです。



■地元の人は全く知らないマファ酒
という事で。マファ酒がこの地にある痕跡を発見したので、色々な所で聞き込みをしてみることにしました。流石に地元の酒屋に行けば手がかりくらいあるだろうと思って聞き込みを始めました。

すいません。マファ酒って知っていますか?

マファ酒? 聞いたことないな。うちにある酒はビール、ウィスキー、ワインだけだよ。何が欲しいの?

このオディシャ州にある特別な酒の事なんですが

マファ酒ねぇ…。知らないな


州都ブバネシュワルにて、何軒も酒屋を廻りましたが、マファ酒はどこにもなく、誰も知りませんでした。あるのは商品化されたビールや瓶入りのお酒だけ。インドならではのキングフィッシャー・ストロングや、100パイパーズ等のインドリカーが並びますが、マファ酒の痕跡はどこにもありません。



残念だけど。マファ酒は今回は手に入らなそうだ…。やっぱり、もっと田舎に行かないとダメなんだな


と思って開いてみたアジアハンター小林さんの著書「食べ歩くインド」を開いてみたら…なんと!! 小林さんがマファ酒を飲んだレポートが書かれているではありませんか!!!!

小林さん、凄えなぁ。こんなトコまで来て、奥地まで行ってきたのか。尊敬だ!!!!!





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