100ルピーでどんなものが買える?ネパールの物価を見てみる
今回は、ネパールの庶民の物価を、ネパール在住のShuさんが紹介してくれます。
いくらデフレになったと言っても、日本とネパールの物価はまだまだ全然違います。
今回は「100ルピーで何が買える?何が出来る?」ということで、ネパールで100ルピー=100円で何が買えるのかを見ていきましょう。
なお、2020年現在、ネパールの1ルピーは、ほぼ1円です。
目次
■100ルピーで何が買える?何が出来る?
ネパールで100ルピーあったら、どんなモノが買えるのか?100ルピーでどこまで行けるのか?
100ルピーでお腹いっぱいになるのか?
身の回りの物価を調べてみました。
■まずは水から。
・水1ℓ 20ルピー・水20ℓ 80ルピー
ネパールは水事情が悪いので、生活飲水はミネラルウォーターが頼りです。特に旅行者は水道水を飲むとすぐに下痢しますので、ペットボトル入りのミネラルウォーターは必需品です。
外出先では1ℓペットボトルを購入し、家ではミネラルウォーター20ℓの容量の大きいボトルをまとめて配達してもらいます。20ℓボトルの方が、割安ですね。
ミネラルウオーターをレストランで注文すると、通常価格20ルピーの2倍、3倍の値段になりますが、それでも100ルピー内で購入できます。レストランでは、フィルターを通した飲み水や、冬はタトパ二(お湯)もあるので、注文すると出してくれます。この場合は無料です。
最近では浄水器の普及もあって、家庭用の水を浄水器に通して、飲料水に使っている家庭もあります。
■外食はどんな感じ?
・モモ(ネパール蒸し餃子) 80ルピー・チヤウミン(ネパール焼きそば) 100ルピー
・ダルバート(ネパール食/肉なし)100ルピー
・ミルクティ(ローカル)20ルピー
・ミルクティ(レストラン)80ルピー
・コカ・コーラ 70ルピー
現地で安く食べたい時は、ローカルな店へ直行するのがベストです。とは言うものの、そこまで清潔ではないので、衛生面は自己責任になってしまいますが。
ネパールのローカルの食べ物屋さんは「本当にここが食べ物屋なの?」と疑いたくなる薄暗さで、ちょっと入りにくいのですが、ここは美味しいよっていう、地元の人のお勧めなどで、判断して入ると良いと思います。
ネパールと言えば、ネパール版の餃子である美味しいモモがおすすめです。
モモが軽食なら、主食はネパールの国民食ダルバート。ダルバートは、お豆のカレーにご飯とからし菜がついた素朴なメニューですが、素朴なだけに奥深い味わいがあります。
ほとんどのお店では、お米やダルのおかわりが自由ですから、必ずお腹いっぱいになります。お値段は100ルピーから。
写真のように、お肉のおかずが加わると追加料金が加わり、100ルピーでは食べられません。
チャイも水も、ローカルのお店から、ちょっときれいなレストランに移動すると、高くなります。
ローカルのお店で20ルピーで飲めるチャイは、レストランで飲むと80ルピー。ネパールの一般庶民は、いかに切実に安く生活しているか、いつも感じます。
60ルピーの差額は日本人の私達には気にならない金額ですが、ネパール人にとっては、80ルピーは80ルピーなんですよね。
コーラは夏場の飲みものとして大人気です。コーラのほかに、スプライト、ファンタオレンジも人気で、同価格です。
ちなみにネパールではコーラじゃなくてコークっていいます。
■軽食屋、ローカルスナックは?
ネパールには色々な軽食があります。・三角形の揚げたスナックであるサモサ。
・輪っかになったドーナッツ風のセルロティ
・ジェリー
・ラルモハン、ラスバリ
・お団子 ラドゥ
・揚げた野菜のパコウラ
・揚げたチャパティ プーリ
これらはどれも100ルピー以下で楽しめます。サモサはサモサ屋さん、パコウラはパコウラ屋さんと専門店があって、気軽にオーダーをしてテイクアウトもできます。
安くて気軽には入れるのはいいのですが、どのスナックも、油を使った揚げたお菓子がメインで、甘くて脂っこいのが難点ですね。
この丸いドーナッツがセルロティです。
ネパールではスナック菓子を、人間が食べる以外の用途でも使います。お祭りや儀式、法事などで、お供え物として使うので、お店では、朝から毎日新鮮なお菓子をたくさん作っています。できれば早朝に、お菓子を買いに行くと、まだ温かくて美味しいお菓子が食べられますよ。
例えば世界遺産の古都パタンの街では、周辺に寺院が多いので、路地裏の店では、揚げたてのお菓子を山盛りに積みあげて売っています。パタンでは寺院めぐりに、お菓子を食べながら散歩してもいいですね。
■お土産にもなるお菓子
日本に帰った時、お土産にもなるお菓子はどうでしょうか?・ミニビスケット 20ルピー
・チョコレート 10ルピー
・キャンディ1個 2ルピー
・チップス 70ルピー
・ローカルチップス 100ルピー
・ラプシキャンディ 100ルピー
・ダルモート 100ルピー
ネパールのお菓子は、小さいパック売りの商品がたくさんあります。
子供が100ルピー持っておやつを買いに行くと、た~くさん美味しいモノが買えます。
ビスケットの種類はかなり豊富です。
ネパール国産のビスケットは安くて美味しいので、ネパール土産におすすめですよ。
透明のプラスチックに入っているチップス、これはネパール産なので、ローカルチップスって言います。
包装紙がデザインされたキレイ目なのは、だいたいインド製チップスです。
どっちもピリ辛で美味しいです。
これがネパール製で
こちらはインド製
ネパールでも他のアジアの国々のように、キャンディがおつりの替わりになったりします。ネパールのお店では、いつも小銭が不足しがちなので、レジの引き出しには、小銭と一緒にキャンディが入っています。
■ローカルお茶屋でいっぷく
・チャ(ネパールミルクティ)20ルピー・ドーナツ 20ルピー
・チャウチャウ(インスタントラーメン)20ルピー
・卵1個 13ルピー
ネパールでミルクティを飲むのなら、ローカルのチャがおすすめです。
ネパール人ってば、ミルクティとドーナツを一緒に食べるのが好きなんですよね。ミルクティに、ちぎったドーナツを浸して食べるのがネパール風です。
チャウチャウは、ネパールのインスタントラーメンです。店にはガス台があるので、チャウチャウ1個と卵1個買って、店主に注文すると、その場で調理してくれます。
チャウチャウはそのまま食べると、ベビースターラーメンみたいな味で、チャトパテに入れたりして食べています。
■日常的な食材のお値段は?
・米1㎏ 78ルピー・ダル(お豆)1/2㎏ 80ルピー
・ジャガイモ1㎏ 80ルピー
・ミカン1㎏ 100ルピー
・葉物1束 25ルピー
・牛乳1ℓ 100ルピー
・ヨーグルト500㎖ 50ルピー
・食パン 60ルピー
・砂糖1㎏ 80ルピー
・塩1㎏ 20ルピー
・油 500ℓ 70ルピー
・マサラ各種 80ルピー
・ローカル鶏肉100g 33ルピー
・冷凍鶏肉100g 70ルピー
ネパールに居住するなら、やっぱりネパール料理を作って食べるのが一番経済的です。
醤油や味噌などの日本食材を始めとして、パスタやケチャップ、マヨネーズ、オリーブオイルなど、必要なものは全部手に入りますが、輸入品ですので、やっぱり割高です。
ネパール食材も、購入先によっては価格の上下がありますから、いいモノを安く買うコツは現地に入るとわかって来ます。
実際、自炊を始めるとなると、鍋やフライパン、しゃもじ、皿、コップ、スプーンやフォーク、そんなのが必要になって来ますね。このへんを揃えだすと、100ルピーでは買えないものも出て来るので、今回は食料だけ並べてみました。
路上でスパイスを売っています。
小さな個人商店に比べて、スーパーマーケットは一通りのモノが揃うので便利です。しかしスーパーには割高のモノもありますので、忙しい人向けと言えるかもしれません。
野菜は夕方、路上の八百屋で買うと、新鮮でお買い得です。最初はボラれるかもしれないけれど、相場がわかってくれば交渉できるので大丈夫ですよ。
昔ながらの天秤をいまだに使って商売しています。
ネパールの主食は、米です。
主に、長粒米のバスマティライスを食べています。
米は安いものから高いものまで種類も豊富です。
■ストリートフード
・チャトパテ 20ルピー・落花生 50ルピー
・パ二プリ 30ルピー
ネパールではおやつは、屋台や行商の人たちが売っています。
小腹が減ったら、軽いスナックで腹ごしらえしましょう。
やっぱり、ローカルフードは美味しいです。
■文房具は安い
・A4ノート 20ルピー・消しゴム 5ルピー
・鉛筆 10ルピー
・インクペン 10ルピー
・ペンシルケース 100ルピー
ネパールの文房具は日本に比べてとても安いのですが、品質はそんなに良くありません。また、キティちゃんやポケモンなどを使ったキャラクター文具もありません。
子供たちが、文房具にそういう夢を求めていないのか、そもそも知らないだけなのか…新しくて、ちょっとみんなより高いものだと、いいモノを買ってもらったと感じるみたいです。
ネパールの学校でも、文房具は使わずiPadで授業を受ける学校もあります。
その方がスマートですよね、本とか文房具とか重いほど背負って登校するなんて、もういらないですよね、と思う反面、そんなにスマートになってどうするんだろう?と、ノート鉛筆世代は思ってしまいます。
■生活日用品
・せっけん 35ルピー・歯ブラシ 20ルピー
・歯磨き粉 50ルピー
・せんたくばさみ 50ルピー
・線香 100ルピー
・ライター 20ルピー
・トイレットペーパー(紙質良い)78ルピー
・生理用ナプキン8個入 80ルピー
・タバコ1本 15ルピー
日用品を買いだすと、すっかり現地モードに入って来ますね。
はじめて買うものは、いろいろ選べる面白さはあります。
中には変わった商品に当たることもあるでしょう。
真っ赤な歯磨き粉なんていうのもあるし、洗っても落ちにくい洗剤とかもありますから。日本では安いトイレットペーパーですが、ネパールでは品質が悪くて高いのです。
せっけんは、ネパールらしいニームせっけん、ヘナせっけんなどがあって、香りが楽しめます。
■携帯リチャージカード
・携帯リチャージカード 100ルピー携帯電話は、リチャージカードを購入して自分でチャージします。リチャージカードは、近所の小売店などで購入できます。
ネパールの通信会社はおもに2社あり、NTC(ネパールテレコム)とNcell(エヌセル)です。リチャージカード売りの店の表には看板が出ていますから、わかりやすいですよ。
リチャージ機械が設置されているところでは、実際にルピーで振り込める方法もあります。
■ネパールの移動手段は?
・マイクロバス ひと乗り 15ルピーバスはカトマンズの街を移動するのに一番手軽で安い移動手段です。100ルピーあれば、カトマンズの街をフラッと遊びに行けますね。
東京都内は電車でどこでも行けますが、同じように、カトマンズ市内はマイクロバスでどこにでも行けます。便利で簡単な乗り物です。
■自転車に空気を入れる。
・自転車に空気 10ルピー自転車の空気は自転車修理屋で入れます。空気入れぐらいは、家庭にあるという常識はネパールにはありません。
日本だったら、体重計や温度計などは、普通、家にあるでしょ?と思いますが、それらがネパールの家庭にあるとは限りません。体重計ひとつを地面に置いて、体重を測ってくれる商売だってあるんですから…
■ネットを使うには?
・サイバーショップ、ネット使用料1時間 50ルピー・Wi-Fi 無料
カトマンズの街中には、ネット環境をそろえたサイバーショップが時間制でネット利用できるようになっています。開始時間、終了時間で料金が決まります。
ネパールのレストランなどでは、たいてい、無料のWi-Fiが利用できるようになっているので、お店の人にパスワードを聞くと、お茶を飲んでいる間は、ネットを無料で使うことが出来ます。
■常備薬は100ルピー以下で。
・風邪薬 頭痛薬 鎮痛剤 100ルピー海外での病気は、心細いものですよね。どこの病院へ行っていいのか全くわからず、行ったところで、日本の病院のクオリティではないから、「ああ~」とため息をつくことも、しばしばです。
病気になったときは、日本からの薬を毎回用意しなくても、現地の薬でも大丈夫。
一通りの常備薬は、100ルピーで揃えられます。
ちなみに揃えている薬の種類は、ParacetamolとFlexonは、鎮痛剤、Cetirizineは風邪の症状に、Nimsは頭痛薬、Jeevenは下痢、 Nasivion鼻薬、あとは緊急用に抗生物質、ケガには、絆創膏やシップ、包帯など用意しています。
手洗い、うがいは、外出後は必須。衛生面は自己管理で、病気にならないように気に掛けることで、なるべく病院のお世話にならないようにしたいですね。
こんな感じですね。
以上並べてみた価格は、上限を見れば、まだまだいろいろありますが、今回は、100ルピー内で買えるモノと出来ること、ということに、こだわってみました。
実際、ネパール庶民のほとんどは、1日に100ルピー使うことさえ、よ~く考えてから使っているし、働いている人の月給なんか聞くと、100ルピーの価値も変わってくるんですよね。
ネパールには、そんなに豊富な品物があるわけでもないし、遊びも限定されるから、こんなネパールだったら、100ルピーで、けっこう楽しく過ごせるんじゃないかなあと思うのです。