いま勢いのあるミャンマーへGO!
昨年3月に大統領が誕生し、軍事政権から民主化への移行が行われたミャンマー。以前の選挙でアウンサンスーチー女史率いる国民民主連盟(NLD)が選挙に勝ったのに政権を譲り渡さなかった軍部がそんな素直に民主化を進めるわけがないだろー、どうせまたダメだよーとみんな思ってたのに、これが予想を裏切り絶好調。いまミャンマーは、東南アジア最後のフロンティアとして各国の投資家が期待を寄せる好景気に湧いています。
たとえば私が初めてミャンマーに行った2008年6月は、前年2007年に民主化運動が徹底的な弾圧を受け、取材していた日本人ジャーナリスト長井健司さんが軍隊に撃たれて死亡してから時間がたってなく、かつ直前に巨大サイクロンがミャンマーを直撃したこともあり、なんとも沈んだ雰囲気でした。街中どんよりとしており、観光客はほとんど来ていない。数件だけ存在してる外国人向け安宿もガラガラ。滞在してたのはこっそり忍び込んだジャーナリストとか、NGO関係者とか、そういう人ばかり。ビザを取るのも面倒臭く、バックパッカーが見向きもしない国になっていました。
アウンサンスーチー女史について語るのももちろんタブー。写真持ってるのもダメ。チベットのダライ・ラマ猊下のような扱いでした。
もちろん町中には秘密警察が目を光らせています。仏教遺跡のあるバガンで泊まった宿のおじさんの運転する車に乗った時に、「車の中だけだよ、民主化の話ができるのは」と愚痴をさんざん聞かされたのもいい思い出です。
ところが今年2011年は、これが同じ国かというぐらい変わってました。何よりも街中にアウンサンスーチーグッズの店が溢れかえってます。Tシャツもポスターもなにもかもアウンサンスーチー女史ばかり! おそらく帽子からズボンまで彼女のグッズで揃えることも不可能では無いかもしれません。(そういや昨年から今年にかけて、他の東南アジア諸国はドコモかしこもスマートフォンのゲームアプリ、アングリーバードグッズで埋められてましたね……)
人々も堂々とアウンサンスーチー女史の話、民主化の話をしています。目がギラギラと輝いており、これからの夢や理想を語ります。「ミャンマーは出遅れたけど、これから一気にタイやマレーシアに追いつき追い越すんだ!」こういう話を何度聞いたことか。
宿代も急激に値上がってます。5ドルで泊まれた日本人向け安宿が12ドル、二ヶ月間を空けて再び行ったらさらに1ドル値上がってる始末。バガンで朝食付だった安宿も、3ドルから12ドルに。週末にはどこの安宿もホテルも軒並みいっぱいで、予約してないと泊まることすら出来ないという状況です。
そんな安宿にも旅行者が殺到してますが、目立ったのがビジネスチャンスを探しに来てる人たち。ミャンマーは一ヶ月の観光ビザが取れますが、オーバーステイしても1日辺り5ドル支払えばなにも文句を言わず出国させてくれます。再び来る際も問題になりません。そこで、いちいち出入国を繰り返すのが面倒だからとずっと滞在してビジネスの交渉をしたり場所を探したりしてる人に何名か会いました。いまは宿の需要と供給がまったく合ってない感じです。あと1年もすれば落ち着くとは思いますが。
ミャンマーはインドの隣なのでバーラト料理と書かれたお店をいろんなところで見かけます。バーラトというのはインドの別名ですが、ミャンマー国内ではこちらの呼び方のほうがよく使われます。味は……うーん、正直言ってインド本国で食べるのと比べると、なんか物足りないんですよね。おかわり自由のターリーを頼んでもカレーの数が少ないし。ともかくなぜかパッとしない。何件か食べ歩きましたが、どこもいまいち。かといってミャンマー料理はその油っこさが有名で、美味しいことは美味しいんですが毎日食べてると他の国のアジア料理よりも飽きが来やすいです。
ところが、ミャンマーもご多分に漏れず日本食ブームが起きてて、そこまで高くない値段で日本食が食べられるようになりつつあります。カツ丼定食620円、とんこつラーメン270円、サーモンの握り寿司が2貫で100円、焼き餃子定食300円、ざるそば100円……味はタイで食べるほどしっかりしてませんが、さっぱりした味付けには救われました。
そうそう! 以前は政府の公定レートが実勢とかけ離れており、わずか100円ほどでパスポートの更新ができたのですが、ついに政府が是正を行い、この激安パスポート更新の手段は使えなくなりました。以前なら航空券買ってタイから更新に来るだけで元が取れ、そのうえ観光もできたんですけどねぇ。
ちなみに両替は、米ドル・ユーロ・シンガポールドルのどれかしか出来ません。要注意ポイントは、異常なほどの潔癖性。現地通貨チャットはぼろぼろなのに、外貨は冗談抜きで折り目や汚れがちょっとでもあると、受け取ってもらえません。カウンターにもそう書いてあるんですよ。財布に折り目を入れて持ってきてしまった人は本に挟んだりして、必死に折り目を消そうとしていました。
宿代が高かったり新札でないとだめだったりなんだかんだあるミャンマーですが、いまの勢いを見ておくのはとてもエキサイティングな体験になると思います。中心都市ヤンゴン、荒野に何千もの仏塔が立ち並ぶ遺跡の村バガン、もしかしたら北京の故宮より大きいんじゃないかと思うような応急の残る古都マンダレーなど、見所もたくさんあります。
ぜひぜひミャンマーへ行ってみてください!
たとえば私が初めてミャンマーに行った2008年6月は、前年2007年に民主化運動が徹底的な弾圧を受け、取材していた日本人ジャーナリスト長井健司さんが軍隊に撃たれて死亡してから時間がたってなく、かつ直前に巨大サイクロンがミャンマーを直撃したこともあり、なんとも沈んだ雰囲気でした。街中どんよりとしており、観光客はほとんど来ていない。数件だけ存在してる外国人向け安宿もガラガラ。滞在してたのはこっそり忍び込んだジャーナリストとか、NGO関係者とか、そういう人ばかり。ビザを取るのも面倒臭く、バックパッカーが見向きもしない国になっていました。
アウンサンスーチー女史について語るのももちろんタブー。写真持ってるのもダメ。チベットのダライ・ラマ猊下のような扱いでした。
もちろん町中には秘密警察が目を光らせています。仏教遺跡のあるバガンで泊まった宿のおじさんの運転する車に乗った時に、「車の中だけだよ、民主化の話ができるのは」と愚痴をさんざん聞かされたのもいい思い出です。
ところが今年2011年は、これが同じ国かというぐらい変わってました。何よりも街中にアウンサンスーチーグッズの店が溢れかえってます。Tシャツもポスターもなにもかもアウンサンスーチー女史ばかり! おそらく帽子からズボンまで彼女のグッズで揃えることも不可能では無いかもしれません。(そういや昨年から今年にかけて、他の東南アジア諸国はドコモかしこもスマートフォンのゲームアプリ、アングリーバードグッズで埋められてましたね……)
人々も堂々とアウンサンスーチー女史の話、民主化の話をしています。目がギラギラと輝いており、これからの夢や理想を語ります。「ミャンマーは出遅れたけど、これから一気にタイやマレーシアに追いつき追い越すんだ!」こういう話を何度聞いたことか。
宿代も急激に値上がってます。5ドルで泊まれた日本人向け安宿が12ドル、二ヶ月間を空けて再び行ったらさらに1ドル値上がってる始末。バガンで朝食付だった安宿も、3ドルから12ドルに。週末にはどこの安宿もホテルも軒並みいっぱいで、予約してないと泊まることすら出来ないという状況です。
そんな安宿にも旅行者が殺到してますが、目立ったのがビジネスチャンスを探しに来てる人たち。ミャンマーは一ヶ月の観光ビザが取れますが、オーバーステイしても1日辺り5ドル支払えばなにも文句を言わず出国させてくれます。再び来る際も問題になりません。そこで、いちいち出入国を繰り返すのが面倒だからとずっと滞在してビジネスの交渉をしたり場所を探したりしてる人に何名か会いました。いまは宿の需要と供給がまったく合ってない感じです。あと1年もすれば落ち着くとは思いますが。
ミャンマーはインドの隣なのでバーラト料理と書かれたお店をいろんなところで見かけます。バーラトというのはインドの別名ですが、ミャンマー国内ではこちらの呼び方のほうがよく使われます。味は……うーん、正直言ってインド本国で食べるのと比べると、なんか物足りないんですよね。おかわり自由のターリーを頼んでもカレーの数が少ないし。ともかくなぜかパッとしない。何件か食べ歩きましたが、どこもいまいち。かといってミャンマー料理はその油っこさが有名で、美味しいことは美味しいんですが毎日食べてると他の国のアジア料理よりも飽きが来やすいです。
ところが、ミャンマーもご多分に漏れず日本食ブームが起きてて、そこまで高くない値段で日本食が食べられるようになりつつあります。カツ丼定食620円、とんこつラーメン270円、サーモンの握り寿司が2貫で100円、焼き餃子定食300円、ざるそば100円……味はタイで食べるほどしっかりしてませんが、さっぱりした味付けには救われました。
そうそう! 以前は政府の公定レートが実勢とかけ離れており、わずか100円ほどでパスポートの更新ができたのですが、ついに政府が是正を行い、この激安パスポート更新の手段は使えなくなりました。以前なら航空券買ってタイから更新に来るだけで元が取れ、そのうえ観光もできたんですけどねぇ。
ちなみに両替は、米ドル・ユーロ・シンガポールドルのどれかしか出来ません。要注意ポイントは、異常なほどの潔癖性。現地通貨チャットはぼろぼろなのに、外貨は冗談抜きで折り目や汚れがちょっとでもあると、受け取ってもらえません。カウンターにもそう書いてあるんですよ。財布に折り目を入れて持ってきてしまった人は本に挟んだりして、必死に折り目を消そうとしていました。
宿代が高かったり新札でないとだめだったりなんだかんだあるミャンマーですが、いまの勢いを見ておくのはとてもエキサイティングな体験になると思います。中心都市ヤンゴン、荒野に何千もの仏塔が立ち並ぶ遺跡の村バガン、もしかしたら北京の故宮より大きいんじゃないかと思うような応急の残る古都マンダレーなど、見所もたくさんあります。
ぜひぜひミャンマーへ行ってみてください!
文章:ume_pon
震災&原発事故を機に自主退職。四国遍路、フィリピン英語留学、ミャンマー瞑想修行、現在アジアぶらぶら中。
震災&原発事故を機に自主退職。四国遍路、フィリピン英語留学、ミャンマー瞑想修行、現在アジアぶらぶら中。