クリシュナの誕生日 – クリシュナ・ジャンマスタミ

昨日、8月22日はインドとネパールはお休みなんだよと、カトマンズに住むラム君から連絡がありました。

ラム君「クリシュナの誕生日だから、今日はお休みなんだよね。」
ウメ 「え、神様の誕生日でお休みになるの?」
ラム君「もちろんさ! 大切な神様だもん!」

日本では神様の誕生日にお休みするという習慣はありませんが、ネパールやインドではいろいろな神様がお休みを作ってくれます。シヴァの誕生日はシヴァーラトリーというお休みになり、クリシュナの誕生日はクリシュナ・ジャンマスタミと言うお休みになります。ガネーシャがガネーシャ・チャトゥルティというお休みになります。

この神様のお休みは私たちが通常使用している太陽暦ではなく、太陰暦で決まります。クリシュナの誕生日は太陰暦でシュラヴァンと呼ばれる8の月の8日目。私たちが使っている太陽暦にしますと毎年日付は微妙にずれ、8月中旬から9月頭頃に行われます。

クリシュナの誕生日の8日前にはすでにお祭りは始まっていて、街中が明るく、どこか浮き立ったような気分になります。人々はベイビー・クリシュナ神の像をお風呂に入れ、服を着せ、綺麗にし、ベルを鳴らし、笛を吹いて誕生日の準備をします。

誕生日にクリシュナに着せる服はそれは綺麗で手のこんだ物が用意されます。最近では電飾も多用されるようです。クリシュナだけでなく、祭壇も清掃し、綺麗にデコレーションされます。



クリシュナの誕生した時間は誕生日の日の真夜中。その時間が来ると、すべての電気は一瞬消え、そして再度点灯し、たいへん美しいベイビー・クリシュナ神が現れるのです。この日、経験な信者たちは1日、クリシュナ神への尊敬と帰依を表すために断食をします。断食をすることにより、自分自身の欲望をコントロールし、感覚を研ぎ澄ますことができるのだとか。

このクリシュナ神の誕生日はネパールやインドの様々なところで様々な形で祝われます。特にムンバイのあるマハラシュートラ州では一風変わったダヒ・ハンディという祝い方をするので大変有名です。

伝説によると、クリシュナはバターやギー、牛乳、そしてバターミルクなどが大好き。自分の家の牛乳はもちろん、近所の家に忍び込んで牛乳やバターなど、全部を食べてしまいました。困った隣人は子供のクリシュナに取られないよう、牛乳がはいった壺に縄をかけ、天井から吊るしてしまいました。しかし賢いクリシュナは友人を呼び、人間ピラミッドを作ったまんまと牛乳をせしめたのだそうです。



ダヒ・ハンディの様子 (c)Wikipedia

その伝説に基づき、人々は素焼きの壺を高い、高い所に吊っておいて人間がタワーを作り、その壺に到達するかを試すのです。

揃いのT-シャツを着て、何百人も集まって、大きな声援を受けてみんなで作る人間ピラミッドは私たち日本人が見たことない高さ。もちろん途中で崩れるときもありますが、最終的には綺麗なピラミッドを建て、ハンディの所に至ります。

素焼きの壺の中身はバターミルクが入っていて、タワーの一番上の人がココナッツで壺を割り、中のバターミルクを受けることによって祝福されるという意味があるのだそうですよ。

所変わればお祭りも変わります。
インドのお祭りは極彩色で本当に楽しいものです。

次のインドの大きなお祭りは光の祭りディワリです。10月末から11月初めに行われます。
これからインドに行くことを考えている方、ぜひディワリに合わせて訪印してみてはいかがでしょうか?

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