インドの物乞いのびっくり事情

最近でこそだいぶ少なくなってきましたが、インドパパが海外に出始めた15年くらい前にはまだ街のいろいろな所に物乞いがいました。バンコクに行っても居ましたし、デリーにもいっぱい。そして、物乞いにまつわるほんとか嘘か判らない話も色々ありました。

カルカッタに初めて行ったときの話。1990年代のカルカッタにはすごい数の物乞いがいました。大通りであるチョーロンギー通りにずらっと並ぶ物乞い、物乞い、物乞い…もう、15年も前のことですから記憶が定かではありませんが、すごい数の物乞いがいたことを覚えています。

でも数年後、次にカルカッタを再訪してみると物乞いはぐっと少なくなって、あっちにポツリ、こっちにポツリと言った具合でほとんど居なくなっていました。そんなある日、バックパッカー宿で出会った人が…


「カルカッタの物乞いたち、どこに行ったか知ってる?」
「いや、ぜんぜん?」
「1年前にカルカッタで国際会議があったんよ。その時に、物乞い全員をトラックに乗せてデカン高原に捨ててきたんだって」
「えええーーーーー全員を!?」
「そうなんや。だから、今いる奴らはデカン高原から歩いて帰って聞いた奴らなんや」

よく考えると、いくらインドとはいえ、そんな非人道的なことが出来るとは思えません。国際会議の前に人を捨てに行ったら大騒ぎになるはずです。でも、そんなほんとか嘘か判らない話もインドに行って、実情を見て、聞いてみるとあたかも本当に聞こえるから摩訶不思議です。

また、タイに行った時のこと。バンコクの街を歩いていると、しばしば歩道橋の上にお婆ちゃんと子供とか、母親と赤ちゃんとか、そういったいかにも同情をひきそうな組み合わせの物乞いがいることに気が付きました。

「おかしいなぁ…」と思って人に聞いた所…
「ああ、それはね。物乞いコーディネーターがいるのよ」との答え。
「物乞いコーディネータ!? なんですか、それは?」
「赤ちゃんとお父さんよりも、赤ちゃんとお母さんのほうがいい稼ぎになるわね? お婆さんと小さな子どもって言う組み合わせもいいのよ。お母さんに一日幾らかで赤ちゃんを貸し出すって言う組織もあるらしいのよ」
「じゃあ、最初っから僕たちは騙されているって言うこと?」
「ちゃんとした職があったら物乞いなんかやらないと思うから、騙されているわけではないと思うけど。お金を貰いやすいように、みんな考えているってことなのよ」

そんな、いろいろな話があった物乞い。今までは「半分つくり話かもな」なんて思っていたのですが…なんと、インドでは物乞いが1日500ルピー(約900円)を稼ぎ、月収にして約2万7000円を得ていると言うニュースがやってきました!

■驚くべき「インドの物乞い組織」の教育内容、稼ぎはインドの平均月収を上回る

急激に経済成長をするインド。世界が不況にあえぐなか、インドは中国についで高い成長率を維持している。だがすべての国民が豊かになっているわけではなく、古くからある身分制度によっていまだに虐げられている人も数多くいる。国が豊かになっても、物乞いで生計を立てる人が減ることはない。

しかしその物乞いが、実は組織化されているのをご存知だろうか? 組織化された物乞いたちは、1日500ルピー(約900円)を稼ぎ、月収にして約2万7000円を得ている。インドの平均月収(約2万5000円)を上回るお金を手にしているのだ。

たとえばインドを舞台にした映画で、主人公が物乞いに遭遇するシーンが描かれることがある。小さな子どもを持つ母親が、通行人に恵みを乞う場面を容易に想像できるだろう。同情心に駆られた主人公は、思わず手持ちの小銭を渡し、子どもの健やかな成長を願う。ありきたりな場面ではあるが、これは映画だけの話ではないのだ。同情心に訴えかけるというのは、物乞いの間ではお決まりの手段なのだ。

近年、組織化が進む物乞いについて、ムンバイの警察は潜入捜査を行った。そうしたところ、知られざる組織の実態が明らかになったのだ。それによると物乞いは通常、地域ごとにボスがいて、ボスの指示に従って活動している。得たお金はすべてボスが管理しており、集めた金額に応じて取り分が分配されているのだ。

警察の調べでは、誰でもすぐ物乞いになれるわけではなく、組織によって教育されているという。驚きの教育内容は次のようなものだ。

【インドの物乞い組織の教育内容】

・ 見習い
組織に加わるとまず見習いとして、先輩たちの食料や水の世話を命じられる。

・ 風雨に耐える
通りで長時間活動できるように、戸外の過酷な環境下で1週間の修行をする。

・ 目つき
より悲しそうな目をすることにより、多くのお金を恵んでもらえる場合がある。同情心をあおるような目つきを指導される。

・ 転び方
通行人の関心を引くように、派手な転び方を学ぶ。特に身体に障がいのあるものは、より同情心をあおるように、転び方を繰り返し練習する。

・ スリ
スリも物乞いの資金稼ぎの1つ

・ 自傷行為
もしスリを働いていて、警察に捕まるようなことがあった場合、あえて自分にケガを負わせる。そうすることにより、警察は面倒を見ることを嫌がって放置するからだ。

・ 宗教本や詩句の暗記
通行人に、宗教的な理由で物乞いをしているという印象を与えるために、意味深い文言を暗記する。

・ 化学薬品の扱い方
猛暑のなかで長時間道端に座っていると、暑さで思うように活動できなくなる。そこで、シンナーなどの化学薬品が提供され、気化熱で涼をとる方法を学ぶ。

これらの訓練を受けた後に、見習いを卒業して路上での活動が始めるのだ。

組織が行うのは訓練だけではない。さらに効率的にお金を収集できるように、子どもの貸し借りまで行っているのだ。通行人は大人の物乞いよりも、取り分け子どもに対して同情心をあおられやすい。そこで演技の上手な代理母に子どもを預け、より多くのお金を得られる仕組みが設けられている。

3カ月の赤ちゃんの場合は、約180円。1歳児は90円。3歳児は55円という具合に相場が決まっており、親にお金が支払われる。さらに借りた方は売り上げの半分を、親に支払うという。

この事実を明かしたムンバイの警察官は、10年前に組織壊滅ために結成された撲滅チームのメンバーの1人であった。当時の潜入捜査の実状について明かしているのだが、いまではそのチームも解散されてしまったとのことだ。インドの平均収入を上回るお金を得る物乞いたちは、おそらくこの先も路上から姿を消すことはないだろう。

ニュースソース:ロケットニュース24
 

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2 Comments + Add Comment

  • たまげますね!本当に困った人になら…って私は甘いのかな (笑)私は独身時代地元福岡で何回か物乞いアジア親子(メンズ)に遭遇しました。中洲でアルバイトしてた頃仕事前ゲーセンで遊んでいたら アジア親子の子供が走って寄ってきて「オネーチャン五百円頂戴。」って。何故五百円か分からないけど(笑)たいがい五百円頂戴でしたよ。

  • 500円! 500円は高いですねぇ(笑 だって、500円あったら大人の日収くらいの国もありますし。
    いや、でも、ほんとうに困った人になら私も出しますよ。お金は廻りものですし、仕方ないかな、と思う部分があります。

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