【インドモノ辞典】インドに昔からあるエコアイテム 沙羅双樹の葉っぱのお皿について

■葉っぱのお皿について
ティラキタの商品の一つに、葉っぱで作られたお皿があります。 葉っぱを縫い合わせて、整形して一つ一つ手作りした、正真正銘の葉っぱのお皿です。シンプルな葉っぱのお皿ですが、シンプルさの中にインドの文化が反映している、ティラキタ買い付け班イチオシのエコアイテム。 今回は日本にはないエコ商品である、葉っぱのお皿について話をしてみたいと思います。この葉っぱのお皿は、インドでは昔から使われている伝統的な使い捨て食器です。使われている葉っぱは「Sal Tree」と言って、沙羅双樹の木の葉っぱ。沙羅双樹は仏教やヒンドゥ教で神聖なものとされている植物です。沙羅双樹の葉っぱを熱加工で成形し、縫い合わせたりして作っています。この葉っぱのお皿。私達が一番最初にインドに行ったのは1994年の事ですが、その時に見かけた記憶がありますね。その時にあったという事は、きっと、ずっとずっと昔から、インド人たちに作られ、使われ、愛されてきたアイテムなのでしょう。
■庶民が日常的に使っています
この葉っぱのお皿は、インドでは、庶民が日常的に使っているアイテムです。一番多く使用しているのは、屋台です。 インドではちょっとした道具だけで屋台が開けることもあり、いろいろな人達が屋台をやっています。



■なぜ葉っぱでお皿を作ったの?
インドやネパールではこの葉っぱのお皿が使用されています。なぜ面倒くさがりな人が多いインドでわざわざ手間をかけ植物の葉でお皿を作るようになったのでしょうか。それはインドやネパールの文化圏には「浄・不浄」という概念があるからです。食器においては「他人が一度使用した食器には穢れがある」という考えが当たり前に浸透しています。穢れというのは衛生的なものだけでなく、精神的なものや魂にまで影響が及ぶものと彼らは考えているのできっちり分けるようです。こんなお皿にも宗教的・文化的なものが反映されているなんて面白いですね。だからインドでは使い捨ての陶器のお皿なんて言うモノが出現したりします。余談ですがステンレスの食器においてはステンレス自体が穢れがつかないもの、という考えがあるので捨てなくても良いようです。だから、インドでは陶器が発展せず、現在では洗えば宗教的に清浄になるを考えられているステンレスの食器が人気です。
■農家の人達が作っています
それでは、この葉っぱのお皿がどのようにして作られているか、ちょっと見ていきましょう。 このお皿はインドのいろいろな所で作られていますが、インド、ベンガル州は有名な産地の一つです。こちらはベンガル州の森から、女性たちが葉っぱを採集しているところ。傷のない、大きな沙羅双樹の葉っぱを選びます。
source:naturallybengal.com
女性たちが集まり、きれいな葉っぱかどうかを選別します。

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綺麗で傷のない葉っぱが集まったら、ミシンで葉っぱ同士を縫い合わせます。

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縫い合わせた後に、もっと丈夫にするために、細めの茎みたいなものを入れるときもあります。

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お皿を作るのに十分な大きさになったら、熱によってプレスして、出来上がりです!!

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こちらは発送の準備をしているところ。
25個セットなどにしてビニールに入れて発送されます。

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この様に作られたお皿は、インドの田舎の人々に日々の生活の糧としての、貴重な現金収入をもたらしています。この葉っぱのお皿だけでなく、ティラキタで扱っている商品には、インドやアジアの田舎の人達が作ったものが色々とあります。コロナで渡航できない昨今ではありますが、この様なインドとアジアの商品を取り扱うことにより、継続して現地の人達を支援していければいいなぁ…と思いながら毎日仕事をしています。