世界で一番綺麗な国ニュジーランドで、人口が少ない社会について考える

■海外に出ると視点が変わる
ティラキタ買付班、皆様がご存知の通り、海外に行くのが大好きなのですが、では海外に住みたいのか?と言うとそうではありません。

海外に行くと、より日本が大好きになります。日本の居心地の良さが身に沁み、海外に行きたくないなと思うこともしばしばです。

彼我を知ると言うか、比較してみて初めてわかる事がありますが、外に出て帰ってくると、日本の良さや美しさが改めて強く感じられるものです。

例えば。

日本は、世界中のものが、多分世界で一番安いお値段で楽しめる国です。つい先日、カナダから義理の兄弟が帰ってきたのですが。

ねえ、このメープルシロップカナダよりも安いよ

ほんとに?

うん、カナダではこれよりも高いメープルシロップがたくさんあるよ

そうなんだよねぇ…。どういう事になっているのか解らないけど、なぜか日本って、現地よりも安くモノが売られていたりするんだよ

このメープルシロップの話だけでなく、例えばチリのワインなども同様です。量販店で一番安いチリワインは、現在、700円台ぐらいしょうか? 700円中に、酒税170円と消費税が入ってるとすると、実質のお値段は500円そこそこです。チリからワインを作って持ってきて、500円でどうやって提供できるのか謎でしかありません。

今の日本は食が好きな人にとっては本当に天国のような国です。日本人は本当に真面目なので、よく勉強して、きちんとした美味しいものを提供するので、日本食からイタリアン。フレンチから、インドまで、ほぼ全ての料理が最高のクオリティで楽しめます。

例えば。

毎日お風呂に入れるということ。世界にはインドや中等諸国など、水のない国も多く。200リットルも水を使って、お風呂に入れるのは贅沢中の贅沢です。しかも毎日お湯を入れ替えて沸かしてを、ほぼ全ての家庭がやってると考えると、水だけでなく燃料の消費も考えると、ものすごい贅沢です。

例えば。

空気が綺麗なこと。空気の事は当たり前すぎて、気にもしていない人が多いと思うのですが。空気が綺麗なことは最大級に贅沢なことです。むしろそれを超える贅沢はありません。

デリーに10月に行くと、空はどんよりと薄曇り、夕方になると太陽の光が薄暗くなって、まるでこの世の終わりかのような雰囲気です。揮発性の匂いがして、もはや人が吸える空気ではありません。

インドや中国で富裕層が増えているというニュースがよく流れてきますが、彼らはいくらお金を使っても、きれいな空気を吸えない。豊かさの指標は、経済的な豊かさだけではありません。

このようにちょっと例を挙げただけでも、日本は本当に住み心地がよく、居心地が良くて最高な国なわけです。

■世界で一番綺麗な国ニュージーランド
さてそんな事を言いつつ、今回はニュージーランドに旅行に来てみました。

正直、全く想像もしていなかったのですが…ニュージーランドは私が今まで30年間いろいろな世界を廻った中で、一番綺麗な国の一つでした。

空気がキラキラと光ってて、青くて透明感があるぞ


南半球の島国なので、そもそも公害がとても少ないというのが一番大きいと思うのですが、今まで自分が知っていた空気感とは違います。空も木の葉も何もかもが、蛍光色に光っている様な感じで、夢の中にいるかのようです。


自然はよく保護され


人口は少なくて


羊と牛がいっぱいいて


今まで本当に色々な国を旅行して、もちろんどの国もその国の良さというものがあるのですが。ニュージーランドは世界の中でも、最高レベルの綺麗な国だと言って間違いないでしょう。

■人口の少ない国
そして人口は日本とほぼ同じぐらいの国土にもかかわらず。522.3万人と日本の22分の1しかいません。そうするとどこに行っても基本的に人の影はあんまりなく。人混みであるとか、渋滞であるとか、そういうものとは、ほぼ無縁です。

町は広々として快適で、歩道も5mぐらいの広さがあってゆったりと歩けたり


市街地には無料の駐車場が必ずあったり


高速道路はもちろん全て無料で使えて、走る道がどれも素晴らしくて。道路も広々として走りやすくて。人がいないってこんなにも快適なのかと思うのです。




人口が少なくて土地が有り余っているので、とにかく土地の使い方に余裕があります。市街地をちょと離れると、2階建ての家はほぼなくて、平屋ばかりです。


人がいないのは快適でいいのですが。さて、社会的なシステムはどうか?というとそれはそれできちんと運営されていたりします。

■社会システムは先進国
520万人で日本と同じサイズの国土がきちんと管理されてるというのが、とても驚きです。人口が22分の1になっても、今の日本のインフラを維持できるか?と考えると、なかなか難しい話ですよね。

道路はしっかりとケアされています。旅行中1500kmほど走りましたが、道路が壊れてるところは皆無でした。ニュージーランドほぼ全国、津々浦々、綺麗な道路が維持されてています。

インフラはちゃんと整っています。水道はきちんとしてるし、インドのように停電したり電気が不安定になったりすることもありません。

社会システムはきちんと回ってるように見受けられます。520万人でどうやって?と思うのですが、ここに日本の少子化問題を解く鍵があるような気がするのです。

■社会に余計なものはない
見ていて気がつくのは社会に余計なものがないということでした。

例えば日本だったら500mおきにあるコンビニはニュージーランドにはありません。コンビニがあるということはそこで働く人がいて、レジを打つ人、コンビニに商品を運ぶ人などの人がいて、そこで人的資源が消費されてることを意味します。

例えば日本だったら、至る所にある信号が、ニュージーランドにはほぼありません。

信号がないということは、信号を作る会社がなく、信号を敷設するための労力もなく、電線も、電力も必要としません。信号の管理も必要としません。信号をなくすだけで多くの人的資源が浮きます。その代わり、ラウンドアバウトと言う無人の交差点システムがあります。

例えば高速道路。基本的に全部フリーウェイなのでETCや料金所などはなく、すなわちそこに対する人的負担はありません。

例えば色々な競争。ニュージーランドを旅行しててこれが一番印象深かったのですが、ニュージーランドは日本ほど競争社会には見えませんでした。適切なものが適切な価格で売られている社会。適切なサービスが適切な価格で提供されてる社会に見えました。

例えば日本だと100均があったりして。安いものは極端に安いですよね。100均だけじゃなくても、大手企業がありとあらゆる手段を使って、競争に勝とうとして、個人では対抗できないような値段でサービスを提供しています。

普通に地場のお野菜を使って、お肉を使ってご飯を作ろうと思って。ちゃんとサービスしようと思ったら1500円ぐらいは欲しくなると思うのですが。チェーン店は、どうやってるのかわからないけど700円~800円で、似たものを提供していて。これじゃ個人店はやっていけないよなと思ったりします。

それって、言い方によれば、適切なものが適切でない値段で売られている=安く働いていると言うこと。それの全ての元凶になっているのは、結局は人が多いということなんだなと、ニュージーランドを訪問して気が付くのです。

日本では少子化だ、人が足りなくなってきたという風に言っていますが、まだまだそれでも、全然多いんだなと感じるのです。

なぜなら、人が少なくなれば、余計な競争は起きないのですから。

■人を増やしたいイスラエル
話は変わってだいぶ前のことですが。ティラキタを始める前に南米旅行していた頃、イスラエル人の2人組と一緒に時間を過ごしたことがありました。

そういえばお前の国は最近、子供が減ってるそうだな

そうだよ。だって子供作るのにお金かかるし、色々大変なんだよ

なんてお前の国は馬鹿なんだ! 人口を減らすということは、国力を落とすことであって、負けるということなんだぞ

え? そんな視点があるの

イスラエルでは当然のことだよ。とにかく子供を作って人口を増やしていくんだ

この会話が非常に心に残って25年経った今のでもこのような例として出てくるのですが。確かにイスラエル人たちの言うことは一理も二理もあります。人口が増えれば増えるほど国力が上がるというのは紛れもない事実です。戦争に勝つためには、単純に人数が多いほうが有利ですから。

今、日本が衰退していっている、一人あたりのGDPが韓国にまで抜かれたと言われていますが、老人ばかりで、これからを担う若い世代が少ないのですから、それは当然の話なのです。

お隣の中国、そしてインド。国力とか言いますが、結局彼らは人口の力で押してくるわけでして。日本の人口が1億2000万人から6000万人に減るからと言って、ここぞとばかりに移民してやろうと思ったりするわけです。先日もどっかの製菓会社の社長がそんな事を言ってましたっけね。

インドや中国に対抗するために、我々も人口を増やさなければならない。経済成長を維持するために、我々も人口を増やさなければならない。単純にそういう結論にたどり着くような気がします。

筆者自身も、イスラエル人に影響されて、一時そのような思想を持っていたこともありました。

■そもそも日本の適正人口はどれぐらいなのか?
さてここでちょっと考えを変えてみます。そもそも日本の適正人口ってどれぐらいなのでしょう?

適正人口を考える時、その土地で取れるものでその人口を賄えることというのが基本条件になるかと思います。

要は日本国内で自給自足ができることっていう事ですね。

今でこそコンテナ船が発達して、飛行機が飛んで、海外からいろんな食品を持ってくることができますが。では戦乱によって、自然災害によって、それがなくなったらどうしましょう?

今、世界中が、ウクライナ戦争とかイスラエルの侵攻とかでキナ臭くなってますけれども。いつ第3次世界大戦が始まらないと言えるでしょうか。また、日本は中国から多くの食品を輸入していますが、いつ中国が日本に食品を輸出しないと言い出すか。

それを考えた時、日本のみならず、その国の適正人口は、その国内で自給自足できるだけという事になるのだと思います。日本の食料自給率がカロリーベースで言って38%ぐらいだと言われますが。ということは日本の適正人口は1億2500万人の38%でしかないと考えられます。

第3次世界対戦が起こった時、もしくは中国や諸外国からの輸入食品が途絶えた時、後の62%の人口は飢えに苦しんで死ぬ。

そういうことになるんだろうな、と思うんですよね。

ちなみに江戸時代の日本は4000万人ぐらいだったそうです。そして戦前の日本は7000万人ぐらいだったそうです。多分、全員で農業をしたら、それくらいはなんとかなるのでしょうね。

■たとえ世界は平和であったとしても
たとえ世界が平和であったとしてもです。

ここ数年激しさを増して来ている地球温暖化のことを考えてみます。人類はこのままのペースで二酸化炭素を温暖化ガスを放出しながら生きていくことはできないことは目に見えています。

地球温暖化によって気候が変わり、虫たちがいなくなり、そして作物が実らなくなる。これはもうすでに起こりつつある現実です。

産業革命以来始まった全人類挙げての大パーティは、地球のキャパシティ問題で終わりを迎えつつあります。あくまでも利益とサイズを追求する資本主義と、限界のある地球との相性が悪いのは明らかです。

■地球もまた人口減が必要である
これを考える時、やはりこの地球も82億人の人口を維持することができず、人口減が必要であるという結論にたどり着くのではないでしょうか。
すなわち先ほどのイスラエル人が言う、産めよ増やせよ論法は、そもそも個別の国ごとの戦争には勝っても、地球との大きな意味での取引には人類全体で負けるということを意味していて。

単純にどちらが勇敢であるかというのを決めるチキンレースをしてるかのように見えます。

■人口減、無駄をなくすという選択肢
そういうような視点から見ると。

人口が少なくても社会システムを維持できているニュージーランドは、これからの世界が見習うべき姿の一つなのではないかと言う気がしてくるのです。

ここで、ゼロベースで物事を考えてみます。

本当に日本全国にこれだけの数の信号が必要なのか?

本当に500mごとにコンビニが必要なのか?

本当に公共事業が春先に必要なのか?

そこら中でビルを建て替えて、新しい街並みにするのが必要なのかどうか?

作ってはすぐに壊すだけの万博が必要なのかどうか?

山の中の誰も居ない所の林道と砂防ダムが必要なのかどうか?

地球を壊すまで走り続ける経済成長が必要なのかどうか?

日本はまだまだ人口が多くて無駄の多い社会だと思うんですよね。社会の色々なところに無駄がありますもの。人口が少なくなるにつれ、一つ一つ考え直し、社会の無駄を少なくしていく。

そういう作業が必要になってくるんであろうなと思うニュジーランド滞在でした。
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