至る所、神様だらけ!! 宗教と芸術が調和するバリ島の神様特集
つい先日、バリ島から帰ってまいりました。
世界で唯一つの素敵な場所だなと、しみじみ感じながら帰ってまいりました。
・そぞろ歩くと美しいガムランの幻想的な音色が聞こえ
・たくさんの神様が居て、まるで島全体が荘厳な寺院のようで
・神像たちは毎日花を飾られて大切にされていて
・バリ人のおうちに訪問すると、そこはおうちではなく、完全にお寺で
バリ島って本当に本当に特別な土地だよな。色々旅したけど、こんな土地、他にはないよな
■南の島で花開いたヒンドゥー教
バリ島があるインドネシアは国民の約9割、人口にして約2億4,000万人がイスラム教徒を信仰していて、世界最大のムスリム人口を擁する国です。国民の大半がイスラム教徒ではありますが、ヒンドゥー教、仏教、キリスト教など、他の宗教も存在しています。今回お世話になったバリ在住のあずささん曰く、
インドネシアでは宗教を変えることが出来るのよ。宗教を変えるには宗教局に行って届け出をしないといけないのよ
バリ島がとても不思議な場所だなと感じるのは、イスラム教徒ばかりのインドネシアにおいて、バリ島にだけヒンドゥー教が花開いていることでしょうか。
仏教がインドで生まれ、日本に渡来してきたように、バリ島のヒンドゥー教もまた、海のシルクロードを通じてインド亜大陸から多少の形を変えつつ、渡来してきました。4~5世紀頃にはジャワ島とバリ島間で盛んなやりとりがあり、その頃にジャワ島経由でヒンドゥー教がバリ島へ伝来したと言われています。
そしてインド本国のそれは、南国の風土で形を変え、バリ・ヒンドゥー教として根付いているのです。
■お寺かと思うバリ人のおうち
ティラキタ買付け班、北デンパサールのローカルな住宅地を訪問してきました。観光客はまずやってこない普通の住宅地です。行きすがらの道では、闘鶏用の鳥と遊んでいる人たちがいたりと、だいぶローカルな雰囲気♪
お目当てだったのはアルミ板をコンコンと手で叩いて作り上げるアルミ製品たちで、バリの祭礼用品として伝統的に作られているものです。オーナーによれば、曽祖父の世代から作り続けている、長く続く家業なのだそうです。
到着後、びっくりしたのはその建物でした。こちらの建物、どう見てもお寺ですよ!! しかも割と格式の高いお寺にしか見えません。でも…こちらが祭礼用品を作成されている方のお宅&工房なのでした。
ここってもともとはお寺だったんですか?
バリ人の家ってこんな感じが多いですよ。よくありますよ
自宅をこんなに飾ったら、お金かかって大変じゃないですか。てか…物凄いんですけれども…
そう言われてから、散歩しているときに建物や神様を探すようになりました。確かにバリには寺院かと思うような構えの建物がそこら中にあります。というか、ありすぎました!!
例えば…神様のお顔が5つもついている凄い門扉がありました。この家には泥棒は入らなそうです。
例えば…ちょっとおとなし目の装飾の中にガネーシャが鎮座しているガレージがありました。
例えば…屋根を見てみると、屋根もまた、きれいにデコレーションされていました。
■お祭り貧乏のバリ人も
バリの方々の中にもカーストがあって、身分の高い方は、やはり祭礼行事が多いのよ。でも身分が高いのと、お金持ちとはまた別の話で。身分の高い方々は、お金がないのに祭礼行事ばっかりで、お祭り貧乏になってるっていう場合も多いのですよ
これだけ家を豪華に飾り立てて、そして毎回毎回、お祭りをしてたら、それはお金なくなるだろうな。稼がなきゃお金はなくなるもんなぁ…
■人の数よりも多い神様の数
そんなお土地柄ですので、自然と神様の数は増え、人の数よりも多くなるのは当然のような気もします。神様たちは、手作りだと思うのですが、同じように見えて一柱一柱違うお姿をしています。どの神様も本当によくできていて。愛を持って丁寧に作られているなぁと感嘆するばかりです。まずは手始めにシンプルなところで外扉に飾られていた神様を紹介してみます。このレベルの神様は、もう、本当にどこにでもいます。
小道の入口や、お店の入口は必ず神様がいらっしゃいます。
こちらはホテルの玄関に飾られている神様で、毎朝一回、お花で飾られて、お祈りをしてもらっています。おじさんの耳に飾られているお花がキュートですね。手に持っているお盆の中には、お線香、お花、大きな葉っぱでできたお供え物が入っています。
お供え物は本当にいたるところで見かけます。道の真ん中に置かれていることもあり、「道の真ん中にも神様がいるのかしら?」と思ってしまいます。
こちらは色々見て歩いた中で、一番お気に入りのキュートなガルーダ像。かわいいな♪
そしてこちらは、てくてくと街歩きをしていたら出てきたその辺の寺院。その辺の寺院でもこの作りかぁ…
もうなんか、飾り立てられすぎて、神聖を通りこして、逆に怖いんですけれども!!!
買い付けの合間の建築物探索だったので、なかなか全然見きれてないのですが、ちょっと歩くだけで、こんなに素晴らしい建物と神様がわんさか出てくるバリ島。
改めてちゃんと予定を組んで、バリ島の建物と神様の探索だけに出かけたいなぁと思う今日この頃なのでした。