【コロナ後の海外輸入の裏事情】インドから荷物が4.7トンやってきた!
■物事は重なってやってくる
運って不思議なもので、運がいい時はいいことが重なり、運が悪いときは悪いことが重なるものです。昨日はとても運の悪い日で、新しく買ったパソコンは動かないわ、トラックを建物にぶつけるわと、事務所から締め出されるわと散々な一日でした。
これがティラキタ社屋にトラックをぶつけた傷跡。
昨年工事したばっかりだったのになぁ…トホホホ…
そして今、ティラキタは荷物の到着ラッシュです!!!
先週、ムンバイから2.6トンがやってきたのに続き、デリーとジャイプル、プシュカルから4.7トン、カトマンズからの700Kg、ペシャワールから100Kg、ハノイから500Kgと、荷物が続々とやってきて、一ヶ月内に受け取る荷物はなんと8トン以上!!
デリーからの4.7トンを積んだトラック、長すぎだよ!!
ティラキタになんとか入る大きさでした。
インドからの荷物は上品にパレットに積まれているわけではないので、手作業で荷物を出します。
全部で200個口の荷物をみんなで運び出したら、ティラキタの車庫が荷物でいっぱいになってしまいました。
3都市の荷物を一緒に送ってもらっているので、まずはどこから来た荷物なのか、仕分けをします。
布系など、湿気に弱いものは湿気の少ない4Fへ。
重くて湿気の影響を受けないステンレスの食器などは1Fへと振り分けます。
■コロナ後の海外輸入の裏事情
さて、今日はコロナ後の海外輸入の裏事情ということで、私達の普段の仕事である、輸入について書いてみたいと思います。ティラキタでは、インドの4都市デリー、ムンバイ、ジャイプル、プシュカルと、ネパール、タイ、インドネシア、ベトナム、パキスタンなど、アジアの様々な国々から、色々なものを輸入しています。
コロナ前は、3ヶ月に一回くらいの間隔で買付にでかけ、現地の取引先と会って、直接注文をしていたのですが、今はそれができません。
注文は全部ネット経由になりました。
以前は直接行かないと相手にもしてくれなかったズボラなジャイプル商人が、今では直接、一枚一枚写真を撮って送ってくれるようになったので、正直、楽になりました。いちいち、色々な都市を回り、話をしなくてもスマホで完結するようになったのですからいい時代です。
でも、やっぱり、直接行かないと、新しい人にも巡り会えないし、新しい知識も商品も手に入らないので、早くインドに行きたいなぁ…とは思っているのですが。
あと、信頼できる人をネットで見つけるのは、なかなか難しいですよね。
私達が取引先を探すときも、「どれだけの商品を持っているのか?」、「持っている商品はきれいか?」、「安定して仕事をしているか?」、「海外の取引先はどれくらいいそうか?」などなどを直感で感じながら、100社の中から1社…いや、1000社の中から1社くらいかなぁ…やっとこ新規の取引先が見つかる、と言う非常に高きハードルなのです。
オンラインで新規の取引先を見つけるのは本当に至難の業。
なので、私達にとって、コロナ前にどれだけの人と会っているかが生命線になっています。
今までの旅が、無形の財産になっている感じがします。
■高騰した運賃
コロナ前の輸入と、コロナ後と。一番変わったのは運賃です。
コロナ前はインドからの航空便が安かったので、デリーとムンバイからは航空便で運んでいました。航空便であれば発送した翌日には成田に到着しますので、ちょっと商品が切れてもすぐに送ってもらうことができました。
そ・れ・が!!!
忘れもしないコロナ2ヶ月後の2020年5月のことです。
2020年3月末からロックダウンになり、全ての物流が止まってしまいました。
飛行機が飛ばないことはもちろん、インドのみんなは家から出ることもできなくなりました。
2ヶ月ほどして、ロックダウンが多少解除になり。
既に注文してある2トンの荷物が発送できる状態になったのですが…
ねえドグラジー。そろそろ荷物出せるかな? うち、売る商品がなくなって本当に困っているのだけど…
あと、10日くらいしたら出せるよ。それはそうと、今、航空便が異常に高いの知ってるか?
え? どれくらい?
カーゴ屋さんに聞いてみないとわからないけど、今までの5倍位かな
5倍? えええええーーーーーー
どうする? 船便にするか?
いや、船便だと3-4ヶ月かかるでしょ? 今、すぐに商品がほしいから、航空便で送って欲しいんだけど…
航空便かぁ…カーゴ屋に聞いてみるよ
アツシジー。今回の送料は120万円だそうだ。いくらなんでも高すぎるな
ええええ!!! 120万円!!!!!!!
仕方ないので120万円払っても荷物を送ってもらうことにしました。
ドグラジー。120万でも仕方ない。送ってほしい。
アツシジー。正気か。気でも狂ったか。船便にしなさい。いくらなんでも高すぎる!!
いや、モノがなければ売ることもできないから…今は仕方ないんだ。送ってほしい
■すべての輸入は船便に
それから一年。ティラキタのすべての輸入は、ほぼ完全に船便になりました。
船便で送ってもらうということは、時間がかかることを意味します。
例えば、デリーから船便で送って貰う場合。
注文してから、商品が準備できるまでに約2ヶ月かかります。
各お店に注文して、お金を支払い、商品を受け取り、数を数え、検品して、ダンボールに詰めて、輸出用の外装にして、外装に全部住所と名前を書いて。
その後、原産地証明書や、インボイス、パッキングリストなどを準備して、インド側の通関業務にかかります。
デリーで輸出通関業務を済ませるのに2週間くらいかかるでしょうか。
こちらがインドからの原産地証明書です。こんな感じの書類を毎回準備してもらいます。
私達の荷物はデリーで、コンテナに入れられます。コンテナは鉄道でムンバイのコンテナポートに送られ、シンガポール行きの船を待ちます。ここでまた2週間位かかります。
ちなみにインド国有鉄道ではコンテナ二段積みの列車も走らせているみたいですね。
インドから日本への直行便はほぼ存在しないので、インドからの荷物は一旦シンガポールまで送られ、シンガポールで船を乗り換えて日本にやってきます。ムンバイからシンガポールまで約一週間。
シンガポールでちょうど横浜行きの船があればいいのですが、ない場合は船を待ちます。
シンガポールのコンテナポートは世界有数の規模と効率性なんだそうですが、これだけの数のコンテナが行き先を間違えずに積まれるなんて奇跡的…
ネットが発達して世の中が便利になり。
今、自分たちの荷物が乗っている船がどこにいるのかリアルタイムで追跡できるようになりました。
marinetrafficと言うサイトで、船を追跡できます。
この様に、船の現在地、どこからどこに向かっているのか、どれくらいの速度で航行しているのかなどが一目瞭然です。
シンガポールから横浜への直行便に乗れればいいのですが、しばしば、非常に遅い各駅停車みたいなコンテナ船に当たることがあります。
船をよくよく観察していると…シンガポールから深センに寄り、上海に寄り、そして釜山に寄って…横浜にはいつやってくるの??? と言うローカルバスみたいなコンテナ船もあって。こう言うのに乗っていると、本当に荷物がやってこないんですよね。ムンバイから2ヶ月以上、下手すると3ヶ月位かかります。
その結果、、商品の注文から到着まで半年位かかるので、今は半年後の様子を考えながら、日々、注文を入れたりしている感じでしょうか。
半年後のことを考えなから注文するので、どうしても注文量は多くなりがちで。
それで、昨日の4.7トンの荷物とかになっちゃう感じなんです。
でも、計算してみると、コロナ前よりもインドからの送料は圧倒的に安くなっているんですよね。それもあって、インドでのインフレがあっても、今までと変わらないお値段で商品を提供できているので、これは怪我の功名というものであろうと、思っていたりします。
■それでもたまに航空便が
それでもたまに航空便を使わざるを得ないときもありますね。少量でも、モノが欲しいときってありますもの。
サンプル的に輸入したいときとか。
一品目しか欲しくない時とか。
最近で言えば、パキスタンのペシャワールから少量の荷物を送ってもらう時なんかがそれに当たります。
カリフォルニアからホワイトセージを送ってもらう時もそうですね。
仕方ないので、渋々使うのですが…商品の値段よりも送料のほうが高いなんて言う場合もあって。
つい先日もUPSで4箱送ってもらったら、送料が800US$もしました。
送料高いよなぁ…なんて思いつつも。
新しい商品が欲しいので仕方ありません。
はやくコロナがあけて、自由な行き来が出来るようになりますように。
航空便の送料が安くなりますように。
飲み薬もできてきたらしいのであとちょっとですかね。
その日を楽しみにしつつ、今は、やってきた大量の商品たちと格闘する。
そんな日々を送っています。