最近インドで流行るもの – 巡礼旅行ヤトラ
その昔からインド人はガンジス川のほとりで死に、火葬してもらい、ガンジス川にその灰を流してもらう事を人生の最終的な夢としてきました。死が近づいたら自分の力か、自分の力で動けないものは親族の手によってガンジス川のほとりの聖地へと運ばれ、死を迎えました。
今でもヒンドゥー教の聖地ヴァラナシには「死を迎えるものの家」があり、この世の生をガンガーのほとりで全うしようとする人達の場所になっています。死んだ後に、ガンガーの横で火葬されると、輪廻の輪から抜けだせ、解脱に至るのだそうですから、彼らにとっては人生と次の生をかけた真剣な行いなのです。
そこまで真剣でないにしろ、インド人は生きているうちにいろいろな聖地に行って、善い行いを積み重ねたいという希望を持っています。インドは広く、至る所に聖地があります。ガンジス河沿いだけでも、源流のガンゴートリーからはじまり、ゴームク、ハリドワール、リシュケシュ、ヴァラナシ、そしてガンジス川の河口のガンガーサガールまで。私たちが名前を知っている大きな聖地だけでこれだけあるのですから、小さな聖地やお寺をあわせるとインド中の生地の数は何十万箇所にものぼるのでしょう。
飛行機や車がなかったその昔は、一つの聖地に行くにも数カ月がかりで、一生の間に数カ所あこがれの聖地に行ければ幸せという感じでした。しかし、ここ最近の経済発展で余裕のある人々が増え、それを目当てにいわゆるヤトラと呼ばれるインド聖地観光ツアーが人気になってきました。
バラナシなどの有名な観光地は普通に電車で行けますので、ヤトラの行き先はガンジス川の源流ゴームクやバドリナートなどの、ヒマラヤの中にある行きづらい場所がほとんど。大きな観光バスに揺られ、子どもと一緒に巡礼地を目指す姿がここ最近の普通のインド人のトレンドになっているのです。
ヤトラの目的地になる巡礼地も、その環境の厳しさから夏のある一定期間しか訪れることの出来ない場所もあります。6月29日から参拝可能になったシュリー・アマルナート・ジー・ヤトラがその一つ。
デリーに住んでいるインド人にとってはジャンムーに行くだけで大旅行なのに、そこからまた363Kmも移動するなんて、正気の沙汰とは思えません。そんな遠いところなのに、巡礼可能な6月29日から8月13日の間に50万人以上の人が訪れるのだそう。
さて、今までの話を純粋な巡礼としてみると「インド人は凄い!」、「インド人は敬虔!」という話になりますが…ちょっと視点を変えて観光という目で見たらどうでしょうか?
夏場の一時期しか開かない特別な場所があったら、みんな喜んで観光に行きますよね。また、海辺とか、河口とか、ヒマラヤとか、やっぱり色々な綺麗な所があったら行ってみたいですよね。人間、日常を一瞬でも忘れて色々な所に旅行してみたいものです。
でも、旅行したいと思っても行けないのが悲しい現実。普通の旅行だと休みが取れないし…どうしよう? そんな時の言い訳としてちょうどいいのがヤトラ=巡礼旅行なのでしょう。
「明日会社に行きたくないなぁ…じゃあ、ヤトラって言おう!」
「来週から熱くなりそうだから避暑に行きたいなぁ…そんな時はヤトラだ!」
「ちょっと疲れたから休みたい…ヤトラに行こう!」
なーーんて。
ちょっと思っちゃったりしません?
宗教に対しては真面目な人が多いインド人の事、ここまでいい加減ではないかもしれませんが、でも、心の中の20%位はこう思っているのでは?なんて邪推したくなります。
インドパパも、これから暑くなる日本を離れて遠いインドの聖地へ行ってみようかなぁ…なんて思う今日このごろ。言い訳はもちろん「ヤトラだから! 行かないといけないんだよ。」ですね。
今でもヒンドゥー教の聖地ヴァラナシには「死を迎えるものの家」があり、この世の生をガンガーのほとりで全うしようとする人達の場所になっています。死んだ後に、ガンガーの横で火葬されると、輪廻の輪から抜けだせ、解脱に至るのだそうですから、彼らにとっては人生と次の生をかけた真剣な行いなのです。
そこまで真剣でないにしろ、インド人は生きているうちにいろいろな聖地に行って、善い行いを積み重ねたいという希望を持っています。インドは広く、至る所に聖地があります。ガンジス河沿いだけでも、源流のガンゴートリーからはじまり、ゴームク、ハリドワール、リシュケシュ、ヴァラナシ、そしてガンジス川の河口のガンガーサガールまで。私たちが名前を知っている大きな聖地だけでこれだけあるのですから、小さな聖地やお寺をあわせるとインド中の生地の数は何十万箇所にものぼるのでしょう。
飛行機や車がなかったその昔は、一つの聖地に行くにも数カ月がかりで、一生の間に数カ所あこがれの聖地に行ければ幸せという感じでした。しかし、ここ最近の経済発展で余裕のある人々が増え、それを目当てにいわゆるヤトラと呼ばれるインド聖地観光ツアーが人気になってきました。
バラナシなどの有名な観光地は普通に電車で行けますので、ヤトラの行き先はガンジス川の源流ゴームクやバドリナートなどの、ヒマラヤの中にある行きづらい場所がほとんど。大きな観光バスに揺られ、子どもと一緒に巡礼地を目指す姿がここ最近の普通のインド人のトレンドになっているのです。
ヤトラの目的地になる巡礼地も、その環境の厳しさから夏のある一定期間しか訪れることの出来ない場所もあります。6月29日から参拝可能になったシュリー・アマルナート・ジー・ヤトラがその一つ。
シュリー・アマルナート・ジー・ヤトラはパキスタンとの国境紛争で知られるジャンムー・カシミール州の山の中にある聖地で、最寄りの電車の駅がある州都ジャンムーから車で363Km、歩いて14km、標高3888mの場所にある、聖地の中の聖地です。雪渓を抜け、たどり着いた洞窟の中にある氷の柱が、ヒンドゥー教の聖なるシンボル、シヴァリンガムと見立てられています。
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さて、今までの話を純粋な巡礼としてみると「インド人は凄い!」、「インド人は敬虔!」という話になりますが…ちょっと視点を変えて観光という目で見たらどうでしょうか?
夏場の一時期しか開かない特別な場所があったら、みんな喜んで観光に行きますよね。また、海辺とか、河口とか、ヒマラヤとか、やっぱり色々な綺麗な所があったら行ってみたいですよね。人間、日常を一瞬でも忘れて色々な所に旅行してみたいものです。
でも、旅行したいと思っても行けないのが悲しい現実。普通の旅行だと休みが取れないし…どうしよう? そんな時の言い訳としてちょうどいいのがヤトラ=巡礼旅行なのでしょう。
「明日会社に行きたくないなぁ…じゃあ、ヤトラって言おう!」
「来週から熱くなりそうだから避暑に行きたいなぁ…そんな時はヤトラだ!」
「ちょっと疲れたから休みたい…ヤトラに行こう!」
なーーんて。
ちょっと思っちゃったりしません?
宗教に対しては真面目な人が多いインド人の事、ここまでいい加減ではないかもしれませんが、でも、心の中の20%位はこう思っているのでは?なんて邪推したくなります。
インドパパも、これから暑くなる日本を離れて遠いインドの聖地へ行ってみようかなぁ…なんて思う今日このごろ。言い訳はもちろん「ヤトラだから! 行かないといけないんだよ。」ですね。