インドではビルが夜に倒れる!?
バラナシでシタールを勉強していた頃の話です。シタールを勉強しつつ、暇も持て余していた僕は久美子ハウスの1Fのロビーでオーナーの久美子さんと一緒にやってくる旅行者を眺めていました。
バラナシの久美子ハウスといえば、1970年代から多くの日本人旅行者が泊まり、みんながお世話になった日本人宿の発祥地のような特別な宿です。1Fは久美子さんち家族が住み、2Fは個室が5部屋、3Fは旅行者詰め放題の相部屋(ドミトリー)、そして屋上からはガンガーがよく見えました。
2Fは普通の宿なのですが、3Fのドミトリーにはいつも色々な旅行者が沈没していました。朝から晩までぼーっとしていたり、次の移動の相棒を探したり、日がな一日中本を読んだりと各自思い思いのインドでの一日を過ごしていたわけです。
インドに入って右も左もわからない旅行者はとりあえず久美子ハウスに逃げ込んだものでした。
「下痢が何週間も治らないんです」
「寒気がします」
「インド人に騙されました」
「列車のチケットはどこで買えばいいんですか」
「インド人に食事に誘われたんですけど、行ってもいいですか」
「睡眠薬を飲まされました」
とにかく、ありとあらゆる質問が久美子さんに投げかけられ、久美子さんはいつも笑顔で「インドではねぇ」と、応対していたものでした。
そんなある夜のことです。屋上でみんなと一緒に談笑していると遠くから「ドドドドドォォォ」と言う重低音が聞こえてきました。「何、この音?」「地震が来る?」と、みんな不安そうです。
音は10秒くらいして止み、それっきり聞こえなくなりました。遠くの方からは祈りの鐘の音が響いてくるだけで、特に変な音はしません。耳を澄ますと、野犬がガンガーの脇で吠えているのも聞こえてきます。
「なんだったんだろう? あの音。」と言いながらも、話は別の話題に移り、その夜、そんなことがあったのもすっかり忘れてしまいました。
そして、次の日。1Fでいつもの様に久美子さんと談笑していたら、一人の旅行者が帰って来ました。
旅行者「なんか、建物が倒れたって」
パパ 「え? どっかで崩れたの?」
旅行者「昨日の夜、3F建ての建物が倒れたんだって。」
パパ 「えーーー」
とみんなが驚いていたら、久美子さんが
「そんなのは結構しばしばあるのよ。雨季明けとかに壊れるの。倒れる前に危なそうな感じになるから、そう言う家からは逃げ出しているのよ」
と、あたかも何事もなかったのように説明してくれたのです。
それから10数年もたち、経済成長もしたし、流石にインドでもそんな事はなくなっただろう…と思ったら、つい先日デリーでビルが崩壊し、66人が生き埋めになったって言うニュースがやってきました。
倒壊したビルは今年のモンスーンの大雨で基礎がゆるみ、倒壊してしまったと言われていますが、オーナーが勝手に建て増ししたのが結果として倒壊につながったとの見方もあるそうです。
インドに旅行にいくと結構古いビルが建っていますが、あまりにも古いビルには極力近づかないほうがいいかもしれませんね。
え?そんなこと出来ないって? 古いビルだらけだって?
たしかにそう思います。
バラナシの久美子ハウスといえば、1970年代から多くの日本人旅行者が泊まり、みんながお世話になった日本人宿の発祥地のような特別な宿です。1Fは久美子さんち家族が住み、2Fは個室が5部屋、3Fは旅行者詰め放題の相部屋(ドミトリー)、そして屋上からはガンガーがよく見えました。
2Fは普通の宿なのですが、3Fのドミトリーにはいつも色々な旅行者が沈没していました。朝から晩までぼーっとしていたり、次の移動の相棒を探したり、日がな一日中本を読んだりと各自思い思いのインドでの一日を過ごしていたわけです。
インドに入って右も左もわからない旅行者はとりあえず久美子ハウスに逃げ込んだものでした。
「下痢が何週間も治らないんです」
「寒気がします」
「インド人に騙されました」
「列車のチケットはどこで買えばいいんですか」
「インド人に食事に誘われたんですけど、行ってもいいですか」
「睡眠薬を飲まされました」
とにかく、ありとあらゆる質問が久美子さんに投げかけられ、久美子さんはいつも笑顔で「インドではねぇ」と、応対していたものでした。
そんなある夜のことです。屋上でみんなと一緒に談笑していると遠くから「ドドドドドォォォ」と言う重低音が聞こえてきました。「何、この音?」「地震が来る?」と、みんな不安そうです。
音は10秒くらいして止み、それっきり聞こえなくなりました。遠くの方からは祈りの鐘の音が響いてくるだけで、特に変な音はしません。耳を澄ますと、野犬がガンガーの脇で吠えているのも聞こえてきます。
「なんだったんだろう? あの音。」と言いながらも、話は別の話題に移り、その夜、そんなことがあったのもすっかり忘れてしまいました。
そして、次の日。1Fでいつもの様に久美子さんと談笑していたら、一人の旅行者が帰って来ました。
旅行者「なんか、建物が倒れたって」
パパ 「え? どっかで崩れたの?」
旅行者「昨日の夜、3F建ての建物が倒れたんだって。」
パパ 「えーーー」
とみんなが驚いていたら、久美子さんが
「そんなのは結構しばしばあるのよ。雨季明けとかに壊れるの。倒れる前に危なそうな感じになるから、そう言う家からは逃げ出しているのよ」
と、あたかも何事もなかったのように説明してくれたのです。
それから10数年もたち、経済成長もしたし、流石にインドでもそんな事はなくなっただろう…と思ったら、つい先日デリーでビルが崩壊し、66人が生き埋めになったって言うニュースがやってきました。
倒壊したビルは今年のモンスーンの大雨で基礎がゆるみ、倒壊してしまったと言われていますが、オーナーが勝手に建て増ししたのが結果として倒壊につながったとの見方もあるそうです。
インドに旅行にいくと結構古いビルが建っていますが、あまりにも古いビルには極力近づかないほうがいいかもしれませんね。
え?そんなこと出来ないって? 古いビルだらけだって?
たしかにそう思います。
インド…私にとってはまだ未知なるお国ですが、ブログを拝見させていただいたことで、すごく、勉強になりました。私も来年2月にチェンナイに初めていきます。一人旅に近しな状況です。英語もタミル語も話せません不安です。でもとても素晴らしい国だと現地の方からお聞きし、インドへ旅立つ決意をしました(^-^)色々勉強させていただきに行ってきます。またブログ拝見させていただきます(^-^)オーナーさんのブログ面白くて時々笑ってしまいます(^-^)面白い方だなぁと。まだインドにいらっしゃる頃なのでしょうね。気をつけてご帰国されてくださいませ(^-^)
冨田さん
こんにちは!
インドパパことティラキタの梅原です
一昨日、帰国してきました。
ブログを読んでいると、インドの変なところ、面白いところだけ抽出しているので「大変な国なのかも」なんて感じるのではないかと思いますが、実はインドは人が優しい国です。
騙す人、変な人ももちろん沢山いますが、信頼できる人も多い素敵な国です。
ぜひ気をつけながら楽しんできてくださいね。