成功する。とは続けること ムンバイのヒーラルちゃんが言った あなたの人生を変える素敵な言葉



今回のブログでは、ティラキタ買付班の人生を変えた、インドで教えてもらった大切な3つの言葉を紹介したいと思います。

そして、もしかしたら、この言葉は読んでくださっている、あなたの人生もちょっと変えるかもしれません。

■成功するとは続けること
2003年頃の話でしょうか。ムンバイを訪問し、新しく取引を始めた、チャンドラカントさんの事務所でのことです。

今のムンバイは高層ビルが立ち並ぶ大都会ですが、その頃のムンバイには、まだまだ古い年代物の建築物が残されていました。鉄格子の窓から見える階段はコンクリートが割れて鉄骨がむき出しになり、心なしか階段の形が変形していました。

コンクリートの肌が風化してざらざらとしている、今にも壊れそうな建物の中に、チャンドラカントさんの小さなオフィスがありました。

建ってから何年経過しているのだろう。 こんなボロボロのところに居て大丈夫なのだろうか?

と心のどこかで思ってはいましたが、他に一緒に仕事をしてくれる人のコネもないので、選択肢はありません。そこで一緒に仕事の話をするしかありません。グジャラート出身の親父さんの丸顔がとにかくいい人そうで、顔を見るだけでホッとする感じだったのが、この人と仕事して大丈夫だろうと思う決め手でした。

インドでは、いい人はいい人の顔をしているし、悪い人は悪い人の顔をしています。騙す人はやっぱり騙す人の顔をしています。インドって、とてもわかりやすい国です。

そして、眼の前のパソコンの前に座っていたのが娘のヒーラルちゃんでした。どことなく、大人びた雰囲気を纏ってはいましたが、まだ10代だったかと思います。仕事はしているけど、どちらかというと、親父さんのオフィスに遊びに来ているような、そんな雰囲気でした。

ねえねえ、成功って英語でどう言うか知ってる?

え? 成功?? もちろんだよ。Successでしょ?

そうね。Successよね。それで、あなたは成功したい?

もちろんだよ。インドが好きだし、インドのことを伝える仕事を成功させたいよ

そしたら、Succcessの意味って知ってる?

成功でしょ?

じゃあ、Successionは?

継承するとかかな

わかった?

え? 何が?

Successと、Successionは、元々の語義は同じよね?

うん。だから??

Successっていう言葉は成功するだけど、言葉の中には続けるっていう意味が含まれているのよ。継承するってことは、長く続けるってことでしょ? すなわち、長く続けることこそが成功するっていうことなのよ。成功するとは続けることなのよ

え!!! そう言うこと???

そう、そう言うことよ! Success means continueなのよ!

言われてみれば確かに!!!!!!!!

Successという言葉に含まれた、目からウロコの言葉の意味を知ったその日から。チャンドラカント一家との取引を続けてきて、かれこれ20何年になります。残念ながら親父さんは2011年頃に亡くなっちゃったのだけど、ヒーラルちゃんと、その姉のネハちゃんが引き継いで、ビジネス関係は連綿と続いています。

ティラキタが成功しているかと言われたら、わかりません。
人数13人の吹けば飛ぶような中小企業です。
在庫は増える一方で減りません。
でも20年以上、このお仕事で生きてきました。

会社ってなかなか存続するのが難しいものです。起業して10年続く会社は全体の1割、20年続く会社は全体の3%と聞きます。そう考えたら、いくら小さくても、成功していると言えるのかもなぁ…とも思います。

日本で成功するって言うと、お金がたくさん儲かるとか、会社が大きくなるとか、一部上場するとか言ったイメージを持つと思うのですが、彼女が設営してくれた、英語の語義で言っている成功は、そう言うことではないのでした。

語義的には、一時的にお金が儲かっても、それを成功とは言わないのだと。確かに、一時的に凄く良くても、数年して倒産したり、お金を使い切ってまた貧乏になったら、成功とは言いませんよね。

成功するって、諦めず、たゆまず、ただ続けることなんだって Successっていう言葉がそう言っているじゃないかと

と思うのです。

続けていれば、人間なんだって上手になります。
最初は誰でも初心者ですけれども、やっているうちに、誰でも上手になります。

もちろん、向いているいないはありますけど。それでも、続けられれば、必ずそれが才能になります。1万時間も同じことをやり続けていたら、誰でもプロになれます。

続いているということは、すなわち、それで飯を食えているということです。
それが成功であると。

あまりにもその言葉が心に響いたので、20年経過した今も、彼女の言葉は心のなかにあります。

ヒーラルちゃんは、その後、結婚し、子どもを生み、素敵な大人の女性になりました。
そして、ヒーラルちゃん、ネハちゃんとの付き合いはまだまだ続いています。

成功する事は続けることよ

彼女の言葉が、ずっとずっと、お互いの人生を支え続けてきたのだなとしみじみ思うのです。

■握手は相手がないと、できないじゃないか
上の話から時は過ぎて2007年頃のことでしょうか。
親父さんがまだ健在だった頃のことです。

日本でも、そして異国のインドであれば尚更、適切なパートナーを見つけ、関係を繋いでいくのは難しいことです。どんな人がパートナーにふさわしいのかわかりませんし、街を歩いて探してもいい人は見つかりませ。他人が作った大きな針山の中から、一本の爪楊枝を探すようなものです。

なので、チャンドラカントさんが安定したパートナーになってくれたとき。心からホッとしたのを思い出します。とてもありがたくて、言葉でもその気持ちを伝えたいと思いました。

チャンドラカントさん、うちと付き合ってくれて本当にありがとう

と、心からの感謝を表明したときのこと。

彼は、クールに

握手は相手がないと、できないじゃないか

と言ったのです。

いや、まぁ。確かに… そうだけど!!

そして、彼は手を握ってきて。握手しながら、満面の笑みで

ほら! こういうことだよ!!

と言ったのです。かわいい、まん丸の顔がくしゃっと笑って、その中に信頼できるしっかりとした意志を持った目が光っていました。握手って、商売って、人付き合いって、確かに相手が居ないとできないことです。その、あたり前のことに気付かされた言葉でした。

その後、デリーの取引先に、聞いたことがあります。

ねえねえ、うちみたいな海外の取引先ってどうやって見つけるの?

It's very difficult. Alomost Impossible

そっか。あの時のチャンドラカントさんは、きっと、僕と同じことを思っていたのだな。と、時が過ぎて思い返したのです。



■You Travel More, You Get More
2010年頃にチャンドラカントさんと一緒にアーメダバード近郊のホテルに泊まっていた時の事です。彼の故郷のグジャラートはインド有数の布の産地なので、2人で特産品の布を探しにきました。

グジャラートが布の産地とは言うけど…なかなか見つからないものだな

一日かけてアーメダバードの街をチャンドラカントさんとウロウロしましたが、日本で買ってもらえなそうな布がさっぱり見つかりません。午前はこっちのマーケット、午後はあっちのマーケットと、マーケットをウロウロしますが、どこにも素敵な商品がありません。

インドに行って足で探しても、なかなか素敵な商品って現れないものです。よく考えれば当然のことではありますが、インドにあるモノはインド人が好きなテイストのモノばかりで、私達日本人が好きなモノとは違います。インドに行けば、日本のお店にあるような素敵なインド物に出会えると思って行っても、全く見つかりません。



チャンドラカントさんはとてもいい人で、一生懸命探してくれましたが、インド人と日本人、感性が全く異なります。彼は彼が良いと思うものを勧めてきてくれますが、どれも日本で売れそうな気がしません。

チャンドラカントさん、ここじゃないよ。ここにはないよ

成果が何もなしで宿に戻って。お互い風呂に入ることにしました。せっかくアーメダバードまでやってきたのに、全く成果がなく、ただ疲れるだけの一日でした。

ねえ、明日ムンバイに帰ろうよ

と、提案した時。彼がゆっくりと口を開きました。

You travel more, You get more.

それは?

これは、より多く旅するとより多くのものを得るというグジャラートの諺さ

Travel More,Get Moreかぁ…。そしたら、明日一日だけ、もう一回、アーメダバードを歩いてみる?

そうしよう

次の日のアーメダバードで、延々とお店を訪問して歩き、なんとか売れそうな絞りの布を見つけ、とりあえずムンバイに帰りました。

その後、アーメダバードだけでなく、様々な土地を訪ね歩くことになります。インドだけでなく、知らない土地があれば訪ねていきました。そして、今のティラキタの品揃えがあります。

あの日、あの晩に彼が言ったTravel More,Get Moreは、わたしたちにとっては、本当にその通りの言葉でした。旅すれば旅しただけ、新しい土地、新しい知識、新しい人々に出会い、新しい商品が増えていったのです。



■いい言葉をはいい人生を作る
インドに長らく通い続け、そしてインドの方々と長らくお付き合いをしてきたのですが、ふとした瞬間に彼らの口から出てくる、真実をついた言葉に助けられ、人生をガイドされてきたと感じます。

インドの人たちって、いいコト言うんだよなぁ…

と今までのインド人生を思い返してしみじみと思うのです。

宗教が好きだからなのでしょうか、それとも哲学的だからなのでしょうか。はたまた、考えが深いのでしょうか。その理由は知りませんが、時と経験に裏打ちされた、なにかがあるのを感じます。

日本語だと、いい言葉を知っていたとしても、それを適切なタイミングで口に出すってできないもの。また、実際に口に出したとしても、どうもクサい言葉になりがちですよね。

意識的に、ちょっと恥ずかしくても、ポジティブな言葉を言うようにしているのですが、

パパってさ、異常にポジティブだよね。 なんかおかしくない? 恥ずかしくない?

と、息子に言われ、Z世代の方々は、そんな事は言わないのかと思わされたりしたものです。

でも、いい言葉は言ったその人はもちろん、その言葉を受け取った相手の人生を変えるだけの力を持つのだと実体験から感じるのです。言葉には言霊があるって言いますが、まさにその通りだよなぁ…と、心から思うのですよ。




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