24時間365日休みなく祈り続けるヒンドゥー教徒たちの魔法の道具が輸入できない
■ヒンドゥー教徒たちの魔法の道具マントラマシーン
ティラキタではインドのおもしろい物をいつも探し続けています。インド人は大真面目で作っているけど、日本人的な視点で見ると「これはありえない…」て思える感じのものが割と好きです。インドと日本の文化の違いを、多少の笑いとともに感じられるものが好みですね。
今回は、そんなおもしろ道具として「マントラマシーン」が出現してきました。
マントラマシーンって言われても何のことかわからないと思いますが。
インド人の間では、一家に一台あったらいいよね、って言う位の人気アイテム(ティラキタ調べ)
まずは、マントラマシーンがどういう物か見てみましょう。
こちらです!!!
■延々とマントラを流し続ける魔法の機械
Youtube見ました?欲しいでしょ? 欲しくなったでしょ?
正直、ティラキタ買付班はめっちゃ欲しいですよ!!!
コンセントを壁に挿して、電源ボタンをぐいっと押すと、ヒンドゥー教のお経であるマントラを電気がなくなるまで(コンセントだからなくならないけど!)延々と流してくれる機械ですもん。インド臭が凄い勢いで押し寄せて来ますもん。自宅に一台、そしてティラキタの商品としてすごい欲しいです!! Youtube見てるだけでワクワクします。
マントラは簡単に言うとヒンドゥー教のお経と翻訳すればいいのだと思いますが。祈りでもあり、讃歌でもあり。呪文でもありますね。ちなみに日本の真言宗の南無阿弥陀仏もマントラに当たります。
マントラとはヒンドゥー教徒の方々にとってはとてもありがたいものです。例えば最高のマントラと呼ばれるガヤトリーマントラは、唱えるだけで、過去生のカルマを濯ぐ事ができ、最も御利益があるものとして神聖視されています。YoutubeでGayatri Mantaなどのキーワードで検索するといっぱい出てきますね。
それを電気の力で24時間延々と流せるようになった、最高にありがたいマシンがマントラマシン!!
コンセントを挿して、スイッチを入れるだけで、自動的に過去生のカルマは灌がれまくって。
ご利益が延々とやってくることになるわけです。
インドのテクノロジー凄え!!!
■僕らもマントラマシンが欲しい
そんなマントラマシン。ティラキタでももちろん扱いたいに決まってます!!超前向きに欲しい。
ヒンドゥー教徒にとってはありがたい、でも、僕らにとっては延々と意味の分からない呪文を24時間流してくれる素敵な機械。
今すぐにでも欲しいなぁ…
で・も・ね……………
実は、この商品を輸入するには法律の壁が存在します。
日本で電気製品を売るにはPSEと呼ばれる電気用品安全法に準拠しなければいけません。
PSE法は、電気製品から出火して自宅が全焼などという事故を防ぐための法律なのですが。
法律的な観点から見ると、このマントラマシーンは輸入できても販売できないんですよね…
インド人は日本の電気安全法を考えてはモノを作ってくれませんからね。
面白いものを輸入したいのはやまやまですが、何かあってからでは遅いですし。
仕方ありません。
■マントラマシーンの電池版は存在しないのか?
でも、コンセントが駄目でも、電池だったらOKのはず。ということで、電池で動くマントラマシーンを長いこと探しているのですが、なぜかインドで発見できません。
インドで見かけるマントラマシーンは全部コンセント仕様です。
なぜ電池式のマントラマシーンは存在しないのか…
ある日、ムンバイに在住のマントラマシーン販売員に聞いてみることにしました。
「ねえねえ、あのね。このマントラマシーンの電池版ってないの? 日本は100Vだし、電池式のほうが色々と都合がいいんだけど」
「電池だったら1時間位で止まっちゃうじゃないか。マントラが止まったら、ご利益も止まることになるから、インドには電池式のはないんだよ」
「え?ちょっと待って!! じゃあ、24時間流しっぱなしにしてるの?」
「もちろんだよ。24時間流しっぱなしにするからこそのマントラマシーンなんだよ」
「ずっと鳴ってたらうるさいって思わないの?」
「ありがたいマントラなんだから、うるさいなんてことはない。起きたときでも、寝るときでも、寝ている間でも。鳴り続けていなければいけないのだ」
「寝られないじゃん。」
「ありがたいマントラだから大丈夫だ!」
「電気代もったいないよ」
「ご利益がそれを上回るから大丈夫だ!!」
「これ、売れてるの?」
「インド人はみんな宗教大好きだからな。もちろんさ!!」
正直、僕らの目から見たら…最初は面白いけど。
延々と鳴り続ける小箱なんて…「ごめん!!それ今すぐ消して!!音量落として!」って言いたくなると思います。
でも、インド人は逆に延々と流し続けたいために購入するという…。
インド人と日本人。
いくらスマホで毎日連絡を取れるようになったとしても、ジェット機で8時間飛べば会えるようになっても、絶対にわかり合えない何かってあるよなぁ…とインド雑貨屋さん22年目にして深く深く感じるのです。