1日4万円が溶けてゆく 世界情勢に翻弄される輸入通関のワナ



こんにちは。 ティラキタ🐪です。
今回のブログは、みんなが大好きな海外からの輸入トラブルのお話を書かせて頂きました。

ティラキタブログでは、いつも色々な記事を書かせていただいているのですが、やっぱりトラブルの話がとても大人気。人の困った話はいつでも面白いですもんね。

緊迫する現代の国際情勢の影響を受けた、てんこ盛りの輸入トラブルのお話をお伝えしたいと思います!

■今回のムンバイからの荷物は3トン

今回のムンバイからの荷物は3トンありました。3トンって言うと、結構な物量ですので、航空便にしようか、それともLCLと呼ばれる海上混載輸送にしようか悩むところであります。

荷物が12立方メートル以上、大体4~5トンを超えてくるとコンテナが一番有利なので、20ft(7m)コンテナ一択なんですが、なかなかコンテナ1本分の荷物が纏まらないないので、次の候補は航空便か海上混載輸送になります。


■航空便のメリット・デメリット
航空便のメリットはなんといっても早いこと。ムンバイを夜に出たら、次の日の朝には日本に到着します。

どの仕事でもそうですが、お仕事の基本は「お金を1年に何回回転させるか」なので、とにかくできるだけ商品が早く日本に到着した方がいいに決まってます。100円のお金を月に一度使って商売をしたら一年に1200円使えるという、とても簡単な話です。多くの人達は、基本的にこの論理でお仕事していますよね。

航空便のデメリットはやはり送料が高いことです。同時に、国際空港での通関の時間がとてもタイトなことでしょうか。
航空便の料金は、フォワーダーと呼ばれる配送業者の力や、出してくる地域によるのでなんとも言えませんが、一般的には海上混載輸送(LCL)の2倍から3倍ぐらいします。

そして国際空港の通関の時間がとてもタイトなことについてなんですが、実際には時間について特にタイムリミットはありません。
しかし、国際空港の保税地域の蔵置料(保管料)が非常に高いことから、とにかくスピーディに通関しないと、コストがどんどんかかってお金が溶けていくのです。


■海上混載輸送(LCL)のメリット・デメリット
海上混載輸送(LCL)についても、ここで説明しておきます。
LCL(Less Than Container Load)とは、海上輸送においてコンテナ1本分に満たない小口貨物を、複数の荷主の荷物と混載して運ぶ輸送形態です。イメージとしては、コンテナの中に色々な人の荷物が一緒に入るイメージでしょうか。

コンテナ1本を借り切るFCL(Full Container Load)に比べ、少ない貨物量でもコンテナスペース分の費用のみで輸送できるため、コスト削減に有効と一般的に言われていますが、実際には日本国内での「船社費用」と呼ばれる費用が相当かかるため、あんまりお得ではない印象です。

インドからの送料が5万円の時に、船社費用が15万円かかってひっくり返りそうになったこともありました。 現地の人たちはそのカラクリを知らないので、

LCLってとっても安いでしょ?

と言いますが、 いやいや、LCLはTHC(コンテナ取扱料金)とか、YAS(円高損失補填料金)、FAF(燃料油価格)、LSS(低硫黄燃料追加料金)、AFR(出港前報告制度手数料)っていう代金がかかってくるから、そんなに安くないんだよ ちなみにこちらがバンコクからやってきた実際のLCLでかかった費用なのですが。船賃が12万円にもかかわらず、合計代金が47万円になっています

■今回は航空便をチョイス
ムンバイからの場合、航空便だと1泊2日。長くても2泊3日で届くのに対し、船だと20日から45日ぐらいかかります。また航空便では可燃物が運べないので、お香は船でなければなりません。

料金と、そんな事情をいろいろ考えつつ、コンテナにするか、海上混載輸送にするか、それとも航空便にするかを上手に使い分けて輸入しています。

ねえ、ネハちゃん。今回荷物3トンなんだけど、何で発送しようか?

今回ね、ちょっといろいろ事情があって、航空便で発送できないかしら?

え? 航空便だと…今回3トンでしょ? 普通にLCLで送った場合と比べると、20〜30万円ぐらい高くなるから、俺としてはLCLがいいんだけど…

実はね、私今引っ越しを控えてて。会社の登記の問題とかもあったりして。ちょっといろいろな事情があって…できるだけ早く荷物を出したいので、今回は航空便でお願いできないかしら。そう思って、すでにフォワーダーに連絡しちゃったの。

え? そうなの? 仕方ないね。ま、いいか。航空便だったら2〜3日でやってくるし


ということで、航空便をチョイスしたのが3〜4週間前。
ちょうど2月の頭ぐらいだったような気がします。

そして荷物はインド側の通関フェーズに入り、インド側の通関に1週間ほどかかり、ようやく荷物が出せるようになりました。

今回、航空会社は何がいい?
エアアジアもカーゴを取り扱えるっていうんだけど…

エアアジアってどういう経路になるの?

ムンバイから一度コチに飛んで、コチからマレーシアに飛んで、バンコクから日本に飛んで。インド国内で1回乗り換えて、バンコクでもう1回乗り換えるから、2回乗り換えて日本に行くわよ

ということは、その間に2回も積み下ろしされて、投げられて、荷物がどんどん壊れていくわけだね。さすがにそれはちょっとないかな…

そうよね、そしたらマレーシア航空で!


ということで、マレーシア航空で送ることも決まり、荷物がやってくることになりました。

■事態が急展開する

言いづらいことなんだけど…戦争の影響で航空便の値段が突然上がってしまって、今取れる一番安いのがスリランカ航空だから、スリランカ航空に変更して送るわね

えっ、ほかの航空会社みんな値段上がったの?

そう、スリランカ航空だけがまだ安くて、ほかの航空会社は値段が上がってしまったの。スリランカ航空で送るわ

わかった、いろいろいつもありがとう!!


ということでマレーシア航空で来る予定だった3トンの荷物は、急遽スリランカ航空で、ムンバイからコロンボ経由で日本にやってくる事になりました。

あ、そうそう、これいつもお願いしてることなんだけど、できるだけ月曜日か火曜日の便を指定して送ってきてほしいんだ

そうよね、それはよくわかってるわ。とにかく国際空港の蔵置料が高いんでしょ?

そう。水曜日と木曜日に届くと、結局週を跨いでの貨物リリースになってしまうから、とんでもない金額の貨物蔵置料が請求されるんだよ

そしたら、スリランカ航空に必ず月曜か火曜に届くように厳命しとくわね



■インドからの荷物がストップし始めた

そしてムンバイでスリランカ航空に荷物が預けられ飛び立ったのは、2月13日 2:00のことです。

そういえば今ね、ムンバイから出港してるコンテナ船がすべてムンバイに帰って来てるのよ

え? それは戦争の影響で?

そう。スエズ運河を通る航路はもちろんストップしていて。そしてスリランカの港でイラン船籍の船が撃沈された事件があったでしょう。それの影響でマレーシア方面のコンテナ船もストップして、ほとんどすべての船がムンバイに戻ってきたのよ。
だから今回、あの時点で航空便を選択していて本当に正解だったのよ


その時点でインスタにこんな投稿をさせて頂いたこともありました。

確かにね。ネハちゃん、いろいろあったけど、結果よければオールOKと言う事で、ありがとう!!
あとは無事に日本にカーゴが着くのを待つばかりだね

■待てど暮らせど全然来ない
そしてムンバイでスリランカ航空に預けた3トンの荷物。
待てど暮らせど全然やってきません。

ムンバイからコロンボには2月13日 5:35に到着しました。
しかし…その後、1回飛行機に乗せようとした形跡があるものの、結局入らずに降ろされ、また入らずに降ろされと、送り返されるばかり。

そしてあろうことか、10日後に3トンの荷物のうちの2600キロだけが成田に到着しました。

翌日に到着するのが航空便なのに、なんで10日もかかるんだ? スリランカ航空どうなってるんだ?

月曜日か火曜日指定したっていうのもあると思うんですけど、結局、飛行機に積みきらなくて降ろしてますよね

一回、全部載せようとしたけど降ろして、次の週の便に回されて、結局そこでも入り切らないから荷物を分けられてるね

そうですよね。荷物が集中して、コロンボの空港でどうにもならなくなっている図が想像できますね

推測なんだけど
スリランカ航空の値上げがちょっとタイミング遅かったじゃない?
それでカーゴがスリランカ航空に集中する事になって、完全にパンクしたんじゃないかと思うんだよね

かもしれないですねぇ


■1日 4万円が溶け続ける
結局3トンの荷物は10日後に2600キロ、そして12日後に400Kgが到着しました。最後の荷物が到着したのは木曜日です。

荷物が分割して届いた場合、すべての荷物が揃うまで通関を開始できません。今回のケースでは通関が開始できたのは木曜日からでした。結局、通関が2日では終わらず、土日を跨ぎ、許可が出たのは火曜日の朝。

国際空港の倉庫は、荷物が到着した初日こそ無料ですが、後は1個の荷物ごとに250円程度の蔵置料がかかります。3トンの荷物は159個口でしたので、一日あたり、4万円の蔵置料がかかります。

火曜日に到着し、水曜日から一日あたり、4万円の蔵置料がかかるとすると
今回は成田の倉庫代だけで15万円か…

一日通関が伸びるたびに、4万円が溶けていくのは厳しいですね

■輸入の理不尽なルール
輸入のお仕事をしていると、輸入通関関係には、いろいろ理不尽なルールがあるなと思います。

その理不尽なルールのうちでも最たるものが、
「すべての荷物が届くまで輸入通関は開始できない。運送会社の都合によって、空港に荷物が分割されて届いた場合でも、荷物が揃うのを待たなければいけない。そして、その間の蔵置料は荷主の負担である」
というもの。

国際空港の保税倉庫での1日の蔵置料が1個250円ほど。今回は3トン、159個口だったので、1日通関が伸びるたびに約4万円ほどのお金が溶けていくのでした。

今回のケースでは、通関までに1週間かかったので、結局、15万円以上の倉庫代を支払うことになりました。

そもそもあなたが輸入をしなければ、この費用は発生しません。だからすべての費用は、あなたが負担すべきです


と言われてしまえば、それまでなのですが。

航空会社のミスも、現地で積み残したときのミスも、全部輸入者負担というこのルール。

幾らなんでも理不尽すぎるような気がしてなりません。

輸入通関に携わる皆様、なにかいい解決方法をご存知だったらぜひ教えてくださいませ。



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