これはジョンレノンがイマジンの歌の中で夢みた世界なのか 実験都市オーロビルを訪問する



■世界に一つだけの国際的な実験都市オーロヴィル
ティラキタ買付班、長年の憧れだったオーロヴィルに行ってきました。
今回の話の舞台はここになります。広いインドの南の端っこですね。


オーロヴィルは世界中の人々が集まって作った実験都市です。2018年1月現在、54ヶ国から2,814人(大人2,127人、子供687人)が居住しています。

1665年、オーロヴィル建設時のメッセージが、この都市のすべてを語っています。

オーロヴィルは、あらゆる国の男性と女性が、あらゆる信条、あらゆる政治、あらゆる国籍を超えて、平和と進歩的な調和の中で暮らすことができる普遍的な町になることを望んでいます。オーロヴィルの目的は人間の統合を実現することです。

- ミラ・アルファッサ


この理念のもとに、1968年に世界124カ国から人々が集まり、南インドのタミル・ナドゥ州にて建設が開始され、2023年現在も、世界で唯一の場所として存在し続けています。

■それではオーロヴィルに行ってみよう!!

ティラキタ買付班はオーロヴィルの隣のポンディシェリに宿をとっていたので、オートリクシャで向かいました。ポンディシェリのオートリクシャってば、めっちゃカラフルで可愛いです。


ポンディシェリの街を抜け、段々と緑が濃くなってきました。緑が多い地帯にオーロヴィルはあります。


程なくしてオーロヴィルに到着~~~♪♪♪
快適なオートリクシャ旅でした。


オーロヴィルの中には、一番の見所であり、精神的な象徴としてのお寺マトリマンディルがありますので、まずはそこに向かいます。マトリマンディルはあっち! わかりやすい看板があちらこちらにあります。


マトリマンディルの直前には、オーロヴィルの理念や歴史を説明するためのビジターセンターがあります。ビジターセンターへ行く道にはオーロヴィルの歴史が写真とともに書かれていて、歩いて読んでいくだけで、自然とオーロヴィルの歴史が頭に入るようになっていました。


そしてビジターセンターへ到着。シュッとして、おしゃれな建物の中に、オーロヴィル、そしてマトリマンディルの説明がたくさん。

■マトリマンディルとご対面!!
ビジターセンターを抜けると、次は、待望のマトリマンディルへ向かいます。

道の途中には誠実さと書かれた石板がありました。
全てにおいて誠実であれ。他者を騙すことのないように。そして自分自身も騙すことのないように


こちらはGRATITUDE(感謝)の看板。
英語が難しくてどう翻訳したものやら…(汗;;)


こちらはHUMILITY(謙虚)の看板。
謙虚とは意識のレベルが上がったとしても、まだ無限があることを知っていること、でしょうか。
うーーん深い………


マトリマンディルへの道は、自分の中の魂への探索路であるかのようでした。
精神の小道と言ってもいいでしょう。

ビジターセンターからマトリマンディルまでは結構遠く、15分くらい歩きます。身体障害者の方には移動手段が用意されているそうですが、基本的に歩くことが推奨されています。

そしてやっとこ、マトリマンディルとご対面ーー♪♪♪
美しい黄金の球形がインドの赤土の大地の中に鎮座していました。



ティラキタ買付班的には割と感動の対面だったので、神社にいるときのような気分になりたかったのですが。

でも、ここはインド人たちの観光地でもあるので、観光や課外学習でやってきたたくさんのインド人で溢れ、至る所でワイワイと記念写真を撮りまくっています。オーロビル自身は、ここは観光地ではないと言っていますが。こんな素敵な建物があったら、やっぱり観光地になっちゃいますね。



マトリマンディルってば、ここに来るまではただの金色の玉だと思っていたのですが。実は中には隠された精神的な仕組みがあるのでした。

こちらが全体の構造図。およそ他の建築物とは似ても似つかない、独創的な形をしています。


マトリマンディルは丸い球形の天頂から光を取り入れ、基礎の部分にある大きなクリスタルに太陽の光が導かれるようになっています。天頂一箇所を除き、窓らしいものはありません。


金色の玉の上部には中心に丸いクリスタルが置かれ、瞑想センターが配置されています。ちゃんとした手続きを踏めば、中に入って瞑想することもできるのだそうですよ。


■オーロヴィルの中のコミュニティとお店たち
オーロヴィルは、村を含むさまざまなプロジェクトが対象となるオーロヴィル・ヴィレッジ・アクション・トラストを通じて、主にタミル人が住む周囲の村と緊密に連携しているのだそう。

オーロヴィルの中では、その様なプロジェクトを通して作られた製品が販売されていました。ブティックやカフェなど、色々なお店がありましたが、その中でも特別だったのが、廃材で作ったモノを販売するお店Sakhiです。


棚の柱はリサイクルのブルーボトルで作られていました。


飲み終わったウィスキーの瓶で作られたランプ。棚の天板は太陽光パネルです。


使用済みのカセットテープで作られたペンケース


プラスチックトレーに古布を巻いた素敵な小物入れ


昔のレコードを再生して作られたノート
どれも本当に素敵!!!



■インドの寛容さが作り上げたオーロヴィル
インドの中にあり
人類の夢と理想を掲げて作られた
世界に一つだけの場所

実際にオーロヴィルを訪問してみて、マザーに、そしてオーロビルを作って維持してきた人々に、そしてインドに。最大限の敬意を払わずにはいられません。

「オーロヴィルの建設を許可した」
ここにインドのものすごい寛容さが溢れているとティラキタ買付班は思うのです。

もし、もしですよ。

日本の北海道に世界から人々が集まって一個の市町村くらいの大きさの土地を買い取って実験都市を作り始めたらどうなるでしょう?
「外人に日本を占拠させるつもりか」
「一度渡した土地は帰ってこないぞ」
「新興宗教のたまり場を作る気か」
「純粋な日本を売り渡すな」

などと、非難轟々で、いくらリーダーの理念が素敵でも、決して実現できるとは思えません。これは日本だけでなく、きっと他の海外諸国でも一緒でして、人間はそのローカルの土地においては自分たちの防衛本能から、実に利己的であるからです。

そこから考えるとき、現在あるオーロヴィルの成功は、ひとえにインド政府とインドの人々の寛容さに依っているのだと思うのです。

「寛容と多様性こそが力である」とインド人が信じているかどうかはわかりませんが、少なくとも私達の目にはインドはそう映ります。

中国から逃げてきたチベット亡命政府の受け入れにしても、このオーロヴィルの建設許可にしても。寛容さと広義の意味での人類愛がなければ、そもそも受け入れようという決断には至りません。

島国に住み、ほぼ単一民族の我々の目から見ると、多様性がある国を治めていくのは大変だろうなと感じますが、しかしまた、そこにこそ、インドという国の底力を強く感じるのです。


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