インドの街が巨大食事会場に! 16800人がタダで食事を食べるドゥルガー祭

2016年10月6日     No Comments    Posted under: インドが大好き!!, 買い付けに行ってきました

■街の一角が巨大な炊事場に変身していた

4月10日頃のことです。マナリの友人たちが数日後に「無料食事会」があるんだよ、その日はご飯食べに行かなくってもいいんだぜ、と口々に言い始めました。

日本人の友人に「無料でご飯が食べられるんだって」と伝えると、
「ホントに無料でご飯が食べられるの?」
「それ、大丈夫なの?」
「何か裏があるんじゃないの?」とみんな疑い始めました。

それもそのはずです。

「金銭にがめつくて商売上手」という印象のインド人の普段の行動からすると、彼らがタダでご飯を出してくれるとはとても想像できません。

「タダより高いものはない」ということわざのように、タダ飯の裏に何か隠れているのでは…と疑ってしまいます。

数日して、タダ飯の日が近づいてきました。マナリの街の中心部を通ってみると、中心部の寺院の前にはテントが作られ、太いホースが蛇のようにのたくっていました。このホースは昨日まではなかったものです。

ホースを辿っていくと…

いつもはバス停だった一角が改造され、巨大な炊事場が作られていました!!

トタン屋根で急ごしらえの屋根を作られ、近くから太いホースで水が引かれ、裸電球が吊るされて。200人前は一気に作れそうなドデカイ鍋が20個以上並べられ、焚き火の火にくべられていました。

薪の煙がモウモウと上がる中、インド人たちは今まさに、何千人分もの食事を作ろうとしていました。
これはどうやら、騙されるとか言う小さな話ではなさそうです。

使われている一つ一つの鍋は、この写真のサイズか、これよりもちょっと大きい位の大鍋で、それを薪で炊き上げます。インド人ってば本当に外で食事を作るのが上手な人達だと感心します。こんな大きさの鍋を薪で調理するのは、大変難しいことだと思うのですが、彼らは平然とやってのけます。

■ムービーでもお楽しみいただけます


■バス停が巨大な食事会場に

2016年4月16日。ついにタダ飯の日がやってきました。朝からみんな落ち着かない模様で「今日はいつ頃、ご飯食べに行く?」とその話ばかりをしています。

タダ飯会場は一日中やっていると言うので、ゆっくりと13時頃にバス停に向かってみると…
いつもはこんな感じだったバス停が、一回に500人以上が入れる巨大食事会場に変わっていました。

会場では列になって全員でカレーを食べます。1列に40人並ぶ事ができ、全部で14列あるので、560人が一斉にご飯を食べられる計算になります。

一回の食事時間には約20分ほどかかり、1時間3回、10時間行うとして、一日に30回入れ替えが行われます。単純計算で、30回 x 560人 = 16800人が一日にタダ飯を食べることになります。

20分ほど待っていたら、前の人の食事が終わり、入れ替えの時間になったので、僕達も早速中に入って食べてみることにしました。中に入る時、入り口の所に、既に配り終わったと思われる容器が並んでいました。

一緒に行ったのは、僕、ゆうきちゃん、マヤンク、ハリー、ディーパク、ハリーの下僕と、メキシコ人のラロの7人。全員、いつもはバスが走ってて、インド人達が土足で歩き回っている所に座らされます。

コンクリート面を見ると、ホウキで掃いたようではありましたが、細かいゴミがまだ残っていました。
正直、あまり清潔な場所とは思えません。

ただでさえ汚いインドで、地面に座ってそのままご飯を食べるなんて…ここはバス停なので、様々な人々の足についた牛の糞やゴミなど、色々な種類のホコリが舞っているはずです。

以前、インドから帰国後に髄膜炎にかかり、生死の狭間をさまよった身としては避けたい所ですが…仕方ありません。

そのうち、全員に銀色の紙皿とコップが配られました。紙皿はカレー用で、紙コップは水用に使う様です。大人も子どもも、男性も女性も、貧乏な人も金持ちも、インド人も外人も、誰もが差別されずに同じ1列に並び、タダ飯を待ちます。

一番最初にオレンジ色のピラフみたいなのが配られました。ターメリックで色付けしたご飯は美味しそうですが、いつもみんなが土足で歩き回っているバス停の地面の上に直接配給されるので大変微妙な気分です。

バケツでダル(豆)カレーが配られます。バシャバシャと非常に適当に配っていきます。人数が多すぎるので、バケツでないと、追いつかないのでしょう。

バケツで配られたらすぐに食べ始める人々。
みんな美味しそうに食べています。
ここはインドですからもちろん手で食べます。

インド人たちは全く気にしないのでしょうが、正直、衛生面が非常に気になります。

大丈夫なのかどうなのか…下痢しないかな…と不安になりましたが、
「男は度胸!」という事で、僕達も手で食べました。

お味の方は「まぁ、こんなもんかな…」という感じで、特別に美味しい訳でもありませんが、不味いわけでもありません。きっと一般的な普通のインドの味なのでしょう。

■宗教的に喜捨が勧められている

このように、インドではすごい物量でタダ飯大会が開かれる時があります。上で紹介したマナリのタダ飯だけでなく、アムリトサルのゴールデンテンプルなど、有名なものになると、10万食がタダで毎日配られていたりしますから、本当に驚きです。

日本のどこに毎日タダで食事を配っている場所があるでしょうか?
こういう習慣、日本にはないですよね。

その喜捨の模様は「聖者たちの食卓」と言う映画になっていたりもします。

「タダでご飯が食べられる!!」と聞くと、行かなきゃ損、貰わなきゃ損みたいな気分になりますが、実はこの無料食事会には「食事をタダで貰う側ではなく、食事をふるまう側が得をする」という宗教的な意味合いがあります。

持てるものが何かを差し出すことは、どの宗教でも基本的に良い事とされています。イスラム教では人間がなすべき5つの行いの一つとして喜捨(ザカート)を定めていますし、ヒンドゥー教においても、宗教的に大きな意味があることです。

この写真は、ムンバイのレストランの前で喜捨を持っている人々です。
レストランの前で喜捨の時間になるまで、行儀よく列を作って待っている所なのですが…

日本人の僕の視点から見ると「レストランの前で、タダ飯を行列して待ってるなんて営業妨害だよ!」としか思えませんが、敬虔なイスラム教徒の人々は「喜捨をする偉いレストランだから入ろう」と思うのかもしれません。

インドや中東には、人に施しをするという、喜捨の文化があり、それは社会の一般常識として認識されています。喜捨は貰う方はもちろん、あげた方も精神的に豊かになれる、非常に素晴らしい文化だと思います。

■遭遇した祭りの名はバンダラ

今回マナリで遭遇した祭りはインドで年に2回、9日間の間、3-4月と10月に祝われるナブラトリ(Navratri)と言われる宗教行事の一環です。ナブラトリは以前、バラナシコルカタでパンダールと呼ばれる巨大な寺院を作ってドゥルガーを祝福する祭りとして紹介しましたが、ヒマラヤの街マナリでは、パンダールを作らず、その後にバンダラ(Bhadara)と呼ばれる祭りを行います。

バンダラ(Bhadara)では、ドゥルガーに捧げられた食べ物を、バンダラに参加したすべての人々に配ります。この食べ物は、プラサードと呼ばれ、神様からのお下がり物と言う意味です。

プラサードはマナリではカレーが配られましたが、一般的にはフルーツやスイーツなどの甘味が配られるのだそうですよ。

ちなみにマナリで振る舞われた食材などの全ての経費は、マナリ・タウン・コミッティーと呼ばれる、マナリの商店会や、地元の人々が共同で出資しているのだそう。と言う事は、インドに住むと、年に2回、税金のようにこのお祭りのために出資させられるということですね。

どこに住むのも、楽じゃないなぁ………


HAPPY NAVARATRI : JAI MATA DI!

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