本物のビリヤニと偽物のビリヤニはこう見分ける! 経験と失敗から学んだ本物のビリヤニを食べる方法
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■本物のビリヤニと偽物のビリヤニがある
ビリヤニって作るのが結構手間ですし、時間がかかるんですよね。ですので、レストランによってはもっと簡単な方法で似た様なものを作ってビリヤニとして出しています。いわば、偽物ビリヤニです。
半生の米とカレーを層に重ねて炊いたり、マサラやヨーグルトでマリネした生肉と炊き上げたりする炊き上げ式のビリヤニが本物のビリヤニですが、偽物のビリヤニは炒飯みたいにして作ります。あらかじめターメリックで炊いたご飯を用意しておいて、それにスパイスとマトンやチキンをいれて炒めればビリヤニ風炒飯の出来上がり。
ターメリックで炊いたご飯は、また別の料理として出せますし、時間もかからず一石二鳥なのです。残念なことに、日本のインドカレー屋さんの一部ではこの方法で作られたチャーハンもどきをビリヤニとして提供しています。本物のビリヤニの美味しさを知らない日本人にはこれでいいのかもしれません。でも、本物と偽物は見た目からして全く違いますし、味が全く違うのです。
今日は、ビリヤニのことを説明しつつ、本物と偽物ビリヤニの違いを説明していきたいと思います。
■最高に美味しいインド料理ビリヤニ
インド料理の中で何が一番好き?とよく聞かれます。
インドは広く、色々な地方の色々な料理があるので、一口にインドと言われても難しいなぁ…とは思いますが、自分の知っている知識の中で色々と考えます。
南インド料理は間違いなく美味しいと思います。南インド料理は、お米ベースですし、カレーの辛味も優しくてすごい日本人向き。バナナの葉っぱで食べる時の緑が目に嬉しくて、さらにご飯が美味しくなるような気がします。
北インド料理では、ジーラライスって言うのが好きです。ジーラライスはクミンを白米に合わせたご飯なのですが、クミンの香味とクミンをテンパリングした時の油とご飯が相まって、シンプルかつ、素敵な味わいです。インド人はジーラライスにカレーをかけて食べますが、日本人である僕はすぐにインド料理に疲れちゃうので、シンプルにジーラライスだけを食べたりしています。
他にも美味しいものはいろいろ。ジャイプルのラッシーも美味しいし、チキンマサラカレーも旨い、パニプリもジューシーでいい…。この様にインドには色々な美味しいものがありますが、その中でのダントツの一番がビリヤニです。
実際問題、ビリヤニほど美味しい米料理に出会ったことがありません。
ビリヤニは米料理の王様だと思います。
ビリヤニと言うのは、一言で言うと、お米をスパイスとギーと一緒にして炊いたもの。ダムと呼ばれる大きな鍋の中に、お米、スパイス、チキン、マトンなどを層にして入れて炊き上げます。日本のように生米から作る方法と、半ゆでのお米から作る方法があります。すべての材料をミックスして炊くのではなく、層にして炊く所がポイント。
層にして炊くのも重要ですが、もう一つの重要なポイントは、ちゃんとフレッシュなホールスパイスを使うこと。パウダーのスパイスだけでビニヤニを作ると、ご飯を炊いている時にスパイスが混じってしまい、均等な味になってしまうんですよね。
層にして炊かれているので、皿に盛られたビリヤニは、完全に一様ではありません。ビリヤニは部分部分毎に別々の顔をしています。皿の上のビリヤニのある部分は白く、ある部分はターメリックで黄色く、ある部分はスパイスが多くと、見た目が違い、そしてまた、口に含む毎に違う味わいが現れます。
上質なビリヤニとは、ある部分はマトンの味がして、ある部分はクローブやカルダモンの味が強く、別の部分には玉ねぎの甘さがありと、一口一口が驚きとスパイスの香りに満ちているものです。
■本物のビリヤニと偽物のビリヤニはこう見分ける!
何回か食べて、違いが判ってくると、本物のビリヤニと偽物のビリヤニが簡単に区別できるようになります。偽物ビリヤニも別に食べられないわけではありませんが、もちろん本物の方が圧倒的に美味しいです。ぜひ、見分け方を覚えて、本物のビリヤニを食べて下さいね。
こちらの写真が本物のビリヤニ。色は様々に違い、スパイスが混じっている部分と混じっていない部分があります。
・本物のビリヤニは部分毎に違う色をしているが、偽物は全部一緒の色。
・本物のビリヤニは口に含むごとに違う味わいだが、偽物はワンパターン
・日本の三流インネパ料理屋さんだと日本米をチャーハン式にしているのでベタッとして重いことが多い
・本物のビリヤニに見せかけるために、あとから白米や着色した米を振りかけることがある(これは本物のビリヤニ屋さんでもやることがある)
・本物のビニヤニはホールスパイスを使っているが、偽物はホールスパイスの量が少ないか、パウダースパイスだけしか使っていない。
この様に、本物と偽物は似ているようで違うものです。
作り方の基本知識を基に、何回か食べればすぐに違いがわかる様になると思います。
■ビリヤニはベジか、チキンか、マトンか
レストランに行くと、大体、ベジビリヤニ、チキンビリヤニ、マトンビリヤニの3種類のビリヤニがあります。ビニヤニ好きの間でよく、「どのビリヤニが一番好き?」と言う話になるのですが、インドパパは、マトンビニヤニが大好きです。もちろん、人によって好みがあると思いますので、好き嫌いは別れると思いますが、私はマトンビリヤニ派です。
ベジビリヤニはあっさりしていて、コクがない感じがするんですよね。
チキンビリヤニは美味しいんですが、どことなくパンチが足りない気がします。
それに比べると、マトンビリヤニは完璧です。
マトンビニヤニは、マトンの香りがご飯の中にも染み込み、マトン自体にも肉の旨味があり、ガッツリとしていて満足感があります。ギーの味とスパイスの香味と、マトンの肉の香りが口腔の中で一体となって、えも言われぬ美食世界を展開してくれます。マトンビニヤニの中に入っている、マトンの骨のあたりの肉は更に美味しく、モノによってはとろりとしてこれもまた美味。
ビリヤニを食べる時は、ぜひ、本物のマトンビリヤニを探し出して、試してみて下さい。
どっしりとした肉臭さに大満足だと思いますよ。
来週はデリーで食べる美味しいビリヤニと、日本で食べられる本場に近いビリヤニ、そして自分で作るビリヤニを紹介したいと思います。
僕もビリヤニが大好きです。特に、ハイデラバードビリヤニの虜です。
バンガロールに5年ほど住んでいました。最初はハイデラバードビリヤニハウスが二件あるだけで、ほとんどは、別の種類のビリヤニの店しかありませんでした。地元のビリヤニは、バスマチライスを使わず、あまり辛くありません。ケララのビリヤニは干し葡萄が入っています。タミルのビリヤニには、別の美味しさがあります。さらに、ビーフビリヤニさえありました。
5年の間に、バンガロールにはハイデラバードビリヤニの店がどんどん増え、会社の食堂にハイデラバードビリヤニが出来てからは、毎日それでした。おかげで10キロほど太ってしまいました。インドから帰任し、今はアメリカにいますが、毎日、バンガロールの地図を見ています。どうにかしてインドに戻りたいです。
日本では、ただのカレー炒飯をビリヤニと言い張る店が多く、しかも800円くらいとるので、一切食べなくなりました。アメリカでは、本場のダムビリヤニがありますが、辛くない味付けばかりです。ワシントンDCの路上のビリヤニ屋は、炊いたバスマチライスを炒めて、ビリヤニ風の味付けで出しますが、日本のカレー炒飯よりはずっとマシです。