全員が同じものを食べることのできないインドの給食事情
■インドの給食事情ってどうなってるの?
ティラキタのムンバイ仕入れを支えてくれているのはネハちゃん、ヒーラルちゃん姉妹です。ムンバイのネハちゃんちは、ムンバイ国際空港にほど近いジューフー地区にあり、便利なので、フライトの前後によく寄らせてもらっています。
ジューフー地区はムンバイの中でも超高級なセレブ街で、ネハちゃんちの目の前はインド人だったら誰でも知っている映画俳優アミターブ・バッチャンの家。
ネハちゃんは2006年に結婚し、このブログでも彼女の結婚式をレポートしたことがあるのですが、時は流れ、現在は1児の母として小学生の息子さんがいます。
訪問した時はちょうどお昼の14時位で、「これから息子が帰ってくるのよ」という話の流れから、自然とお弁当の話になりました。





インドは多宗教、多民族の国です。
宗教上の理由で、全員同じご飯は食べられないのでした。
すっかり忘れてた!




■ダメと言われると、子供は試したくなるもの
各家庭の事情に応じて、個々人の弁当をもたせているみたいですが…





と、ネハちゃんは困った顔。
■各宗教の食事制限
インドは多宗教、多民族の国ですので、一人ひとり、食べられるものが異なります。食事制限が厳しめな宗教の、食事制限を見てみましょう。
ヒンドゥー教:
ヒンドゥー教では不殺生を旨とするので、肉食を避ける人が多数存在します。基本的に牛は食べてはいけない。お酒を飲むのもあまりいい顔はされません。
家庭で食事することを好む人が多いのは、外食の場合、同じ調理器具で肉を調理した可能性があるからです。
多くのヒンドゥー教徒は、肉全般を避けますが、中には肉食をする人もいます。その場合でも食べる対象は、鶏肉、羊肉、ヤギ肉に限定されます。
イスラム教:
イスラム教徒は「豚」「アルコール」「血液」「宗教上の適切な処理が施されていない肉」を避けます。
この4つの食材はコーランで食べることを禁じられているものです。豚以外でも肉は、アッラーに祈りを捧げ、 特殊な屠殺方法を行ったハラル・ミール(ハラル・ミートとも)しか口にしません。
肉そのものだけではなく、「ブイヨン」「ゼラチン」「肉エキス」「ラード」など豚の肉や骨、油が使われた食材は食べることができません。
ジャイナ教:
不殺生を教義で重要視しているため、日常生活の中で、あらゆる生物(動物、植物)を殺したり、誤って傷つけたりしないように、細心の注意を払っています。一切の肉食(肉類、魚介類)が禁止され、卵も食べません。玉ねぎや、人参などの根菜類も収穫時に虫を殺すという理由のため、避けられる傾向にあります。
厳格なジャイナ教徒は、誤って虫を殺さないように、火を使って調理することを避け、また調理と食事は日中(手元の明るい時間帯)に済ませます。生物全般が食材に使えないため、豆類、葉野菜と茎野菜(根菜以外)を中心とした食事になることが多いです。
ちなみにネハちゃんちはジャイナ教徒です。
■ムンバイのダッバワーラー
そんな文化的背景からか、ムンバイにはダッバワーラーと呼ばれる弁当配達システムがあります。ダッバワーラーはムンバイ郊外に住んでいる家庭から各家庭の弁当をピックアップし、電車や自転車などを乗り継いで、各オフィスに弁当を間違いなく配達していきます。食べ終わった弁当箱はオフィスからピックアップして、また各家庭に戻します。
ティラキタでも、ムンバイで使われている弁当箱を販売しているのですが、配達途中に盗まれないように鍵がかかる仕組みになっています。
毎日、4000人のダッバワーラーが16万の各家庭から弁当を受け取って、各オフィスに間違いなく配達していきますが、弁当が間違えずに届く確率はなんと99.9999999%なのだそう。コンピューターも使わずに、この様な間違いのない配送が出来るのは大変驚きです。
この様な驚異の配送システムが出来た背景は、やはりインドの「一人ひとり、食べられるものが異なる」と言う切実な事情があるからでしょう。
全員が同じものを食べられるのであれば、各家庭の料理をオフィスに届けると言う需要は出現しませんものね。
■インドでも給食がある地域がある
西ベンガル地方に住んでいる方から、「村の小学校とかでは学校給食ありますよ」との情報をいただきました。同じ宗教の人が固まって住んでいたら、みんな食べられるものが一緒ですものね。
また、ネパールで支援している方のところでは、給食を出すことにより、子供を学校にこさせようとしていると言う話を聞いたこともあります。
インド全土で給食がないわけではなく、ある地域もある、と言う理解が正しいのだと思います。
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