チャイをより美味しくする魔法のスパイス – 素焼きのチャイカップがインド鉄道で復活

2020年12月10日     No Comments    Posted under: 商品について

■脱プラスチックの流れに乗って

ニュースサイトのBuzzapでも「素焼きのチャイカップ」インド鉄道が復活へ、脱プラスチック政策の一環としてとして取り上げられていましたが、脱プラスチックの流れに乗って、素焼きのチャイカップがインド鉄道で復活する事になったのだそうです。

インドの飲み物といえばチャイですが、近年、電車の中で買うチャイがまずくなったと感じていました。その昔はやかんの下に、針金で石炭を入れたコンロをくくりつけて、常時保温したチャイを持ち歩き、素焼きのチャイカップに熱々のチャイを入れてくれたものです。

熱々のチャイと、素焼きの土臭い感じがなんとも言えず、チャイの香りとインドの土の匂いの混じった特別な一杯でした。

しかし、近年、電車の中のサービスが近代化されるにつれて、素焼きのチャイも、石炭コンロとやかんの組み合わせも見かけなくなり、魔法瓶の中の薄い牛乳と、Blookbondの安っぽいティーバッグに変わっていったのです。

正直、電車の中のチャイは飲む気にならないレベルでまずいものがあります。

僕たちと同じことをインド人たちも同じことを思っていたようで、 インド鉄道を管轄するPiyush Goyal大臣は「素焼きで飲むチャイはより美味いんだ」と言っているそうです。

インドの電車旅を愛する旅行者として。そして美味しいチャイを愛する一人として。
素焼きで飲むチャイの復活は心から歓迎したい出来事であります。

今回は、素焼きのチャイカップをお題に、いろいろな話をしてみたいと思います。

■素焼きのチャイカップのお作法

素焼きのチャイカップでチャイを飲む時のお作法は…飲んだら投げ捨てる!です。

投げて捨てる時、正直、最初は戸惑うんですよね。
「ああ、もったいない!!」って心が痛むんです。

もったいなくて、捨てられなくて、何回も自宅に連れて帰ったこともありました。

「陶器は長く使うもの」という私達の既成概念からすると驚くべきことですが、この素焼きのチャイカップは使い捨て。ヒンドゥー教的には、人の使った食器は不浄だから使ったら捨てるのが正解なのです。

■インドの抱えるプラスチック問題

現在、世界の色々な所でプラスチックによる環境被害が起きていますが、インドのそれは、私達日本人の想像を超えるレベルで酷いものです。

インド人たちは自分の家の中はとてもキレイにしますが、家の外は自分の管轄外らしく、あまり綺麗にしようとしません。外を綺麗にしないのは、宗教的な浄不浄や、カーストの問題など、彼らにとっては「当たり前」の理由があるのだと思いますが。

また、インドには古来からのポイ捨て文化があります。

その昔、プラスチック製品がなかった頃は、食べきれなかったものなどをポイ捨てすれば、牛が食べてくれたり、またより下層カーストの人々の仕事になったりしたものですから、その習慣が抜けず、今でも彼らは普通にポイ捨てをします。

様々な理由が重なり合って、インドの街は汚れています。

プラスチックが街に溢れ。

細かく破れたビニールが道の横に集まっている。

街はゴミ溜めですか?と言いたくなるレベルで汚い。

以前、デリーの街なかで車がひっくり返っているのを見たときは流石にびっくりしましたよ。

流石に、「これではまずい」と彼らも思い始めたのでしょう。何年か前からムンバイのあるマハラシュートラ州では、プラスチック製のお買い物袋が使用禁止になりました。

インド全体で脱プラスチックの流れが進み始めています。
そしてスワッチ・バーラットの掛け声のもとに、クリーン・インディア運動が行われています。

この、素焼きチャイカップの復活はそう言った社会の流れの中にある一つの事象です。

あと10年くらいしたらインドはポイ捨てをしない、キレイなインドに変わるのでしょうか。
インドは好きだけど、インドの汚さが我慢できない者として、ぜひ、きれいなインドになって欲しいと心から願うのです。

■チャイカップは全てハンドメイド

さて、毎日のように消費される素焼きのチャイカップは、一体どのようにして作られるのでしょうか。

実は驚くべきことに、この素焼きのチャイカップ、一個一個、ろくろで手びねりして作られるものが大半です。素焼き陶器の表面を見ると、作り手の指紋がそのまま形になっているものもあります。

私達は、「使い捨てのコップなのだから、工場で型を作って全自動で大量生産…」と思いますけど。
実態はすべてろくろで手作りであり、そのろくろも電動ですらないんです。

実際に彼らが素焼きの陶器を作っているムービーがありますので、ちょっと見てみましょう。大きなはずみ車を使ったろくろで陶器を作っています。このろくろは電動ではなく、棒でつっついて回転させます。

あまりにも前時代的すぎ、いくらなんでも嘘だろ?と思いますが、このムービーが撮られたのは2018年の秋のことです。

Buzzapの記事に戻りますが、 Goyal大臣の「これは有害なプラスチックを減らして環境を守るだけでなく、数十万人の陶工の雇用と収入に繋がる」の話はこの様な背景がある訳です。

あえて全自動にしないことで、人々の雇用を守っているとも言えますね。

■素焼きのコップであっても環境に優しいわけではないが

プラスチックゴミが減って、環境に優しいと思われる素焼きのチャイカップですが、その反面、焼く時に燃料として石炭を使います。石炭をそのまま燃やしますので、ばいじん、煙、そして多くの温室効果ガスを出します。

プラスチックを使わなければ確かに見た目のゴミは減りますが。
別の形で環境破壊はやはり進みます。

インドでは、未だに石炭が主要な燃料として使用されています。
毎日の煮炊きはもちろん、家の建材として使われるレンガを作る時も、そしてチャイを沸かす時も石炭を使う場合が多いです。

これは素焼きのレンガ工場です。

インド亜大陸に飛行機でインドに降下していく時、窓の外をよく見ると、似たような煙突が立っているのを発見できると思うのですが、この様なレンガ工場はインド全土に存在しています。左側の黒いものが石炭の山ですね。

石炭を使って、レンガを焼いています。

人間が生きて、日々活動していく中で、ある程度の環境への負荷は仕方ないものかもしれませんね。

まぁ、どっちにしろどっちにしろ環境破壊するならば、美味しいほうがよいわけですし。
まぁ、美味しいものを飲みながらそんな事は考えたくないですが…。

今回は素焼きのチャイカップを話の種に、色々話を展開させてしまいました。

ティラキタ買付班、コロナが終わってインドに行き、素焼きのチャイカップで美味しいチャイが飲める日を心から楽しみにしているのです。

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