その名は仏陀にちなんだゴータマ・ブッダ国際空港 ネパールに第2の国際空港が開港



■ネパールに第二の国際空港が開港!
今までカトマンズにしか国際空港がなかったネパールですが、インドから続く平地のタライ平原に新しい国際空港ができるというニュースがやってきました。

正直な気持ちとして、「本当に良かったね〜〜〜!! おめでとうございます!!!」と、心からの祝福を贈りたいと思います。

新しい空港はポカラからインドに向かって降りていくとあるシッダルタナガルに位置し、ブッダの誕生日である5月26日に開港し、ゴータマブッダ国際空港と命名されるとのこと。

ネパールにとって、第2の国際空港ができることがどれだけ重要なことなのか。今回はネパール第2の国際空港の開港を祝し、山国ならではのネパールの交通事情と航空事情について書いてみたいなと思います。

■世界でも最悪レベルの道路事情
ネパールは世界にある8000m峰のうちの8座が存在するヒマラヤの国です。ネパールといえばとにかく山だらけ!と言う印象で、首都のカトマンズですら標高2000mの高地に位置している、山国の中の山国なのであります。

ネパールには私たちが想像もつかないほどの、交通事情の悪さがあります。



「Nepal Dangerous Road」等というキーワードでYou Tubeを検索すると、ネパールの悪路動画がたくさん出てきますが、ここまでひどくないにしても、ネパールの道はだいたいこんな感じです。


実際、ティラキタ買付班が乗ったカトマンズからポカラ行きのバスは、いつ崖に落ちるかわからないジェットコースターみたいでした。バスの窓から外を見ると、バスは急峻な崖の上を走っていて、はるか遠くに見える崖の下には、転がり落ちたトラックが見えました。

この写真はインドのナコで撮影した落っこちたトラックですが、ネパールで見たのも、ほぼ同じ風景でした。

マジやべえとこきたなあ…
俺生きて帰れるかな…
まるで信じてもいない神様に祈りを捧げたくなる気分でした。

平地であれば、道路を作るのは簡単ですが、山道だとそうもいきません。それがヒマラヤレベルの標高6000m、 7000mのスケールのでかい山だとしたらどうでしょう。そもそも道を作ること自体がものすごく困難なのです。



何年か前にインドのヒマラヤ地域に行ったこともありますが、状況はネパールと一緒でした。急峻な崖に道を作らざるを得ず、ちょっとハンドル捌きを間違えると転落死する。作った道路はすぐに崖崩れして使えなくなる。彼らはそんな道を毎日、往復しているのでした。



道を作ろうと思っても作ることができない。
道を作らないと物流も発展することはできない。
道がなければ人々が行き交うこともできない。

そして海がないから海上交通もない。
河を使おうと思っても急流すぎて船を浮かべることもできない。

だからネパールはいくら頑張って成長しようと思っても、成長することができないのです。

日本には、人々が住むことができる平地があり、そして海があり、世界につながっている。だから世界と貿易ができ、国内でも容易に移動ができ、経済を成長させることができます。

しかし、ネパールは山だらけであるという、その土地の持っている特性上、最初から経済成長が望めません。その特性はどうする事もできず、ただそういうものとして受け入れることしかできないのですが、あまりにも残酷かつ過酷な現実です。

■世界でも最悪レベルのネパールの空港事情
そのような環境の中で、ネパールが世界と直接繋がるためには、飛行機がほぼ唯一の手段となります。

しかし、そこにも問題があります。
例えば、エベレストの玄関口にあたるテンジン・ヒラリー空港は世界で一番着陸の難しい空港として知られています。

滑走路には傾斜がついていて、着陸する時は、坂の下から上に上がるようにして飛行機の速度を落とし。離陸する時は、逆に坂の上から下に落ちるようにして離陸することで対空速度を稼ぎます。



そうしてまで空港を作らなければいけない。
そういう場所しかない。
それがネパールの現実です。



■墜落事故が多発するネパール
そしてまた、ネパールは小型プロペラ機の墜落事故が多い国としても知られています。

現代的な安全装置を備えていない空港も多く。
山と山の中をすり抜けながら離着陸し。
変わりやすいヒマラヤの山の中を縫うようにして飛んでいきます。

これはカトマンズに着陸する前の写真ですが、山と山の間を這うようにして旋回しながら着陸していましたっけ。



正直ネパールで飛行機に乗るときは命がけな気分。

ティラキタ買付班も買い付けのついでにネパールの奥地に飛行機で行こうという計画がありましたが、行く直前に飛行機が落ちて行けなくなったこともありましたっけ。

こちらはエベレスト観光フライトの写真ですが…こんなところを飛んでいたら年に1機くらいは落ちますって!!



■第2の国際空港、開港おめでとうございます!!
ネパールのいろいろな問題を今まで書いてきましたが、だからこそ第2の国際空港である、ゴータマブッダ国際空港の開港はネパールにとって、心から祝福すべき出来事だと思うのです。

国際空港が2つになれば、気象条件が悪い時に無理してカトマンズに着陸しなくても良くなります。2015年の大震災のときのように、自然災害で空港が使えなくなっても、代替えの空港があればなんとかなります。

ネパールにとって2つ目の空港の開港は、物流面においても、セキュリティ面においても、非常に大きな意味があります。
もちろん空港一つでネパールの状況が劇的に良くなるわけではありませんが、それであったとしても将来に向かって、大きな明るい希望の光になるであろうと思うのです。

ネパールの皆様、第2の国際空港、開港おめでとうございます!!
ティラキタ従業員一同、心からお祝い申し上げます。
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