食べられる物が全くない! 菜食主義のインド人にとって日本旅行はサバイバル!

目次
■ネハちゃん一家を日本に呼ぼうと思った
私たちは定期的にインドに行っていますが、いつも行くと歓迎してくれる取引先のインド人達が日本に来る事はほぼありません。たまには日本に来てもらったほうがいいよね、日本の事を理解して貰いたいねとの事で、日本に呼ぼうと言う事になりました。今回、日本に呼ぼうと思ったのはムンバイ在住のネハちゃん、ヒーラルちゃん一家。インドの中では割と裕福な一家で、ムンバイの北、ジューフーと言う地域に住んでいます。
彼らはジャイナ教徒です。
彼女たちの普段の生活からはそこまでジャイナ教の影響は感じられませんが、それでも普通のインド人と同じ様に、毎日のお祈りを欠かさなかったり、食べられないものがあったりします。
■美味しい日本食をご馳走したい
僕らがインドに行くと手作りの料理で歓迎してくれますし、せっかく日本に来るのだから、できるだけ美味しい日本食をご馳走したいものです。世界的に見ても日本は有数のグルメ大国。日本食も美味しければ、世界各国から美味しいものが輸入されてきています。日本に来たら、腹パンになるまで帰さないよ!と思っていたのですが…

■インド人の多くは菜食主義
インドではベジと、ノンベジと言う2つの大きな食事の区分けがあります。ノンベジはお肉を食べて良い非菜食主義で、ベジはお肉を食べてはいけない菜食主義です。私達が考える非菜食主義と菜食主義の違いはこんな感じですよね。
菜食主義の人はサラダばっか食べてそうな気がします。

実際にインド人が食べるカレーで表現すると違いはこんな感じです。

インドでは菜食も、非菜食もお肉を食べる食べないかの違いしかなく、出てくる料理の見た目はほとんど変わりません。私達の食生活では、肉食かそうでないかは大きな違いがありますが、インド人たちの、カレーを食べ続ける生活では、肉食でなくともあまり支障がなかったりします。
もちろん国民の多くが牛を崇拝するヒンドゥー教徒なので、ノンベジと言っても基本的に牛は食べません。
インドの菜食主義は本当に様々で、野菜や豆だけ食べるかと言うとそうでもなくて、根菜類である玉ねぎや人参もだめな人がいたり、卵はオッケーと言う人がいたりします。
各宗教によって大体の食べられる物が決まり、その上に、各個人の嗜好が反映される感じになります。
■ヒーラルちゃんちは、ジャイナ教徒
ネハちゃんちは、ジャイナ教徒です。インドでもジャイナ教徒は0.4%だけと非常に少数ですが、宗教的に殺生を禁じられているので、そのほとんどが商業関係の職業に従事していて、ティラキタ買付け班には割と縁の深い宗教でもあります。
ジャイナ教はアヒンサーと言う不殺生の戒律を持っていて、人間はもちろんのこと、動物や虫なども含む、一切の殺生を禁じているので、色々な物が食べられません。
ジャイナ教の行者さんの中には、自分の呼吸で虫を殺さない様にマスクをつけ、ホウキで歩く道を掃除しながら歩く人もいる位です。
輪廻転生の考え方によれば、僕らの前世は虫であったかもしれないので、その厳格な教義自体は分からないでもありません。
虫を殺す=なくなったご先祖さまを殺すとも考えられますし…

虫を殺す事すら駄目なのですから、肉はもちろんダメです。牛や豚だけでなく、鳥、エビ、魚、ありとあらゆる生き物がダメです。
卵も命あるものだからダメ。
根菜類も、収穫する時に地中の虫を殺すからと言う理由で食べない人がいます。
そんな人たちが日本に来る事になりました。
■食べられる物が全くない!!












■日本のベジタリアンはベジタリアンではない
日本では、肉を食べなければベジタリアンと言う定義になっていますが…厳格に言ったら動物性の出汁を使ってる時点で、ベジタリアンではないんですよね。
お芋のお味噌汁であっても、出汁を煮干しで取ってたら駄目なのでした。

source:豊中松前昆布本舗
お好み焼きも、お肉を使わなくても、かつお節をかけたら駄目なのでした。

source:haccola
マヨネーズも卵をふんだんに使ってるから駄目です。
動物性のゼラチンを使ってるお菓子も駄目です。ババロア、ゼリーなどもダメ。
ケーキもスポンジに卵を使ってるから駄目なのです。
日本食は一見、ベジタリアンに見えますが、実は動物の命を頂いている食品に私達の生活は囲まれているのでした。
日本で100%厳格なベジタリアンになるのは、ほぼ不可能なのでした。
日本に旅行に来るんだから、そんくらい我慢しろよと思うかもしれませんが、彼らにとってみたら、生まれたときから信じてるルールを変えることになる訳で、そんな事はできないのです。
自分の精神の拠り所を放棄してまで、食べなきゃいけない物はありませんものね。
■結局のトコ
結局、

と言うことになったのでした。
なんか、完全に負けた気持ちでいっぱいです。
でも、せっかくだから、日本に来たら日本食を食べてほしいもの。
昆布出汁だけでお蕎麦やうどんを作ればいいのかなぁ…とか今、色々考えています。
■色々な知恵をいただきました!!
このブログを公開した後から、いろいろな知恵を皆様から教えて頂きました。まず、動物性のものを全然食べられない=ヴィーガンだね!ということを教えていただき…
こちらにある、菜食レストラン情報をいただきました!!

そして…沖縄の友人からは

「そばの出汁がダメなら、長野のおしぼりそばのように大根おろしの汁に信州味噌を混ぜてツユにするのはどうですか?」とか。
「漫画家の流水りんこさんが、インドだったかネパールの友だち数人を自宅に招いたそうです。その友だちたちはベジタリアン。
「何を出そう」と悩んだ流水さんは「野菜の天ぷら」にしたそうです。「レンコンの天ぷらが一番人気だった」そうなので、ジャイナ教徒ではなさそうです。
ナスの天ぷら、シシトウの天ぷらでしたら、大丈夫?」とか。
「かるなあ、グリーンカルチャーなど菜食専門のインターネット店では昆布だしのめんつゆとか、菜食のインスタントラーメン、菜食の冷凍餃子や春巻や大豆製のカツなどが買えます。ただ、乳製品や卵が含まれている食品もあるので、買う前に原材料をチェックしてみてください。ジャイナ教徒は乳製品は大丈夫なはずですが、ニンニクや根菜やきのこ類を食べない方もいますので、事前にご確認を。」とか。
京都のムガールという、とっても美味しいインド料理店を経営している友人からもコメントが。
ちなみにこのムガール。インドの人間国宝シヴ・クマール・シャルマ氏が来日されたときに食事をお世話し、大変美味しいと満足してもらえたと言うお墨付きのお店です。

皆様、色々なお知恵を本当にありがとうございます!!!
JICAの研修で来てた友人も、バナナと食パンしか食べられないと言って苦労してたしたね。1週間過ぎた頃には、見える形で入ってなければOK、そのうちに肉をよけて食べればOK、最後には鶏肉はOKになってましたが^^;
今東京にはビーガン向けのレストランもたくさんあるので、そこでならラーメンも唐揚げも食べて貰えますよ! 精進料理も日本ぽいのではいかがでしょうか。
あ、ビーガン向けのレストランは京都の方が見つかりやすいそうです! 京都観光もOKですね!
ぼくんちに来たインド人の友人はバラモン、
菜食なのでテンプラを用意したが、
彼にはちっとも美味しくなくて満腹しなかった。
最後にダヒー(ヨーグルト)をご所望、
それをご飯に混ぜて何とか満腹になった。
ハイデラバードの彼の家に行ったら
ハイデラバードはビリヤーニが美味しい所なのに
肉無しビリヤーニがでてきた、
もうハイデラバードに行っても彼の家には泊まらない。