そうじゃない! 惜しい!! 色々何かが間違ってる!!! インドにオリジナルステッカーを頼んでみた
■ティラキタのオリジナルステッカーを作りたい
だいぶ前からティラキタのオリジナステッカーを作りたいなと思っていました。店長のインドパパが、無料でお客様に配れるノベルティを作るのが大好きで、今までに栓抜きや、カレンダーなど、様々なものを作ってはプレゼントしてきたのです。ステッカーはお客様にプレゼントするにはとてもいいアイテムです。あまり高くないし、オリジナルなデザインが作れますしね。
1年くらい前にも2000枚ほどステッカーを作成してお客様にプレゼントしたのですが…日本でステッカーを作成すると結構高く、毎日お客様にプレゼントし続けるにはちょっと苦しいお値段でした。
「高いのに小さいものしかできない」
それがものすごく不満だったのです。
■じゃあ、インドに頼めばいいじゃん
僕らはインドとアジアの会社です。インドとアジアに長くて太いコネクションを持っています。「じゃあ、インドに頼んでみようよ」となるのは普通のことでした。
とは言うものの、ステッカーをインドに発注するのは正直不安でした。
インドと長く付き合い、インド人のクセもわかっているはずの僕らです。とは言うものの、分かっているからこそ不安なのです。
インドに「モノを見てから発注」したとしても、今までにこんな困った商品たちがやってきました。
・【インドから来た困った商品】邪悪なミ●キーがやってきた!
・タージマハルが泣いた! インドの石彫職人が凄くヒドい!
・燃えるやかんと、水の漏れるやかん…インドから来る困った商品
・またかよ! インドから困った商品がやってきた!
商品を見て頼んでもこの状態です。ステッカーや印刷物というのは、商品を見ないで頼む商品ですし、海外との取引との慣例上、「それがどんな状態であっても、返品はもちろん、返金もできない」ので、いくらひどい商品がやってきても、ただ泣くしかできません。
ティラキタでは、お客様にちゃんとした商品をお送りするのが仕事なので、来た商品の数割は検品で落としていますが、それでも、2割の分のお金は払わなければいけません。アジア雑貨屋とはそういう仕事です。
とは言うものの、ステッカーをお客様に無料でプレゼントするには、ここは超えなければいけない壁…壁があったら超えてみよう!!! なんでもチャレンジ!! という事で、実際にインドにステッカーを注文してみました!!
■全員でデザインを考えた
ステッカーを注文するにあたり、楽しくスタッフ全員でデザインを作りました。ティラキタは全員、アジア好きのスタッフばかりなので、全員で好きなデザインを作ればOKです。
これが実際に送ったデザインです。
日本の印刷会社さんであれば、PDFファイルを指定したとおりに作ればよいので、こんなわかりやすい形で指定したりはしません。
でも、相手はインドです。習慣も、考え方も、食事の趣味も、何もかもが違う人々です。だからティラキタでは「3秒でわかる」という合言葉のもとに明確に相手に意思を伝えるのが習慣になっています。とは言うものの「3秒でわかる」様にしても、全く違う方向から逆転ホームランのように意表をついたモノを送ってくるんですよね…
だから、「これだったらいくらなんでも大丈夫だろ」って言うまでしっかりと相手に意思を伝えます。 デザインしたスタッフ一同、「これだけ指定すれば大丈夫だよな!!」という確信を持ってデータを送信しました。
■実際に頼んだステッカーがやってきた!!!
デザインを送って数ヶ月後、実際のステッカーが届きました!!!!大きな束になってやってきました。
わーーい!!!! やったー!!
オリジナルステッカーができたよ!!!
インドパパが喜んでいると…
「あの、これ。上が切れていますよ」と、スタッフ。
確かに…これはギリギリセーフかな?
でも、これはギリギリアウト!!!
ステッカーまで切れてんじゃん!!!!
やっぱなーー、インドだもんなぁ…
多少は仕方ないよな…
更に追い打ちをかけるように「これ全部繋がっているのは問題ないんですか?」と、別のスタッフ。
確かに。繋がってるね。
うん。
どう考えてもダメだね。
ステッカー一枚一枚は切れていず、台紙の上でつながって6枚のステッカーで1枚になっていました。
僕らは「お客様にプレゼントする用」とちゃんと伝えてステッカーをオーダーしました。そう言わなくたって、日本であればステッカーは一枚一枚切ってくるでしょう。でも…相手はインドでした。ステッカーは6枚1セットでやってきました。
1デザイン3000枚。6人でデザインを作ったので6デザインで合計18000枚ステッカーがやってきました。
と言う事は…
僕ら、手で、18000枚ステッカーを切り離さなきゃいけないんですか!!!!!
なんという重労働!!!
インドに頼んだら安かったけど、結局、自分たちが1800枚のステッカーを切り離す地獄に落ちました………
他のステッカーを見ていたら、更に大変なものを発見しました。
27枚がぎっしりとワンシートに!!!!
1ミリの隙間もなく、ぎっしりとワンシートに!!!!
確かにステッカーの一枚一枚は切れていますが…でも、台紙も切れてなきゃ意味ないんだよ!!!!!
インド人様、これをどうやって切れというんですか……………
すごい丁寧にやらなければならないじゃないですか。
もう、スタッフ全員で泣きそうです。
18000枚のステッカーを、すごい丁寧に切る地獄がティラキタにやってきました。
株を運用している人が、10秒で1億を稼ぐ時代に、僕らは10秒で1枚のステッカーをチクチク切ります。
人生、辛いなぁ…
正直な話、これはインド人が悪いわけではありません。
「お互いの常識が違う」という事なんです。
今から思えば、確かに、インドではつながっているステッカーをよく見ましたっけ。僕らの常識では「ステッカーは1枚1枚離れているモノ」ですが、インドの常識ではそうでなかった、という事なんですよ。
やっぱ、僕らの最後のツメが甘かったかなぁ…………
インド人様!!! 次は必ず切って送ってくれよな!!!
よろしくな!!
あああああ!
日本国内での取引でも「ほしいもののイメージを正確に伝える」のは本当に大変です…
こちらが想定し得ないようなNGがいくらでも出てきます。
その取引先が、狭い日本の「常識」の通用しないところにあったら。
…溜息が途切れませんが、
ブログが面白すぎるのでw楽しみにしています。
海外との取引はいつもトラブルだらけで…ブログに書いて笑いのネタにしないと、正直キツイですよね。
彼らと僕ら、人種や生まれが違うから、予想外のものが来るのは当たり前なのですが…でも、買ってくれるのは日本人なのでそれは納得して貰えませんしね。
「インドと日本の緩衝材」それがティラキタの仕事なのかなぁ…と思う時がありますよ。