燃えるやかんと、水の漏れるやかん…インドから来る困った商品
つい先日のこと。デリーから大きめの荷物が届きました。実はティラキタ、あまりデリーとは縁がなく、この仕事を始めた2000年頃から2006年位までほとんど取引をしていませんでした。
デリーに行ったことがある方はよくご存知だと思うのですが、街がほこりっぽく、ごみごみしていて。みんな、どことなくいい加減で、押しが強くて。一言で言えば、あまりお付き合いをしたくない感じだったのですね。旅行で行くには面白いんですけど、実際に毎日付き合うとなるとちょっと…と思ってしまうのです。
2000年に一度だけ、デリーからベッドカバーを仕入れたことがありますが、街がホコリだらけなので、ベッドカバーも当然ホコリだらけ。叩けばモワモワと薄い土煙が出て、折り目に沿って汚れが付いていました。ベッドカバーだけではなく、カバンも、衣類も、全部ホコリだらけでした。
「こんなの駄目だ! デリーとじゃ、仕事にならないよ」
と決断した僕達、極力デリーを回避しながらインドとお付き合いをしていたのです。
でも、デリーはインドの首都。東京にすべてのモノが集まるように、デリーにも本当に多くの人と物が集まっています。だから、ティラキタもいつかはデリーとお付き合いしなければいけない運命にありました。
そして、2006年にお付き合いを復活させ、徐々に徐々にデリーとの付き合いが深まってきたのですが…やっぱり、デリーの商品は問題だらけ。
そのなかでも、究極だったのが、このアルミ製のやかんです。
このやかん、輸入していた最初の頃はあまり問題がありませんでした。普通に入荷して、普通に販売できていました。インドではチャイ屋さんが毎日使っている非常にポピュラーなアイテムで、インドパパとしても「インドを総合的に紹介するティラキタ的にはこれはないと困るな」と思っている商品でした。
そんなある日、パッキング担当の女性が僕のことを呼びます。
「あのーー、このやかん、口のところに黒いゴムが付いているんですけど」
「え? ゴム?」
「そうです。ゴムです。これ、火にかけたら燃えちゃいますよね」
「そうかも…でも、いくらインドでも、耐熱ゴムとか、問題ない物を使っているんじゃない?」
と答え、念の為に販売中止にし、自宅に持って帰って火にかけてみることにしました。
30秒後…問題ありません。
1分後…問題ありません。
2分後…問題ありません。
そして3分くらいした頃、ゴムが燃え始めました!!
「ねえ、このヤカン、燃えるよ!」
「ホントだ! 臭いよ! 焼けてるよ!」
さすがインド製です。なぜ燃えるところにゴムを使うのでしょうか…
結局、問題のヤカンは次の日に全量廃棄しました。
こんなモノをお客様にお出しするわけにはいきません。 いくらインドから輸入していると言っても、問題のある商品は全部内部で引き受け、問題のない、きちんとした商品だけを出すのがティラキタの仕事です。
「ねえ、こないだもらったヤカンなんだけど、ゴムが燃えるよ!」と文句を言ったところ 「わかった、次は問題ないものを送るよ」とデリーのインド人が答えてきました。
そして3ヶ月くらい経って。新しく、交換のやかんがやってきました。
確かに、今回のものは問題なさそうです。ゴムは使われていません。
何回も文句を言っただけあって、パッキングもしっかりしていて、凹みもありません。
でも、こないだの燃えるゴム事件があったので、ちょっとだけ慎重になります。 「じゃあ、ちょっと水を入れてみるか…」と思って水を試しに入れてみます。
ジャボジャボと水を入れます。水は問題なく入るようです。
問題なく水が入ったと思っていたら…………
なんと、ゴムが使われていた所からポタポタと水が漏れてくるではありませんか!!
さすがインド製です。
水をいれることの出来ないやかん。
火にかけると燃えてしまうやかん。
どっちも全く役に立ちません。
でも、なんだか、やたら哲学的です。
物質など、どうでもいいって事なのでしょうか…この世は全部幻覚だから諦めろって言うことを教えてくれようとしているのでしょうか…きっと、インドの精神世界を教えてくれようとしているのでしょう。
でも、商品が欲しい僕たちにはそんな事、どうでもいいんです!!
ただ一つだけ、「お願いだから、きちんとしたものを送ってクレヨ!」と大声で叫ばずにはいられません。
デリーに行ったことがある方はよくご存知だと思うのですが、街がほこりっぽく、ごみごみしていて。みんな、どことなくいい加減で、押しが強くて。一言で言えば、あまりお付き合いをしたくない感じだったのですね。旅行で行くには面白いんですけど、実際に毎日付き合うとなるとちょっと…と思ってしまうのです。
2000年に一度だけ、デリーからベッドカバーを仕入れたことがありますが、街がホコリだらけなので、ベッドカバーも当然ホコリだらけ。叩けばモワモワと薄い土煙が出て、折り目に沿って汚れが付いていました。ベッドカバーだけではなく、カバンも、衣類も、全部ホコリだらけでした。
「こんなの駄目だ! デリーとじゃ、仕事にならないよ」
と決断した僕達、極力デリーを回避しながらインドとお付き合いをしていたのです。
でも、デリーはインドの首都。東京にすべてのモノが集まるように、デリーにも本当に多くの人と物が集まっています。だから、ティラキタもいつかはデリーとお付き合いしなければいけない運命にありました。
そして、2006年にお付き合いを復活させ、徐々に徐々にデリーとの付き合いが深まってきたのですが…やっぱり、デリーの商品は問題だらけ。
このやかん、輸入していた最初の頃はあまり問題がありませんでした。普通に入荷して、普通に販売できていました。インドではチャイ屋さんが毎日使っている非常にポピュラーなアイテムで、インドパパとしても「インドを総合的に紹介するティラキタ的にはこれはないと困るな」と思っている商品でした。
そんなある日、パッキング担当の女性が僕のことを呼びます。
「あのーー、このやかん、口のところに黒いゴムが付いているんですけど」
「え? ゴム?」
「そうです。ゴムです。これ、火にかけたら燃えちゃいますよね」
「そうかも…でも、いくらインドでも、耐熱ゴムとか、問題ない物を使っているんじゃない?」
と答え、念の為に販売中止にし、自宅に持って帰って火にかけてみることにしました。
30秒後…問題ありません。
1分後…問題ありません。
2分後…問題ありません。
そして3分くらいした頃、ゴムが燃え始めました!!
「ねえ、このヤカン、燃えるよ!」
「ホントだ! 臭いよ! 焼けてるよ!」
さすがインド製です。なぜ燃えるところにゴムを使うのでしょうか…
結局、問題のヤカンは次の日に全量廃棄しました。
こんなモノをお客様にお出しするわけにはいきません。 いくらインドから輸入していると言っても、問題のある商品は全部内部で引き受け、問題のない、きちんとした商品だけを出すのがティラキタの仕事です。
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そして3ヶ月くらい経って。新しく、交換のやかんがやってきました。
確かに、今回のものは問題なさそうです。ゴムは使われていません。
何回も文句を言っただけあって、パッキングもしっかりしていて、凹みもありません。
でも、こないだの燃えるゴム事件があったので、ちょっとだけ慎重になります。 「じゃあ、ちょっと水を入れてみるか…」と思って水を試しに入れてみます。
ジャボジャボと水を入れます。水は問題なく入るようです。
問題なく水が入ったと思っていたら…………
なんと、ゴムが使われていた所からポタポタと水が漏れてくるではありませんか!!
さすがインド製です。
水をいれることの出来ないやかん。
火にかけると燃えてしまうやかん。
どっちも全く役に立ちません。
でも、なんだか、やたら哲学的です。
物質など、どうでもいいって事なのでしょうか…この世は全部幻覚だから諦めろって言うことを教えてくれようとしているのでしょうか…きっと、インドの精神世界を教えてくれようとしているのでしょう。
でも、商品が欲しい僕たちにはそんな事、どうでもいいんです!!
ただ一つだけ、「お願いだから、きちんとしたものを送ってクレヨ!」と大声で叫ばずにはいられません。