俺の牛に餌をやれ! インドの給餌ビジネス

牛が街中をウロウロしているインドですが、流石にデリーの中心部やコルカタの街中にはあまりいません。ここ最近、特にデリーでは街に牛が居なくなってきたのですが、それとは反対に牛が増え続けているのがムンバイです。



ムンバイの街中をウロウロしていると…牛が紐に繋がれて立っています。最初のうちは「まあ、インドだしな。牛がいるのが普通。」と思って平然と通り過ぎていたのですが、何回か見かけるうちに、ふとムンバイの繋がれている牛は他の都市とは何かが違うことに気が付きました。

通常、インドの街中にいる牛は野良牛が多く、紐に繋がれていたりしません。牛たちは気が向けばあっちにフラフラ、こっちにフラフラ。どこに移動してもよく、自由気ままなものなのです。でもムンバイの牛はちゃんと紐に繋がれています。そして、その前にはかならず団子をこねている人がいるのでした。


「これは変だな?」と思ってよくよく観察してみる事にしました。と、数分して会社員風の人がやってきました。会社員風の人はさも毎日やっている事のように平然と、数ルピーを渡し団子を貰って牛にあげます。牛はモグモグと食べ、会社員はあっという間にバスに乗って行ってしまいました。30分くらい観察していると、3人ぐらいがやってきて、エサをあげていきました。お金を払って牛にエサをあげるのは、ムンバイっ子にとってはとても普通の事に見えます。


団子をこねている人は間違いなく飼い主でしょう。普通であれば、飼い主が餌を上げるのは当然のことと思われますが…ここではなぜか客がやってきてわざわざお金を払い、エサをあげています。

これって、どういうこと?
人の牛にお金を払ってエサをあげる理由はないよね?

あまりにも不思議だったので、インド人に聞いてみました。

「ねえ、町中に牛いるでしょ? 飼い主付きの」
「最近増えたわね。」
「そうそう。前はあまりいなかった気がするんだけど。あれは何?」
「され、商売なのよ。郊外から牛を連れてきて、エサをあげて貰うの」
「あ、やっぱ商売なんだ。」

しかし、商売とは言っても日本では人のペットにわざわざお金を払って餌をあげる人はいません。

「なぜ、お金を払って餌をあげるの? 人の牛でしょ?」
「それはね、宗教上いいことだからよ。お金を払って餌をあげて、いいことをした気になるの。」
「なるほど。牛は聖なる生き物だしね。でも、飼い主があまりにも特じゃない?」
「そうね…だから街に牛が増えてしまったのかもね」



牛が居たらエサをやる行為は、日本人の賽銭箱があったら小銭を投げてみるという感覚と同じ様なものなのでしょうか。日本人の僕から見ると、飼い主ばかり得させなくてもとは思うのですが、でも、ヒンドゥー教徒からするときっと納得できる事なのでしょう。
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