超巨大！！　インド人のお祭りへの情熱がすごすぎる！！

まず、何も言わずにこの写真を見て下さい。眼の前に建っている木の棒は空港などでよくある人間をきちんと整列させるための棒で、その後ろにブッダ像が、そしてその後ろに真っ白な大きな寺院が立っています。この真っ白な寺院は高さが推定40m位。

とっても立派な寺院です。白亜の大理石が光り輝く感じで、きっと紀元前から連綿と続く由緒ある寺院に違いありません。壁のレリーフ、手前のブッダも素晴らしく、ぜひ近くに寄って見てみたい所です。でも、こんな名所、インドの地球の歩き方には書いていなかった気がしますが…


早速、近くに寄ってみましょう。いやーー、大きいです！！　人間がちっぽけに見えますね。でも、おや？　なにか変です。壁の穴からは竹しか見えませんが…。作業している人もいます…今、建築中？


寺院の中に入ってみると、いま、まさに建築中でした。布の向こうには大きなドゥルガー像が何体も飾られ、ガネーシャ像も飾られ、壁には壁画が何枚も飾られています。暑いインドですので、太い支柱には扇風機が取り付けられています。とても大きくて豪華なインドの寺院です。



上を見上げてみると、天井も手が込んでいます。美しい天井のパターン、随所に配置された電球、天井の真ん中にはインドの伝統模様があしらわれています。　おや？でも、天井から光が漏れてきています。石造りだったら光は漏れないはずですが…



布の隙間から神様像を撮影してみました。大きなドゥルガーに、インド楽器のヴィーナを持ったサラスバティに。インド人が登って一生懸命作っています。とても巨大で立派です。きっと、これからずっと使われていくのでしょう。


壁にはブッダの生涯を描いたと思われる壁が綺麗に飾られていました。でも、ここにも、なぜか光が漏れてきています…どこか変です。



おかしいな？と思って外に出てみてビックリ！！！

なんと！！　プレハブでした！！

しかも、竹と布だけで作っています！！！

完全に騙された！！　なんだこりゃ????


前に出てみると、今まさに作業中でした！！　くねくねと曲がっている竹で足場を作り、一生懸命作っています。


近くに寄ってみると…男性が白いコットン布を手に、一生懸命作業していました。白い寺院の白はコットンの白だったのですね…コットン布と竹だけでこんなものを作ってしまうインド人にただただビックリです。


繋ぎ目はどうなっているのかなぁ…と思って近くに寄ってみると、なんと、これだけ。竹にあまり太くない麻縄をグルグル巻いているだけ。おまけの様にビニール紐が巻いてありますが、全く機能していません。このプレハブの寺院の全ての繋ぎ目がこんな感じで作られているのでしょう…………強度は十分なのか、一気に心配になりました。


実際に中を覗いてみると、竹、竹、竹、竹、竹！！！　どこからこんなにいっぱいの竹を持ってきたのでしょう！

実はこのお祭りはインドで10月の中頃に行われるドゥルガープージャ(ナブラトナ)と呼ばれるドゥルガーのお祭りなのです。今作られていた大きなプレハブの寺院はパンダール=一時的な場所と呼ばれ、その時だけ、神様のために作られるのだそう。

パンダールの数はバラナシだけで300-400。ドゥルガープージャが盛んなコルカタの場合、その数は1万以上に達し、各地区で、パンダールの出来を競っています。

パンダールの建造費は全部寄付で賄われるそうで、ティラキタと一緒に働いてくれているアシーシュ君は4000rs寄付したそう。ドゥルガープージャ(ナブラトナ)の日が来ると、車は走らず、街全体がお休みになります。ドゥルガープージャ(ナブラトナ)の日は全部で7日間で最初と最後の日は断食する人もいるのだとか。一般的に遊びに厳しいインドですが、ナブラトナの時は夜遊びが特別に許可されます。夜の11時から朝までパンダールを廻って遊ぶのだそうです。



そしてこのパンダールは一週間のドゥルガープージャが終わると、あっという間に取り壊されてしまい、土地は一番初めの状態のまっさらな土地に戻るのだそうです。

たった一週間のためだけに、40mもあるプレハブの建物を立ててしまうインド人のパワーには心底ビックリ！！
インド雑貨を扱っている身としては、「そんな事してないで、もっと商品のクオリティを上げてくれよ！」と心から言いたくなりますが、実際の生活よりも宗教行事のほうが大切という人々のその気持がインドを魅力ある土地にしているのでしょうね。