アーユルヴェーダが溢れてる!! 聖地ケララ州ショーラヌールを訪問する


■アーユルヴェーダの聖地ショーラヌール
ティラキタ買付班、本場のアーユルヴェーダを求めて、アーユルヴェーダが盛んなケララ州にやってきました。アーユルヴェーダ自体はインド全域で認知されていますが、広いインドの中でも、特にアーユルヴェーダが盛んなのがケララ州です。

地図だとこの場所になります。ムンバイがある西海岸に属し、ゴアよりももっと南です。


ケララ州の中でも、製薬や、医科大学、アーユルヴェーダ病院などの各種施設が集まっているのが、訪問したアーユルヴェーダの聖地ショーラヌールです。

ショーラヌールはケララの田舎の町で、人口はたったの4万4千人。ココナッツの緑たっぷりのおだやかな場所が、インドのアーユルヴェーダにおいて、とても大切な役割を果たしているのでした。



■薬局銀座ショーラヌール
本場ケララでは、アーユルヴェーダが広く普及していて、どの町にも数件のアーユルヴェーダ薬局が存在します。その中でもショーラヌールは特別で、小さな町の商店街にアーユルヴェーダ薬局が6軒もありました。町をてくてく歩くと、アーユルヴェーダ薬局が次から次へと現れます。

インドの様々な所で見かけるKOTTAKALの専門薬局がありました。


薬局の中には木の棚が置かれ、オーセンティックな感じが本当に素敵です。


創立から120周年を数える伝統の製薬所Keraleeya Ayurveda Samajamの専門薬局もありました。


中のしつらえはアーユルヴェーダの伝統を感じさせるものばかり。江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚すら覚えます。


こちらは、トリシュールの地元ブランドThrissur Thaikat Mossの専門店。


凄いな。今まで、こんなにたくさんのアーユルヴェーダ薬局がある所に来たことがないぞ。

しかし、小さな町にこんなにアーユルヴェーダの薬局があって、競合し合わないのかなぁ…

と不思議に思っちゃいますが、まぁ、大丈夫なんでしょうね。

■アーユルヴェーダ専門大学を訪問
ショーラヌールには幾つかアーユルヴェーダの専門大学があり、そのうちの一つである、PNNM AYURVEDA MEDICAL COLLEGE AND HOSPITALを訪問してきました。PNNMはインドの古典書に基づく形でアーユルヴェーダを教える専門の大学です。

この大学では1学年に約60人が在籍しています。卒業まで4年+インターンシップ1年半で合計5年半かかるので、合計で350人ほどの生徒たちがアーユルヴェーダを学んでいるそうです。

卒業後、よりアーユルヴェーダを深く研究したい人のために、3年間の大学院コースも併設されています。



■学内を案内してもらいました
薬理学を専門とするアルジュン先生とアヌ先生に、キャンパスを案内してもらいました。

この大学はね。ヴェーダ時代から続く古典の知識を現代に伝える、大切な役割を持った大学なんだ。大学の中にはアーユルヴェーダにおいて大切な神様と聖人の絵が飾ってあるんだよ

病院の入口に神様がいるってインドらしいですね。これはなんの神様なんですか?

アーユルヴェーダにおいていちばん重要な神様の医学の神様ダンワンタリと、学問と音楽の神様サラスヴァティーだよ


ここインドでは、何をするにも神様ファースト。長く深い精神世界とのつながりを感じます。



■パームリーフに残された古代マラヤラム語の手書きテキスト
図書館に案内してもらいました。図書館には数多くのアーユルヴェーダに関する文献があり、学生たちはもちろん、教授たちも何かわからないことがあるとここに来て、勉強をします。


図書館の奥には貴重なパームリーフの古典書がありました。


古くから続くケララの家には、各家毎に、このようなパームリーフに書かれた古代テキストが存在しているのよ。

パームリーフには古代マラヤラム語でその家の伝統的な事柄が書かれているのだけど、古代マラヤラム語は、現在使われてる言語とは全く異なり、理解するのが難しいの


パームリーフに書いてあるのは、各家ごとの料理のレシピから、アーユルヴェーダのレシピまで。読むのが難しいので、デジタル化して英語や現代マラヤラム語に翻訳し、後世に伝えていく努力をしているとのこと。

このような古典的な知識は、インド政府のアーユルヴェーダを担当するアユーシュ省によって、デジタルライブラリ化されています。Traditional Knowledge DIgital Libraryというもので、アーユルヴェーダを始め、イスラム伝統医学のユナニ、シッダ医学、チベット伝統医学のソワリグパの貴重なテキストがなんと日本語で読める!!!!と言う驚くべきもの。

本やWebで書かれている知識というのはすべからく、著者の意図が入っています。特に第3者の校正を経ていないWebでは顕著で、書かれている内容を鵜呑みにはできません。ですが、Traditional Knowledge DIgital Libraryで得られる知識は完全に古来からのピュアなものだけ。伝統医療のことを調べていて困ったらここを参照することをおすすめします。

こちらのデジタルライブラリは古来から伝承されてきた当たり前の知識が、ごく一部の個人や企業によって特許化されてしまうのを防ぐとともに、失われがちな知識の伝承をするために作られたとのことです。

■ハーブミュージアム
アーユルヴェーダでは自然のハーブたちを多用するので、ハーブミュージアムが学内にありました。壁には植物たちの細かい構造が描かれています。植物は各部位によって、形態や細胞構造が異なり、根っこ、茎、葉っぱ、花、めしべなどの各部分に分かれ、その作用は当然、異なるとのこと。

古来から続くアーユルヴェーダですが、クロマトグラフィーを使って成分を分離し、有効成分を抽出すると言う現代的なアプローチも行われてるそうです。



■解剖学室
アーユルヴェーダ大学と言っても、医大なので、解剖学も学びます。解剖学室には、どこの国でもお決まりの頭蓋骨や大腿骨などの骨、そして、色々なホルマリン漬けが並んでいます。病気の臓器などもホルマリン漬けになっていました。



■教室ではみんな勉強中!
教室では、生徒たちが、みんな熱心に勉強中でした!
すごい真剣に勉強してました!! テスト中だったのかな??



■授業料は年間45万円
最後に、授業料が気になったので、アルジュン先生に聞いてみました。

アルジュン先生! この大学の授業料っていくらなんですか?

大学の授業料はケララ州政府によって決められているんだよ。あと、奨学生制度があったり、生徒によって払っている金額が異なる場合もあるんだ。

それは日本と一緒ですね

授業料はアーユルヴェーダ専門課程で20万Rs(45万円)、大学院で60万Rs(90万円)だよ

日本の医大に比べたら安いけど、インドの物価からしたら決して安くはない授業料です。それでも授業料を払って、5年半かけてアーユルヴェーダを習い、晴れて一人前のアーユルヴェーダドクターとして巣立っていく人たちがいました。

インドはアーユルヴェーダに本気なんだなぁ…



としみじみ感じるショーラヌール訪問でした。

ちなみにタイトル画像にも使ったこちらの写真は、マルマ(いわゆるツボ)を示した図だそうですよ。
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