インドに古代から伝わる砂糖づくりの現場を発見しました!

ティラキタ買い付け班はインドの隅々まで旅行していろいろな商品を探しています。ガンジス河のほとりや、ヒマラヤの麓、大都市のバザールまでどんな所でも商品を探してウロウロします。そんな買い付けの途中で「これは買い付けできないよね…でも面白い!!」と言うモノに出会う事がしばしば。

つい先日、ティラキタ買い付け班は亡命チベット政府があり、ダライ・ラマがあるダラムサラまで足を伸ばしてきました。首都のデリーからダラムサラまでは600Kmの道のり。今までのインドであればもちろん電車で向かうところなのですが、今回は珍しく、車で行くことになりました。

ティラキタ買い付け半の興味を惹いたのは、デリー北部の都市チャンディガルを抜けてちょっとした時のこと。チャンディガルは肥沃な土地で知られるハリヤナ州の州都で、都市を抜けると一面の農村地帯が広がっているエリアです。黄色い菜種が美しく、緑の穂が地平線まで続きます。トラクターを使っている農家もありますが、まだまだ牛も馬も現役で働いています。

車で走っていると、道端にいきなり煙突が出現しました。小さいけど、畑の中に突然3m位の煙突が出現するのはなんか不思議な光景です。



「あれ何? 停まってみようよ!!」

と言う事で停まって見てみると…そこで売っていたのは20cmくらいの大きさの円盤

「すいません。これなんでしょうか?」と聞くと
「これは砂糖だよ!」とシーク教徒のヒゲモジャのおじさんが言います。



僕達が見慣れた粉状の砂糖とは全く違います。ちょっとつまんで食べてみると…ウマイ! ただ甘いだけではなく、色々な風味が混じった不思議な味がします。口に含む時はちょっと固い感じですが、口の中に入れるとふんわりと溶け、砂糖の味だけでないいろいろな味が口の中に広がります。

さて、この砂糖。どうやって作っているのでしょうか…

即席の砂糖工場が作られているのは、さとうきび畑のど真ん中。
まず、さとうきびを育てて、切り倒して。この機械で絞ります。
一回だけでは十分に絞り切れないので、何回も、何回も重ねて絞ります。
しぼりたてのさとうきびジュースは薄い緑色。もちろんそのままでも飲めますが、ちょっと青臭い感じがします。

絞ったさとうきびジュースを直径3mはあろうかという大きな大きな平べったいお鍋の中に入れて煮詰めます。この時に使われる燃料は絞ったさとうきびのカス! 自分で自分を煮詰めることができるなんて…さとうきびがちょっとかわいそうな気がしますが、でも、とってもエコロジーです。

日本のお鍋と一緒で煮ているうちにアクが出てきます。もちろんアクは丁寧に取り除いていきます。でも、あんまり完璧には取れません。その辺は適当で大丈夫なようです。

十分に煮詰めていくと、中に砂糖が出現し始めます。それをもっと煮詰めて、塊にして、乾燥させて。最後にパラパラとスパイスを軽く振って出来上がり!!



何とも原始的で単純です。でも、この砂糖のおいしいこと!!
工場で生成されて、作られた砂糖とは比べ物になりません。

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