インドで結婚すると5年間はビクビク、ドキドキ!?
1970年にインドに移住したときは、情報一つなく大変だったそうですが、いつしかインドに馴染み、今ではゆったりとした生活を送っています。最初に出会ったときは、中学生くらいだった子供も月日を重ねるごとに大きくなり、高校生になり、大学生になり、ゲームばかりやっていたかと思うと、働きに出て、今では2人とも結婚して家庭を持っているのだとか。
子育ては日本でも大変ですが、異国インドではやはり日本にはない苦労があるようで、訪ねていくと、色々と教えてくれます。
「こんにちはーー! 帰って来ました! 最近どうですか?」
「どうもこうも、大変なのよ!」
「え? 大変って…」
「何年か前にうちの子が結婚したでしょう? 知ってる?」
「もちろん知っていますよ! あのキュートな小柄なお嫁さんですよね?」
「その子のことなのよ」
年収の3年分以上をつぎ込んで行う結婚式ですが…その後の生活もまた大変 |
つい2ヶ月くらい前のこと。日本でもよくある事ですが、インドでも嫁姑問題というのはなくなりません。お嫁さんと、その旦那さん、そしてお姑さん(日本人妻)の間で大げんかがあったそうなのです。
「数ヶ月前は本当に大変でね。家の中がぐちゃぐちゃだったの」
「お嫁さんはベンガルから来た方でしたっけ?」
「そうなのよ。でも、やっぱりうちと彼女の家では生活習慣も、何もかもが違うのね」
「でしょうねぇ。ここは半分、日本のような感じですし」
「だから、まったくうまく行っていないの」
「追い出すとか出来ないんですか?」
「出来るわけないわ! だってインドには怖い法律があるのよ…」
インドでは伝統的に女性の地位が低かったのですが、特に嫁入りした女性の地位の低さは長らく問題になっていました。女性が嫁入りするときには年収の何倍にもなる高額の持参金を持って嫁入りしますが、その持参金の額が少なかったと言って家庭内で虐めにあったりすることもしばしばだったそうです。
そんな問題を何とかしようと、数年前に新しい法律ができました。その法律とは、「結婚後、5年間の間に女性に対して暴力行為等があり、女性が警察に駆け込んだ場合に夫側の家族は全員警察に拘束される」というもの。今まで弱い立場に立たされてきた女性からは大きな賛同の声が上がった法律でしたが…
女性が自分の体をカッターなどで傷つけて警察に駆けこんだり、やられてもいないのにDVされたと言い出したりする人が現れ、また大きな問題になっているそうなのです。
「私たちが悪くなくっても一週間は拘束されちゃうの。」
「えーーそんなの信じられない…」
「だから、今、お嫁さんを貰うときは家柄を調べ、評判を調べ、ありとあらゆる手を使ってその子の事を調べ上げるのよ」
低かった女性の地位を助けるために登場した法律でしたが、その法律があまりにも強すぎるために、また新たな問題を生んでいるのだそうです。
「悪法もまた法なり」と言いますが、なんだかこのインドの新しい法律、悪法すぎる気がしますね。