インドの野外パーティーに設営から参加してみた
縁があって、インドのヒマラヤの山奥カソールという場所で行われる野外パーティーに手伝いにやってきました。お客さんとして参加することは現地に行けば出来そうですが、設営スタッフとして参加することはなかなかレアな経験だと思いますので、全力でレポートしてみたいと思います。
今回、僕が手伝いに来たのはルドラクシャ フェスティバルと呼ばれるフェスティバルです。内容はいわゆるトランスパーティですね。ヒマラヤの山奥で行われるトランスパーティー。どんな秘儀が行われるのか非常にドキドキします…
目次
■ドキュメンタリームービー作りました!!
■フライヤーやポスター
まず、日本と大きく違うのはフライヤーやポスターです。フライヤーは日本であればライブハウスとかお店とかに置いてもらい、ポスターを作ってもなかなか貼る場所がないと思うのですが、こっちではポスターはどこにでも貼り放題wwwお店の店先であれば、お店の人にちょっと挨拶してペタ。その辺の看板にはベタベタ。壁にもベタベタ。まじっすか?。本当にそれいいんですか?っていう位の感じで貼っていきます。日本だったらあっという間に怒られそうなんですが、ここでは何でもOK。
え、それ大丈夫なの?と思ってインド人に聞くと、かえってくる言葉は決まって一つ。
「インディア・エブリシング・ポッシブル!!!!」
道端の壁にもペタ
お店の入り口にもペタペタ
屋台の屋根の横にもベタベタベタ
その辺の柱にもベタベタ。あ、下のポスターは今年2015年の9月に行われるムンチフェスと呼ばれるもので、日本からDJTSUYOSHIが参加すると書いてあります。TSUYOSHIさん頑張ってーーーー!!!
お前も貼れよって言われて貼ってみるんですが、そこら中に色々貼っちゃいけないと言う自分の中の日本の常識が邪魔をして、なかなか彼らの様にフリーダムに貼ることが出来ません。
「そこそこ、そのオートバイの看板に貼れよ!」
「ええーーー!! ムリムリ!!!」
パーティーの垂れ幕が町にかかっていました。
「ねえ、あれはどうやって貼るの?」と聞いてみると。
「家の人にちょっと断ればいいだけだよ」とあっさり。
えっと…あの垂れ幕は道路の上にあるから道路を管理している役所に聞かないとダメ…とか、そういう面倒なの一切なし!!!
「インディア・エブリシング・ポッシブル!!」ッてみんなが口々に言うのだけど、その正体はこの自由さの事だったのか!!!
インドって凄え自由!!
■会場への資材の搬入は…
今回のイベントの会場はカソールの町から2Km位道を下り、急流を挟んだ反対側にある会場です。山を下り…
揺れる川を渡ります。下は日本では見たことがないような濁流が流れていて、落ちたらどう考えても即死です。
こんな橋、今すぐに架け替えなよ!! 切れて死ぬよ!!!
会場は車の入れない場所なので、イベントに必要なすべての荷物はネパール人のポーターに運んでもらいます。背中に40Kg以上ある荷物を載せ、ゆらゆら揺れる吊り橋を歩いてきます。正直、超怖い!! どんだけ怖いかは、ドキュメンタリームービーを作ってみましたので、見てみてくださいませ。お金貰ってもボク、この仕事したくないよ…ごめんなさい!!!
吊り橋を渡ってからまだ300m位会場まであります。背中に大きなウーハーを載せて歩くポーターたち。ウーハーの重さは70Kg位あるそうなんですけど!! ウーハーが会場に着いてから持ち上げようとしたんですが、重すぎて持ち上がりませんでした。君たち、一人でこれを持ってあの橋を渡ってきたのか!! 自殺行為だよ!!
これはステージに必要なアルミのトラスを運んでいるところです。トラスだって十分重いよね!!
■会場の設営
会場の設営はお願いしたテント屋さんがやってくれる事になっていました。テント屋さんのボスはこの人アルン君です。彼は英語が喋れないのでコミュニケーションに難があるのですが、大変いい奴でした。日本ではイベントでは運動会用のテントを使ったりしますが、インドのイベントでは結婚式用のテントが流用されていました。この結婚式用のテントはインドでは標準仕様のもの。さっそく作り方を見てみましょう。
まず会場全体に鉄のパイプを敷いて…
穴を開けてポールを立てて
梁を渡すとあっという間にテントのガワができました。あら簡単!!! ポールは地面に開けた深さ1mの穴に入れてあるので結構丈夫で揺らしても大丈夫です。
デコレーションの人もやって来ました。今回のデコレーションチームはブラフマン・トライブ。カソールに拠点を置く国際的なデコチームです。デコレーションは既に組み上がっているようで組み上がっているものを展開して終わり。おい、簡単だな!! もっときちんとやろうよ! と思ったら、他にも色々この後作っていました。
これは伸縮する布で作ったピラミッド。布をなんか切ってるなーなんて思っていたら、いつの間にかこんなのが出来上がっていました。
DJブースの一番前に出現したこの素敵な宇宙的なデコレーションは…時間軸を逆にしてみてみましょう。
みんなで立ち上げた所
立ち上げている所
地面の上に平らになっている所
そして…よく見ると、木と毛糸だけで作られていました!!!
こんな簡単なものから作り上げるとは!!
びっくり!! インド人凄え!!
会場の設営図も貼ってありました。 きちんと設営図を作っています。ちゃんとしてるなぁ。ここだけインドじゃないみたい!!
フレックスと呼ばれるビニールに印刷したもので看板を作っていました。
会場の案内も結構しっかり作っています
会場をきちんと仕切らないと、勝手に入ってくる奴がいるからと言うことで、インドのイベントでは会場は結婚式の布で囲われます。勝手に入ってくる対策はしっかりしています。
エントランスはこんな感じ。入場時にID見せてねとか、違法薬物禁止とか書かれています。黄色に黒はわかりやすいですね。
■色々なトラブルが次々と
とは言うののやっぱりインドのイベントです。見ている中でもトラブルが次々と発生していました。発電機が時間通りに来ないとか、近隣のガススタのオヤジに話が通っていず、燃料がないとか。
中でも一番大きな問題は川が急流過ぎて発電機で起こした電気を対岸へ渡せないというものでした。どうやら最初は川の上に線を張ってそれに引っ掛けるようにして持ってくるつもりらしいのですが、川が急流過ぎて自殺行為だということになり、結局、先ほどのゆらゆら揺れる橋と通って電線をひいてきましたが…用意した電線は足りないわ、線が長すぎて発電機の所で230Vくらいで発電しても210V位まで落ちてしまうわと見ているだけで大変そう。
ちなみにこれが発電機。馬鹿でかいです。
このイベント、オーガナイザーが4人いて協力して企画しているとの話だったのですが…??? 3人はどっからどう見ても遊んでて、ハリー君一人だけが頑張っている感じでした。他の3人は近くの家の中でボーっとしていたり、おしゃべりしていたり。おいおい、もっと手伝ってやれよっていう感じだったのですが…まぁ、こういう問題は日本でもありますね。
■使っている機材はわりかし最新鋭
今回のイベントで使用していた機材はわりかし最新鋭でした。ボクが今まで見てきたインドのスピーカーの中でも一番かも。インドのスピーカーといえば、インド製か、JBLのロゴが付いたパチ物の中国製と相場が決まっていて、音は割れまくっていて、まぁ、それが味っちゃ味なのですが、お世辞にもいい音とはいえませんでした。でも、このPAさんの持っているのは…スピーカーは米国製、DJ機材はパイオニアの最高級品!! インドでこんなの使ってんの!!??? なんでも、PAさんの所で働いているアマン君は一度日本に来て、日本の状況を見たことがあるとかで、なんだか納得です。ちなみにこの写真はPA屋さんのボス、ラビさん。
とは言うものの、インド人なので高い機材を持っていても扱いは適当です。ほらこの写真…パワーソフトっていう結構有名なメーカーのアンプを使っているのですが、なんか斜めになってるよ!!! どうしたの?って聞いたら「箱が壊れた」と。音が出りゃいいのですよね。音が出りゃね。
■エントランスは戦場
エントランス、すなわちイベントの入り口ですが、日本では会場までやってきてチケットを値切る人とかいないと思うんですが…ここでは来る人来る人、ほぼ全員が「ディスカウントはないのか?」と聞いてきます。一応、「ディスカウントはない」と言うんですが、来た人の人数が多い=帰られたら大きな損失になる場合は結構な値引きが行われていた模様です。
20分位見ていたんですが、いやーー、マジで戦場。
入場料2000ルピーなのに、500ルピーでいいかと真剣に頼み込んでくるヤツ、帰るふりをしてささっと入り込もうとするヤツ、10人だから大幅値引きを求めてくる奴とか色々な奴がいて、100人が100人別の事を言ってきます。そして日本人みたいにお行儀よくなく、みんな我先にと話しかけてくる…あまりの混沌さに笑っちゃうくらいでした。
そういえば、エントランスの時に配っている腕輪は紙製ではなく、ヨーロッパのイベントなどで流行になっている布のものでした。これ、日本で幾らするのかなぁ…
■インド人はよく踊る
インド映画を見ていても、インドンが踊り好きなのはわかると思いますが…本当に彼らはよく踊ります。日本では考えられないアグレッシブさでガンガン踊ります。正直、傍から見てると怖いくらいですが…インド人は基本的に暴力に訴えては来ない人たちなので、安心ですけれどもね。イベントが始まっちゃったら後は踊るだけなので、あんまりレポートすることはありません…。
しかし、インド人、本当によく踊ります!!
今回の野外パーティー、わりかし音もよく、新しい経験ばかりだったし、本当に楽しかったなぁ!!
約15年前までインドはニューデリーを基点に国内を自家用車で駆けずり回っていました、約15年。
貴殿からの毎回のレポートを楽しく読ませていただいています。
次のレポートが楽しんです。
インドではカワサキジーと呼ばれていました。(ジーとは、日本の○○さんというのだそうで)
いつも読んで頂き、ありがとうございます!! 次回のレポートはレーに車で行った話になりそうです