お尋ね者からヒーローへ – インドの大スターの器がでかすぎる!
photo:veer.com
■スター中のスター、サルマン・カーン
このブログで紹介するのはいっつもインドのヒドい話ばっかりです。まぁ、読み物的にそれのほうが面白いからっていうものありますが、実際問題、次から次へとヒドいネタが送られてくるっていう事実もあります。とは言うものの。インドは人間の振り幅が大きい国。悪い人もいれば、すごい良い人もいます。なので、たまには僕の元にも「これはぜひ紹介したいな」って思う素敵な話がやってきます。
さて、皆さん。サルマン・カーンって知っていますか? サルマン・カーンはだいぶ昔からボリウッド俳優として活躍してきた人ですので、知っている方も多いでしょうが、知らない方のためにちょっと説明します。
サルマン・カーンは1965年生まれの48歳。20代の頃からずっと映画スターで、1991年公開のサージャン/愛しい人 Saajanや、1999年公開のミモラ -心のままに- Hum Dil De Chuke Sanam 等で主役を務めました。実に25年以上もトップ俳優の位置に君臨しているスター中のスター!! インドのスーパースターなのです。
日本でも人気のシャー・ルク・カーン、出る映画を選び出演する作品全てが傑作との評判のアーミル・カーンと並んで3大カーンと呼ばれたりしています。
サルマン・カーンの魅力は甘いマスクと筋肉美。その鍛え上げた筋肉は全インド女性の憧れで、腕に力を入れるだけ=筋肉の動きだけでダンスシーンが構成できてしまうほど。僕ら日本人から見ると大分過剰な筋肉とは思いますが、筋肉美がもてはやされるインドでは素敵と認識されるのだろうな…と思います。
そしてもうひとつ知られるサルマン・カーンの顔は、多くの訴訟を抱えたり、警察に捕まったりするボリウッド映画界のお騒がせ者としての顔です。スターとしての話題作りなのかもしれませんが、FILMFAREなどの映画雑誌を読むと、「サルマン・カーンが収監される!?」みたいな話がしばしば掲載されていて、サルマン・カーンは問題児なんだなぁ…と思ってしまいます。
photo:santabanta.com
■病で倒れた物乞い
話はだいぶ前のことにさかのぼります。ある所に一人の物乞いが居ました。
その物乞いは小さな女の子と一緒に道行く人の足元に座りこみ、来る日も来る日も物乞いをしていました。
物乞いで衛生状態が悪かったのでしょうか、彼女は重い病にかかってしまいました。
ある男はその物乞いが座っている道を散歩道にし、しばしば彼女を見かけていました。
ある日、男がいつもと同じように散歩していた所、病気の物乞いは既に冷たくなり、傍らには泣き悲しんでいる小さな少女を発見したのでした。
男は少女の手を取り家に帰り、風呂に入れ、家に住まわせることにしました。
男はその後に彼女を自分の養子にしました。
日々の食事を与え、教育を施し、彼女が独立できるまで面倒を見て、彼女に幸せな人生を贈ったのです。
その少女の名前はアプリタ・カーン(Arpita khan)。そして、男の名前はサルマン・カーン。そう、その男こそ、数多くの訴訟を抱え、警察沙汰を起こしてきたあの大スター、サルマン・カーンその人なのです。
アプリタ・カーンはつい先日、11月21日にハイダラバードのタージ・ファラヌーマ・パレスを全館借りきって盛大な結婚式を行いました。その様子は全インド中に中継され、ネット上にも多くの写真が出てきています。
いくら自分の散歩道で倒れていたとはいえ、物乞いの少女を引き取って養子にし、毎日の生活だけでなく、教育も、そして今年のベスト5に入るくらいの盛大な結婚式を開くというのはなかなかできる事ではありません。
「スーパースターだから出来るんだよ。金があるからな」って人は言うかもしれませんが、裕福な人でも、そんな素敵な行動が出来る人はきっとごく一握りです。
サルマン・カーン、本当にどれだけ凄い漢なのでしょう。ただリスペクト。もはや伝説の存在と言うべきかもしれません。
先日のヒドいお香たてを作るのもインド人ならば、サルマン・カーンもまたインド人です。
インド人、君たちはどんだけ振り幅のデカイ人たちなんだ!!
改めてインド人の凄さに驚かされます。
■アプリタ・カーンの結婚式の様子
物乞いの子どもから大スターの養子になり、こんな盛大な結婚式を開くまでになる…世紀のシンデレラ・ガール、アプリタ・カーンの結婚式の様子です。父親のサルマン・カーンだけでなく、多くの映画スターが参列しました。マハラジャを思わせる盛大な結婚式…まるで夢の中の事のようですね。これもまたインド。photo:instagram.com/beingsalmankhan
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■訂正とその後…
先週の話を紹介した所、数人のインド通の方から「ねえちょっと話が違うんじゃない?」との指摘がありました。どうやらこのサルマン・カーンの話、インドでも人気の話題で色々な情報が流れているようです。と、言う事で、訂正と続報をお送りします!まず、この度結婚式を挙げたアルピタ・カーンはサルマン・カーンの養子ではなく、サルマン・カーンの父親であるサリム・カーンの養子なんだそうです。
あら、サルマンの養子って聞いたんだけどな…と思ったら、そもそも「物乞いの子どもを養子にした」との話が実は諸説あるのだそうです。
母親をなくした生後間もない赤ちゃんを見たサルマン・カーンとサリム・カーンが家に連れて帰った説が有力と信じられているそうですが、他にもサリムの妻のヘレンが路上で泣いている子どもを連れて帰ってきたと言う説もあります。
日本でもそうですが、スターに関連する話は諸説あるって言うことなのでしょうか。人気があるだけに真相は闇の中な気がします。でも、いずれにしろ、人の子どもを養子にして、きちんと育て上げ、結婚式まで挙げさせてあげるって言うのはなかなか出来ないことですよね。
参考:zeenews.india
アルピタはサルマン・カーンの養子ではなく、サルマンの父であるサリム・カーンの養子です。
サルマンにとっては血の繋がらない妹ということになります。
サリムがアルピタを養子にした経緯も諸説あるようで、「物乞い」説はそのうちの一つです。
ご参考まで。
http://zeenews.india.com/entertainment/celebrity/five-unknown-facts-about-salmans-sister-arpita-khan_1500932.html
Mahalさん、ご連絡、ありがとうございました。リンク先読まさせていただきました。確かにそのように書いてありますね。私が受け取ったインド人からの文章ではサルマンの養子って書いてあったのですが…スターの話だけに、色々な情報が飛び交うのでしょうね。ブログ、訂正させていただきました。情報、ありがとうございました。