アジア最大のスラム-ムンバイ・ダラヴィーを行く

■アジア最大のスラムに行く
ティラキタではインド各地を廻っていろいろな商品を輸入していますが、西の大都市ムンバイも買い付け先の一つです。

ムンバイって言えば、インド好きの友人の多くが「あのホテルの高いところでしょ?」って言う反応をする悪名高い場所。汚いホテルでも一泊4000円以上と、清潔さと快適さを考えたら絶対に日本のほうがコストパフォーマンスがいいよね!と言うバックバッカーにとっては鬼門のような場所です。

とは言うものの、ムンバイは世界に誇るインド映画ボリウッドの都です。インド映画のCDやDVD等を手に入れようと思ったら、いくら宿代が高いと言っても避けられません。

そんなムンバイでぽっかりと休日ができましたので、アジア最大のスラムと言われるダラヴィー地区に行ってきました。ダラヴィー地区の始まりは1882年の英国の植民地時代に遡ります。ダラヴィー地区はムンバイ近郊の工場や貧しい人々がムンバイへ移住するのに伴って拡大し、現在は限られた狭い地区に30万人とも100万人とも言われる人々が住んでいて、この地球上で一番人口密度の高い場所です。

インド各地から貧しい人々が集まってできた地区なのでダラヴィー地区にはいろいろな人々が住んでいて、多宗教であり、多民族であり、生活スタイルも様々というまさにインドの縮図というような場所になっています。

スラムというとなんだか怪しいイメージがありますが、その響きの通りダラヴィーにはインド政府が正式に認めていない工場や会社が多数あり、革製品やサリーなどの布製品、素焼きのポットなどを作っているそう。

ダラヴィー地区に行くにはムンバイのウェスタンレイルウェイのMahim Junction駅が便利。起点のチャーチゲート駅から30分ほど。電車に乗るとあっという間に到着します。ムンバイの近郊列車はドアがなく開けっ放しの状態なので、ドアの所から体全体で過ぎゆく風景を楽しむことができます。電車代は6Rs位と激安です。

地図で赤くなっているのがダラヴィーエリア。この赤い小さな場所に30万人とも100万人とも言われる人々が住んでいます。

■汚すぎてビビる
セントラルレイルウェイのSion駅を降りたばかりの風景です。Sion駅はそこまで大きな駅ではありませんが、ターミナルステーションか!?と思えるほどの人たちが降りて行きます

暗く汚いトンネルを抜けます。アジアで一番大きなスラムへ通じるトンネルかと思うと、なぜかドキドキします。女性の物乞いが子どもを抱えて脇にうずくまっていました。黒いフードを頭から被っている所から見るとイスラム教徒の女性なのでしょう。

物乞いにもシンジケートがあって、若い女性に赤ちゃんをセットにしたり、目を潰して惨めな外見にしたり、手を切ってしまったりするのだそうです。見た目を悪くすることでより多く稼げるようになるのだとか…

トンネルの床はジメジメしています。壁の張り紙は張られてからだいぶ経つらしく、その多くが破れていました。

トンネルを抜けるといつものインド…いや、既にいつものインドよりも埃っぽく、道が細く、そして心なしか行き交う人々の目が鋭いような気がします。

ダラヴィーの中に入っていきました。穴の空いたビニールシートが屋根のように張られています。壁は汚れ放題、道路にはゴミが落ちていて、穴ぼこも空いています。インドを見慣れた人の目には「こんなの普通だよ」って言われそうですが、よく見てみると見慣れているインドよりもより更に汚いのがわかるかと思います。

ちょっと進んでみました。道の広さは3m位。両側に家が迫っています。よく見ると、子どもが多いのに気が付きます。写真の中にも5-6人が写り込んでいます。

道端にはなぜか多くの男性たちが座り込んでいました。何をやっている所なのでしょう…

駐車場で子どもたちがクリケットをやっていました。とは言うものの…なんでしょうこの汚さ!! 見えるビルには窓が入っていず、横にはバラックが建ち、そして足元にはゴミが大量に落ちています。爆撃直後って言ったほうがいいような状態です。

ゴミの中で男性が寝ていました。うーーん。この中で寝るのか…いくらなんでもちょっと汚すぎやしないか…

■その中でも楽しく毎日を過ごす人たちがいた
汚いところばかりを紹介してきましたが…歩いていたらダラヴィーはただ汚いだけの場所ではないことに気が付きました。ダラヴィーの街中では多くの人達が楽しそうにしていました。

これはT-シャツ屋さん。

ムスリムのおじいちゃんが経営しているスイーツ屋さんです。茶色いボールは目の飛び出るほど甘いお菓子クラブジャムン。他にもチャイやサモサなどを売っています。「一枚撮らせてよ!」と言ったら抜群の笑顔で写ってくれました。写真に写っている誰もがいい笑顔をしています

街中のおじさんたち。みんな笑顔でにこやかです。友人たちとの時間を楽しんでいる感じでした。

道端でゾリゾリ髭そり。髭剃りの泡で真っ白ですが、オジサン、凄くいい笑顔です。

そして…いっぱいの子どもたち!! ダラヴィーにはたくさんの子どもたちがいました。みんな、とっても人懐っこく、写真撮って! 撮って! と大騒ぎ!

■ダラヴィーを廻ってみて
一日じっくりとダラヴィーを歩いてみて感じたのは「ダラヴィーにいる人たちは、なんだか楽しそう!」と言うものでした。

ダラヴィーに住んでいるのは貧しい人たちばかりでしょう。ダラヴィーは汚くて埃っぽいのでしょう。ダラヴィーは人が多すぎて住む場所にも困るのでしょう。物乞いシンジケートもマフィアもいて、水は汚染されているのでしょう。

でも、僕が見て歩いたダラヴィーの人たちは貧しいだけの一面ではありませんでした。彼らには自由になる時間がたっぷりあるように見えました。写真に写っている笑顔は日本では見たことがないくらい素敵でキラキラ光っていました。

僕達は一見彼らよりも素敵な生活をしているように見えます。でも僕らの多くは朝から晩まで会社で働いていて、自由になる時間はあまりありません。会社勤めをしていて土日でも休めない人たちはいっぱいいます。僕ら日本人の多くはお金のために時間を売っているのだと思います。

お金が全然ないけど、自由で時間があるのと。
お金があって食べるには困らないけど、自由と時間がないのと。

一見貧しいように見えるダラヴィーの人たちは、僕達が持っていない大切なものを持っているように見えました。僕らとダラヴィーの人たち、本当はどっちが豊かな人生なのでしょうね?

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